2022年のPharmaXエンジニアチーム振り返りと2023年の抱負
はじめに
こんにちは。PharmaX 共同創業者・エンジニアリング責任者の上野(@ueeeeniki)です。
PharmaXとしては、創業以来はじめてのアドベントカレンダーを投稿しており、最終日に私が、エンジニアチームとしての今年の振り返りを書くことになりました!!
PharmaXは今月(2022年12月)で創業4周年目を迎え、5年目に突入しました。
2022年は、9月に新たな資金調達と社名の変更を発表し、会社全体にとって大きな節目の年となりました。
この社名変更は、ここからの飛躍への決意の現れであり、来年は大きな飛躍を遂げたいと思っています。
2022年も様々なことがありましたが、
今回は、エンジニアチームにとって一番大きな出来ごとであった、2事業部体制への移行を振り返りつつ、今後に向けての反省を中心に書いていきたいと思います!
2022年の一大イベント:2事業部体制への移行
なんと言っても今年の大きなイベントとしては、会社全体として2事業部体制になったことでしょう。
これまでメインで行ってきたセルフメディケーション事業YOJOとは別に、オンライン服薬指導をメインで扱う調剤事業を立ち上げました。
両方、YOJO薬局(実店舗が四ツ谷にあります)から医薬品をオンラインで患者さまに販売するという点は同じなのですが、
YOJO事業は(処方せんが必要ない)OTC医薬品、
調剤事業は(処方せんが必要な)処方薬
を中心に販売するという点が異なります。
処方薬のオンライン販売にはオンライン服薬指導が必須であるなど、医薬品の区分によって法律のやカスタマージャーニーの違いなどがあることから、今は2事業部体制とする意思決定を行っています。
今は患者が2事業部の両方のプロダクトを行き来するのに、LINEを再度登録し直さなければならないという不便がありますが、
近い将来的、OTC医薬品と処方薬の両方をオンラインで滑らかに購入できる統合プロダクト(プロジェクトネームOne)も構想中です。
PharmaXでは、下の図のように職能チームとしてもエンジニアチームを捉えつつ、事業それぞれのプロダクトチームにエンジニアがアサインされます。
その上で、エンジニアのリソースの8割以上は、事業のプロダクトをデリバリーすることに集中し、指示系統としては、事業内で完結して行われるイメージです。
一方で、エンジニアチームとしても、勉強会などのチームの技術力を強くする活動や、発信・イベント登壇などのチームの知名度を上げためなどの事業成長にはすぐに寄与しない活動も積極的に行っています。
これらは、職能チームとしてのエンジニアチームを強くする活動と捉えて、
私中心にエンジニアチームとして積極的に行っています。
青いうす枠で囲まれたような事業・プロダクト横断チームもありますが、
これは、いわゆるEnabling Teamのような専任チームではありません。
単純に事業を横断しての知見の共有を行ったり、必要があれば共通の問題についてディスカッションするためのチームです。
今年は、2チームへの拡大に私、あるいはチームの組織力・マネジメント力が追いつかなかったことを痛感させられる1年でした。
これまでは、1事業部体制で、その中のデリバリーチームのリーダーも私が行っており、話は単純でした。
しかし、2事業部体制に移行したことで、チームとしての構造化が必要になりました。
また、ここでは(話がソレ過ぎるので、)詳細を省きますが、
2事業目の調剤事業を立ち上げるタイミングで、私が資金調達や事業的な新規の検証に掛かりっきりになってしまい、
あまりエンジニアチームとコミュニケーションを取れない時期が半年ほど続いてしまいました。
その上で、デリバリー上の予期せぬ問題がいくつか起こってしまいました。(※ デリバリー上の大事故には至っていませんし、大規模なチーム崩壊も起こっていないので、いわゆる「スタートアップの経営者が語る失敗談」としては、誇れる規模のものではないかもしれませんが、、、笑)
改めて考えると、会社としても今時点でのチームの総合力をきちんと把握することができてよかったと考えています。
2事業部体制への移行に伴う反省ポイント
その上での反省はいろいろあるのですが、
複数チームに分かれる上で、私たちのチームとしてもっときちんと取り組まなければならなかったことは、
① 文化の深い浸透
② 事業・プロダクトの方向性や前提知識・文脈理解のためプレゼン・ドキュメント化の徹底
③ 十分な時間をかけたチーム組成
あたりがあるのかなと考えています。
それぞれを軽く説明したいと思います。
① 文化の深い浸透
前提として、
PharmaXは、下図のようなミッションと価値観を設定いるのですが、
メンバーのミッション・価値観が深く浸透している会社だと言っていただくことが多いです。
ただ、1チームだったときよりも、2チームになることで、
メンバーが各々で判断しなければいけないことが増え、いろんなところで迷いが生じてしまったのだと思います。
メンバーも増え、チームも分かれてしまったことで、メンバー間でも浸透度合いにばらつきが出てしまい、各人が自信を持って判断できなくなってしまったということはあるのでしょう。
