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千里の道も一歩から!エンジニアが薬局業界のDXに約1年関わって感じたこと

bonです。主にWebエンジニアをやっています。
過去記事で入社1ヶ月経った感想を書いていますが、今回は約1年経った感想を書こうと思います。

スタートアップの組織づくりは難しい

分かっていたことですがスタートアップというのは、まず社会的認知を獲得しないことには人が集まりません。そのため、私はまず自社の文化や組織、プロダクトの未来像、戦略など採用に使えそうな材料を集めたり定義したりしました。ペルソナも作りましたし、採用面接のフローみたいなのも整備しました。

しかし数ヶ月も経つと、方針や戦略は外的・内的な要因で変わるのがスタートアップです。一旦0ベースでの仕切り直しが行われました。
この期間中、私は別の業務があったのでまったく関わっていないのですが、他のメンバーがゴリゴリに再設計してくれます。
良くも悪くも1人のパワーやスキル、行動力が価値になる世界だなと改めて感じました。
たった数ヶ月という期間でも、ガラッと戦略や方針の見直しが必要となるスピード感に慣れながら、他方で今の組織をプロダクトドリブンで生産性高くチームにしていく作業が求められます。組織づくりはなかなか難しいなというのが正直な感想です。

やるべきことをやることが難しい

常に「人が足りません」が大手以上に口癖になりがちなスタートアップのため、やるべきことをちゃんとやる、ということですら難しいときがあります。
「自分でやったほうが早い」という状況が多々あるわけですが、それだと業務過多&属人化で結果的に自分で自分の首を絞めることになります。そのため、仕事の方針やスケジュール化、誰に何を渡すかというところを本来であれば考えなければならないのですが、それぞれがそれぞれのタスクでマンパワーコミットメントをする状況だとそうはいかないわけです。
「人を採用すればいいじゃないですか」という声が聞こえてきそうですが、人を採用するために割く時間も十分に確保する必要があるため、ここもすぐには取りかかれていません。

優先度の調整や各人との連携というのは、大手のチーム以上に本来必要なスキルなのではと最近よく思っています。

未来を作るのが難しい

薬局業界を包含する医療業界は、DXが遅れているといわれている業界です。みなさんご存じの通り、初診時の問診やカルテ、処方せん、支払いなどほとんどが紙・現金縛りです。
これらを解消するために、オンライン診療や電子カルテ、電子お薬手帳などのサービスが開発されました。法律の側面でもオンラインでの診療・服薬指導などの整備が進んでいます。
ここまでは私もこの業界に関わる以前から把握していましたし、やっていけそうだと思ってました。課題はここからです。

実際に事業をやってみると「患者さんに渡したい薬の在庫がない」とか「クリニックから送られる処方せんの内容が事前に分からない」とか「クリニック側とのコミュニケーション手段が電話しかなく連携が遅れる」というような課題が挙がってきました。

薬局ビジネスは多方面に利害関係者(ビジネス関係者)が存在します。toCのように患者さんと薬局、という2者間のコミュニケーションだけでは解決できないため、とても奥が深い事業領域です。
ちなみにこの課題は、他社の業界でも当てはまっていると私は思っています。もしこれからBtoBtoC業界に携わりたいと思っている方がいらっしゃったら、関わる事業・業界のユースケースを思いつく限り洗い出しておくことをおすすめします。そうすることで、実は今やろうとしていることよりも、まず先に取り組まなければならないことが見えてくるかもしれません。

このように、単純に「薬局業界をITの力で変える」ことは難しく、事業ドメインを広く、そしてある程度深く理解した上で道筋や中間目標を作っていく必要があると考えています。

世の中に存在しないものを作ることが楽しい

ここまで私の感じた難しさを述べてきましたが、最後にちゃんと楽しいこともあるよと示しておきます!

これまで述べた内容がなぜ難しいのかを突き詰めていくと、それは「今ここにないものを作ろうとしているから」でしょう。
私のスキル的に0から1を作るフェーズに関わってきた経験が浅いこともあり、非常に頭を使いますし難しいなと感じるところが多いというのが率直な答えです。けれど「自分は0→1フェーズに自信がある!」という方にとっては、弊社はこれまでにない面白い環境がそろっているのではないでしょうか。
技術的にも、最新の法改正に則った新しい業務モデルをプログラムに落とし込んでいき、それを業界の一般的な仕様にしていけるチャンスがたくさんあります。

今はまだ誰もが認識していない医療体験の常識を、薬局を中心に作り込んでいくことに興味のあるエンジニアを絶賛募集しています!

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