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オンライン資格確認の導入について

厚生労働省のサイト
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_08280.html
オンライン資格確認を導入するとのことですが、なんのことかといいますと、
マイナンバーカードに医療保険証の情報を紐付けし、顔認証で今加入している保険がわかるようにするものです。同時に、医療費の限度額の計算を自動で行うようになり、患者が手続きをする必要がなくなります。

同時に、
過去3年分の薬剤情報(薬局・医療機関)
過去5年分の特定健診の結果(医療機関)
を確認できるようになります。

1.保険証の情報の確認
 会社に入る/辞める、などで保険が変わった場合、今までは手続きに数週間かかっていました。しかし、オンライン資格確認を用いるとすぐに確認できるため、患者さんも一時的に自費診療になることなく治療を受けることができるようになります。

2.薬剤情報の閲覧
「これができたらお薬手帳いらないでしょ?」とおっしゃる方、現時点ではそのような仕組みにはなっていません。
 国保連合会/社会保険支払基金に提出されたあとのデータを参照することになるので、少なくとも2ヶ月前までのデータしか見ることはできません。
 
レセプトとして国保連合会/社会保険支払基金に提出するのは、前月分のデータをまとめて翌月の頭(だいたい10日ぐらいに締め切り)です。よって、現時点で飲んでいる薬のデータを見ることはできません。お薬手帳ではその日の時点で飲んでいる薬の情報が相互作用や治療の継続を確認する上で重要です。
 ただし、災害時にお薬手帳を運び出せなかった場合のバックアップとしては使用できる可能性があります。しかし、停電だったり、データを保管している場所が災害にあったりサーバーが壊れた場合はその限りではありません(多分対策はとっているとおもわれますが、100%ではない)
 今後、治療と同時にオンライン請求になったら変わってくるでしょうが、かなり大きなハードルがありそうです。

3.過去5年分の特定健診の結果
 検査の重複を避ける目的もあります。

1.については保険証によるオンライン認証で対応できますが、
2,3の情報を確認できるようにするには
マイナンバーカードによる本人確認(顔認証)が必要です。

マイナンバーカードに関する障壁としては
 1.本人が取得するために一度は必ず役所に行かないといけない
(写真を撮って申請するのは役所に行かなくていいが、できたカードを貰いに行くのに役所に行かないといけない)
 2.暗証番号を忘れてしまい。利用できない
 3.電子証明書としての有効期限の5年が経過してしまった
 4.実際には個人情報は入っていないのだが、「個人情報が漏れる」といってマイナンバーカードを持たない人が相当数出現する

が挙げられます。

さらに、医療機関で考えられることは
1.本人が来ないので医療情報の参照ができない
2.居宅療養では機器を持参できるのか?
3.認知機能が低下して、本人による意思表示が難しい方の場合の対応はどうなるのか?
が挙げられます。

1.に関しては医療機関ではありえませんが、薬局では珍しくありません。
 居宅療養の患者さんの薬を同居家族が取りに行ったり、患者が乳幼児でぐったりしている場合、お子様を配偶者など他の成人の家族に任せて薬を貰いに行くのは珍しくありません。(小児ではお子さんを保育園などに行かせてから保護者が薬を貰いに行く事例は珍しくありません。)

2.に関しては、顔認証付きリーダーを持ち運べるのか、情報を参照できる機器を持ち運べるのかが鍵になります。

3.に関しては、小児の場合は保護者が代理で意思確認をすると思われます。ただ、18歳で再度本人による意思表示をする仕組みにすべきと考えています。

保険の資格確認漏れによるレセプト返戻作業が減ると事務作業が大きく軽減されます。この分、国保連合会/支払基金の事務経費が削減されます。

 しかし、交通事故や労災など初回の診察時点でどの保険を使うか確定されていない場合は少し手間がかかるかもしれません。


限度額適用認定証をご利用ください
https://www.kyoukaikenpo.or.jp/g5/cat550/1137-91156/



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薬剤師のやくそうです。普段は薬局にいたりその周りの地域に出かけています。何を選んだらいいかわからない医療情報をわかりやすく、公的情報や根拠に基づいて紹介します。

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