個人輸入は誰も守ってくれない

2021.8.21 

この度、イベルメクチン(商品名ストロメクトール)の効果に関する論文に捏造があったとして、取り消されました。


新型コロナウイルス感染症流行下におけるイベルメクチンの使用に関する
Merck & Co., Inc., Kenilworth, N.J., U.S.A.のステートメント
(イベルメクチンの錠剤「ストロメクトール」を販売している企業です)

ざっくり説明すれば
・イベルメクチンは治療効果があるという確固たるデータは十分そろっていない。
・イベルメクチンが有効な臨床効果があるという科学的根拠は存在しない。
・イベルメクチンのCOVID-19患者に対する安全性に関しても科学的根拠も存在しない。
・現時点で、COVID-19に対しイベルメクチンを使用するのは妥当ではない
です。

本来のイベルメクチンの使用目的は

腸管糞線虫症
疥癬
に限定されます。2021.8月時点で時点ではメーカーによる出荷調整が行われていて、処方目的が妥当なものでないと薬局や医療機関で発注しても入らないようになっています。

 下世話な話ですが、イベルメクチンの話題が上がってから、MSDの株価が上がっているかといえば「上がっていません」。効果があるとわかったらまっさきに飛びつくのは今は医療者ではなく投資家です。投資家が飛びついていないということは、そういうことです。

対し、mRNAワクチンを作ったファイザーとモデルナの株価です。むちゃくちゃ上がっていますね。全部外国の市場ですね。


 日本で手に入らないからと言って、個人輸入してやろうと考えるのは更に危険です。詳しくは下記厚生労働省のリンクにあります。

どういうリスクが存在するか

1.本当に求める成分が入っているとは限らない

 有効成分がはいっていないだけ→健康被害が起こらない
 全く別の成分が入っている→場合によっては健康被害が起こる
(上記リンク先では「鉛が入っている」事例が紹介されていますが、痩せ薬に利尿剤がはいっていたという事例が過去にありました。脱水されまくりでしんどいどころの騒ぎではありません)
 偽造医薬品は、儲けるために作られているので、利益を最大化した方法で作られます。安全性に関してはコストカット、製造者が捕まらないためのリスク対策にはコストを掛けます。ちゃんとした衛生基準で作られているとは限りません。

2.医薬品副作用被害救済制度の対象ではない

上記のリンク先にも明確な記載があります。

 すべてが自己責任なので、ホンマにやらないほうがいいです。

なお、イベルメクチンに関して丁寧な解説をしている動画があります。
特定非営利活動法人AHEADMAP(アヘッドマップ)の方が作成した動画です。(テキスト起こしもあります)
 このAHEADMAPは代表者は薬剤師ですが、広く医療リテラシーの向上を目的とした団体です。

動画を作成した青島周一さんの記事です。





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