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電子処方箋によって患者体験はどのように変わるのか

PharmaXで薬剤師・エンジニアとしている働いている加藤(@tomo_k09)です。
このたび、PharmaX初のアドベントカレンダーをすることになりました!!(パチパチ)


PharmaXは患者主体の医療体験を志向し、テクノロジー ✕ 薬剤師の力で薬局DXを実現することによって、かかりつけオンライン薬局を運営している会社です。


この記事は、医療業界をより良いものにすべく、日々奮闘しているPharmaXによるアドベントカレンダー2022 1日目の記事です。


医療業界は厳しい法的な規制のためDXが遅れていることで知られています。
しかしそんな医療業界も、少しずつDXが進んでいるのをご存じでしょうか?

例えば、データヘルス改革の一環として2023年1月から今まで紙でやりとりしていた処方箋の電子化が始まるという大きな変化が訪れようとしています。


そこでこの記事では、

  • 電子処方せんによって患者体験はどのように変わるか

ついてまとめてみました。

電子処方箋とは

電子処方せんは『電子処方箋管理サービス』を通して、医師・歯科医師、薬剤師間で処方箋をやりとりする仕組みです。


ざっくり説明すると、以下のような流れで処方箋のやり取りをします。

引用:https://www.iryohokenjyoho-portalsite.jp/docs/denshi_online_setumeikai_1.pdf


文章で書くと↓のような流れになります。

<大まかな流れ>

  1. 医師・歯科医師が診察する

  2. 医師・歯科医師が電子処方箋管理サービスへ処方箋を送信する

  3. 薬剤師が送信された処方箋を薬局のシステムに取り込む

  4. 薬局が薬を調剤する

  5. 患者さんに薬を渡す

  6. 患者さんに渡した薬の内容を電子処方箋管理サービスに送信する

  7. 次回以降、電子処方箋管理サービスへ送信された情報をもとに重複投与・併用禁忌のチェックなどをする


今は紙の処方箋を病院・クリニックから受け取り、それを薬局に渡して薬をもらっていると思いますが、そのフローがなくなっていることが分かるかと思います。


こちらの動画を観ていただくと、よりイメージがつくので、ぜひ合わせてチェックしてみてください。


電子処方箋に関する技術的な話は別の記事で書く予定ですが、ざっくりと書いておくと、以下のような流れで電子処方箋の発行から薬局での処方箋受付を行っています。

<大まかな処理の流れ>

  1. 病院・クリニックがCSV形式で処方箋情報を入力し、XML形式の処方箋情報ファイルを生成する

  2. 医師が処方箋情報ファイルに対して電子署名をし、XML形式の電子処方箋ファイルを生成する

  3. 電子処方箋ファイルを電子処方箋管理サービスにアップロードすると、タイムスタンプが付与される(タイムスタンプが付与されることによって、タイムスタンプ時刻の以前に署名したことや、タイムスタンプが付与された後に文書の改変がないことを証明できるようになる)

  4. 薬局が電子処方箋管理サービスからXML形式の電子処方箋ファイルを取得する

  5. 電子処方箋ファイルからCSV形式で処方箋情報を取り出す


以上が、電子処方箋の生成から受付までの流れです。

ちなみに薬局が薬を調剤し終わった後は、薬局が電子処方箋ファイルと調剤結果情報を入力し、XML形式で調剤情報提供ファイルを生成。

生成したファイルを電子処方箋管理サービスにアップロードすることによって、調剤結果が病院・クリニック・他薬局へ共有されることになります。


PharmaXアドベントカレンダー2022 14日目の記事でより詳しく書く予定なので、楽しみにお待ちください。

電子処方箋が導入されるメリット

電子処方箋が導入されることによって、患者さん・医療機関ともに大きなメリットを得ることができます。

患者さんにとってのメリット

まずは患者さんのメリットについて。
1番のメリットは安全に薬を服用できるようになることだと思います。


電子処方箋が導入されると、医師・薬剤師が過去に処方された薬を参照できるようになります。

そのため、今まで処方された薬のことを覚えていなくても、

  • 同じような効果を持つ薬の重複服用

  • 飲み合わせの悪い薬の処方

などを今まで以上に防ぐことができます。


また現在の医療業界は医療機関同士の情報共有がうまくできておらず、それが患者体験の悪さにつながっていますが、これもある程度改善されるはずです。

例えば、「お医者さんに自分が悩んでいる症状の説明をしたのに、なんで薬剤師にも同じ説明をしないといけないんだろう?」と思ったことがある人は少なくないでしょう。


薬剤師は患者さんが安全にお薬を飲めるように、患者さんが抱えている症状に対して正しい薬・正しい用法・用量で処方箋が書かれているかをチェックしたい。


しかし医師がどういう意図で薬を処方したかが分からないため、薬剤師は患者さんからヒアリングするしかないというわけです。

その結果、患者さんは「何度も同じことを薬剤師は聞いてきてうっとうしいなぁ」と感じるし、薬剤師も「患者さんは何度も聞かれて面倒だろうなぁ。なんか申し訳ない。」という後ろめたい気持ちになるという、双方にとってあまり好ましくない状態になっています。