文化・価値観などの思想的なものは、圧倒的にスケールするので、組織全体への浸透にきちんと投資をし、メンバーが気持ちよく迷わず働けるようにすることが重要です。
文化・価値観こそがPharmaXをPharmaXたらしめているものですし、PharmaXで働くことの意義を感じられ、PharmaXらしい判断ができていると各々が確信を持つことができれば、日々の活動に自信を持って取り組むことができるでしょう。
② 事業・プロダクトの方向性や前提知識・文脈理解のためプレゼン・ドキュメント化の徹底
これは、2事業部体制に移行したことによって、そもそもの事業のポートフォリオの建て付けや全社のリソース配分がややこしくなったということに起因します。
これまでは、チームに私がいたことで、日々のコミュニケーションの中で直接、会社の方向性や事業の建て付け・進捗などをディスカッションできていました。
その上で、事業の将来の方向性の予測を通じて、なぜこの要件が必要なのかであったり、どのようなトレードオフを勘案して設計すべきなのかなどの判断をある種自然に行っていました。
特に、新しく立ち上がった調剤事業部では、日々、方向性が変わっていきます。
初期の事業の検証が終わってある程度プロダクトの方向性が見えてきた後であっても、事業の方向性をエンジニアリングに取り込みつつ、それぞれの機能の不確実性をどの程度考慮するのか等が肝になってきます。
エンジニアではない、事業部長やPdMからすると、エンジニアチームとしてどこまで知っておけば、将来も含めた設計ができるのかもよく分からない、
エンジニアチームとしても、どこまで将来の方向性をエンジニアリングを取り込めばいいのか分からないという状態になってしまったのだろうと考察しています。
そのためにも、もっと方向性を日々エンジニアチームにアップデートするためのドキュメンテーションを徹底的しつつ、
どのようにトレードオフを判断するのかの判断軸やポリシーを揃えられていればよかったんだろうと考えています。
③ 十分な時間をかけたチーム組成
③は、①と②にも関わりますが、チームをハード立ち上げて、ハードに仕事を投げすぎたしすぎたという反省になります。
スタートアップのような小さな組織では、各人の能力にばらつきが出てしまいます。
(経験年数が、そのままエンジニアとしての能力になるわけでは全くありませんが、)例えば、PharmaXでも、エンジニアとしての経験年数にもかなりのばらつきがあります。
さらに、新しいメンバーがどんどん入ってくるようなスタートアップでは、各人の特性や能力を鑑みて、適切なチーム組成を行うには、ある程度の慎重さが問われるでしょう。
適切なアサイン(チーム分け)・役割分担から、チームビルディングは始まってるはずです。
役割分担の認識も含めて、プロダクト「チームを創る」ということが必要だったんだろうと思います。
2023年に向けて
チームとして
エンジニアチームとしては、2023年の最初の最重要課題として、上記の①の文化の再浸透に取り組んでいきます。
文化の再浸透の中でも、特にチームへの直言・時には厳しいFB文化を強固にするということにメンバーみんなで取り組みたいと考えています。
全社の価値観である「仁を尽くす」に紐づく、「嫌われるのを恐れずハッキリと相手のために意見を伝える」という行動指針にあるように、
PharmaXでは、相手の成長を本気で考えて、 FBすることが推奨されています。
また、個人へのFBだけではなく、チームとしても自分の担当範囲にとらわれず、もっともっと越境し、協働学習を活発に起こせるチームにしていきたいです。
プロダクトのデリバリーだけではなく、エンジニアチームそのものを強くする発信などの活動も活発に行なっているので、また年明けにでも発信していきたいと思っています。
上野個人としての抱負
なによりもまずは、事業の成長にコミットして行きたいと思っています。
ありがたいことにさまざまな事業機会をいただいていますし、2023年は、2022年に撒いた種が大きく花開く年にしたいと考えています。
また、一方で、エンジニアリング責任者という役職(CTOロール)をこだわりを持って遂行したいと考えています。
創業者であるということから、事業上の結果を出すためになんでもするということにこだわってしまっていて、エンジニアチームとしてやるべきことにまだまだ集中できていないなと痛感する一年でした。
(スタートアップの創業者・経営者あるあるだとは思いますが 笑)
エンジニアチームという一定資産になっているものをよりパワーアップさせたり、外部に発信していったりすることでより価値を知っていただくことに腰を据えてコミットし、大きな成果を出す年にしたいです。
チームとしてはもちろん、私個人の考えも社内外に発信していくことにより、PharmaXの考え方を知っていただくことがより重要なフェーズになってきており、アウトプット中心の習慣に切り替えていきたいと考えています。
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