電子処方箋が解禁されると医師の処方意図もオンライン上で確認できるので、こういった問題も解消することが可能です。


医療機関にとってのメリット

次に医療機関のメリットについて。
特に大きいメリットは、現場で働く医療従事者の負担が減ることだと思います。


患者情報は電子処方箋登録管理サービス上に保管されています。

保管されている患者情報を利用することによって

  • 今まで手で打ち込んでいた処方箋の内容の入力業務が自動化される

  • 郵送またはFAXによる薬局・病院間での処方箋のやりとりがなくなる

  • 処方意図や調剤結果が医療機関の間で共有されることにより、医療従事者同士のコミュニケーションコストが低くなる

  • 処方箋に用法・用量の記載漏れなどの形式的な不備がないか自動でチェックされるため、人力での確認作業が減る

といったことが実現可能です。


これらの業務は現場で働く医療従事者にとって大きな負担となっていましたが、電子処方箋が導入されることによって解消されます。


また、正確な情報をもとに診察、処方・調剤を行えるのも大きな利点です。電子処方箋が導入されると、患者さんが処方・調剤されたお薬について、複数の医療機関・薬局をまたいで、 直近のデータを含む過去3年分のお薬のデータが参照できるようになります。

今までは患者さんからヒアリングや、患者さん自身が管理するお薬手帳を頼りに情報収集する必要がありました。


電子処方箋が導入されることによって、患者さんの記憶に頼った診察、処方・調剤をしなくてすむようになるのです。


電子処方箋を利用してなめらかな医療体験を作りたい

最後に電子処方箋を利用して、PharmaXが何をやりたいのかについて書きたいと思います。

結論からいうと、なめらかな医療体験を作りたい。
これに尽きます。


PharmaXでは「かかりつけオンライン薬局」を実現するオペレーションシステム(以下、薬局OS)を自社で開発しており、

  • 医療機関に受診後すぐにスマホで薬剤師と服薬指導を実施

  • 最短当日に自宅まで薬の配送

  • 薬剤師による積極的なフォローアップ(服薬状況や飲み合わせ、副作用の確認など)

といった今まで提供することが難しかった患者体験を実現しています。



こういった体験の良さが、「またこの薬局を使いたいです!」という患者さんの声につながっているのです。


この薬局OSと電子処方箋の仕組みを連携させることにより、さらになめらかな患者体験を実現できると私は考えています。

特に処方箋の受付時の負担を軽くできるはずです。

現在はお薬を安全に服用していただくために、服用中の薬などをヒアリングするための受付アンケートを記入する必要があります。


しかし電子処方せんが導入されれば、電子処方箋管理サービスから今までの服用履歴を引っ張ってこれるため、そういった記入の煩わしさを劇的に軽減できるでしょう。

世界で最も患者/生活者主体の医療体験を創造するというミッションのもと、PharmaXではいち早く電子処方箋に対応する仕組みを構築し、よりなめらかな患者体験を実現できるよう、引き続き頑張っていきます!

終わりに

今までの医療業界は法律の規制が厳しく、DXがなかなか進んできませんでした。


しかし、昨今は「医療業界もゴリゴリDXしていくぞ〜」という機運になりつつあり、エンジニアリングで解決できる問題も増えつつあるため、いちエンジニアとしてこれからの医療業界がとても楽しみです。

電子処方箋の詳しい仕組みについては、別の記事で書く予定なのでぜひそちらも楽しみにお待ちください!

PharmaXアドベントカレンダー2022では、2022年12/25日まで技術的な話から組織の話まで幅広い記事が公開される予定です。

引き続き、ぜひよろしくお願いいたします!


PharmaXでは定期的にテックイベントをオンラインで開催しています!
2023年1月は、金融業界・花き業界・薬局業界という異なる業界でDX推進をリードするスタートアップ企業3社が集まり、それぞれのオペレーションを担っているドメインエキスパートとプロダクト開発チームがどのように連携しながらプロダクトや開発組織を作っているのかについてディスカッションします。
ぜひお気軽にご参加ください。


<参考資料>


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