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次世代型オンライン薬局でなめらかな医療体験を創る

PharmaXの辻(@YusukeZ2)です。本日、KOIF及び既存株主のGCPとANRIを引受先とする約5億円の資金調達KDDIとの協働株式会社YOJO TechnologiesからPharmaX株式会社への社名変更という3つのニュースを発表し、私たちの新たなステージがスタートしました。詳しくはプレスリリースをご覧ください。

これらのニュースは、創業以来「患者/生活者主体の医療体験を実現したい」という想いのもと試行錯誤を続けていく中で、当社の注力領域が徐々に定まってきたことに伴う意思決定です。今日は、これまでの経験学習を踏まえて医療ヘルスケア領域を現時点でどのように捉えているのか、私なりの考察をお話ししたいと思います。


辻裕介 プロフィール
順天堂大学医学部卒業。ヘルスケアスタートアップでインターンとして事業開発を経験。その後MD-PhDプログラムに採択され、順天堂医院にて臨床と研究に従事。2018年12月にMINX株式会社を創業。2022年8月にPharmaX株式会社へ社名変更し、薬局DXを推進していくことで患者さんに最も満足していただけるオンライン薬局モデル確立に向けて邁進する。

創業から"PharmaX"誕生に至るまでの経緯

「患者さんの心身の悩みにきちんと寄り添うことができていない」
大学病院で医師として勤務していた時、私自身このような葛藤を抱えていました。
ゼロから医療機関を立ち上げてテクノロジーを積極的に活用することでもっと患者さんと向き合えるのではないか?
そんな想いを元に、2018年12月にエンジニアの上野と2人で共同創業しました。

創業初期のプロダクト開発風景

とはいえ、最終的に成し遂げたい方向性(=患者満足度世界一)は明確であるものの、当初からオンライン薬局という事業戦略/howが存在したわけではありません。さまざまな事業アイデアについて試行錯誤をする中でやっと見つけ出したというのが実態です。

<創業初期>
"IT実装したクリニックをフランチャイズ展開する"というビジネスモデルで、院長候補を見つけて、物件も押さえて、融資実行直前まで行ったものの、スケールでの致命的な課題が見つかり頓挫

<ピボット/アイデア初期検証期>
医療ヘルスケア領域のスタークホルダーをマッピングして課題を洗い出し、20-30のアイデアを立案した中で可能性のある数個のアイデアに絞り込み、MVPで深堀りする中で漢方EC(市販薬)に注力することに決定

<独自価値の発見/事業ドメイン拡大期>
直近1,2年で大きく規制緩和が進んだため、徐々に漢方ECから"かかりつけオンライン薬局"に構想を拡大し、これまで構築してきた薬局OS(オペレーションシステム)を処方薬領域にも転用

要は、不確実性の高い医療ヘルスケア領域において、まずはビジネスモデルが既に成立している市販薬EC事業を立ち上げました。
そして経験学習を通して患者特性や市場理解を深めて、その結果独自価値を見つけ出して中長期戦略を描いていく、というエフェクチュエーション的アプローチを実践。
すると、当社の重点領域が徐々に明確になってきたのです。

<当社の重点領域>
次世代型オンライン薬局を運営するスタートアップ。
エンジニア×薬剤師を中心にOne Teamでプロダクト開発する体制を構築。
自ら運営する薬局にテクノロジーを積極的に活用することで、患者UX向上と薬剤師の働き方改善の両方を創出し、なめらかで個別最適化された医療体験を実現することを使命としている。


これらのスタンスを社内外に対して明確に示す目的で、PharmaX株式会社へと社名変更する決断を行いました。

「患者接点」争奪戦は未だ決着なきフロンティア

これまでお伝えしたように、創業時から愚直に目の前のことに取り組んでいく中で「自ら薬局を持ち、直接医療体験を患者に届ける」というスタンスが明確になりました。ここからは別の角度として、医療ヘルスケア×ITの歴史からも紐解いていきます。

医療現場では、1970年頃よりレセコンが普及し始め、2000年代になると電子カルテなどを中心にITの活用が広がり始めました。この頃は、製薬企業や医療機関などtoB向けがメイン。法人に対して最適なソリューションを提供したプレイヤーが巨大化して利益を上げ、周辺領域の会社/サービスを買収して領域拡大していく、という勝者総取りの局面を迎えました。すでに特定の企業が"オセロの四隅"を押さえている状況です。

ではもう勝ち目はないのでしょうか。
私は、toB事業がメインの企業だと組織文化や意思決定プロセスなどがどうしてもtoC向けプロダクト開発とは相容れない部分があると考えます。だからこそ、「徹底的に患者本位なサービスを創ること」に一つの解があると思っています。

初期はウェアラブルデバイス等を活用して予防やQOL向上に寄与するようなプロダクトが勃発しました。しかし、最近ではクリニックフォアやスマルナ・ファストドクターなど各領域で患者さんのニーズをしっかりと掴んだサービスが台頭しています。

患者接点を押さえたプレイヤーがさまざまなソリューションを展開して、次の時代のヘルスケア業界の覇者になるシナリオも十分考えられます。

PharmaXはオンライン薬局で患者接点を押さえます

toCヘルスケア立ち上げの要諦

私なりに整理したtoCヘルスケアの勝ち筋は次の通りです。

①適切な領域選定

医師が絡む診察/処方周りの領域は規制が厳しく、一方で予防領域は皆保険制度が整っている日本においてはニーズが弱い状況です。薬局や薬剤師・セルフメディケーションという領域はこれらの中間に位置付けられます。また厚生労働省を中心に役割を変えていこうという動きがある中で非常にポテンシャルが高いと考えています。

②規制緩和の流れを汲んだ2段階ロケット

創業した2018年時点では、まだオンライン診療・服薬指導が解禁されていなかったため市販薬ECより開始。薬局における患者基盤や薬剤師オペレーション・配送体制などを構築してきたことによって、いざ規制緩和が進んで処方薬領域の市場が広がった際にそのアセットを横展開することができました。

③マーケットインでのターゲット選定

マクロ視点で領域設定しつつも、いざプロダクトを創る際は徹底的に目の前の患者さんの課題を理解して、適切なニーズの束を捉えることが大事。すべての人に刺さるプロダクトは作り得ないので、きちんと絞り込む必要があります。当社の場合は、不定愁訴で悩む女性にターゲットを絞り、LINEで薬剤師にいつでもどこでも気軽に相談できる環境を提供することで徹底的な寄り添いを実現しました。

④ターゲットに最適化した一気通貫の体験設計

医療機関にSaaSを導入するだけでは医療体験は変わりません。自ら医療機関を運営し、システム+Ops(オペレーション)も含めたWhole Productを構築するというのが私たちの出した結論です。LPからLINE内体験・配送ロジ・商材パッケージ・薬剤師相談の温かみ含めて全体が一貫しているからこそブランドが創れると考えています。

オンライン×医療における患者の「窓」をとるプレイヤーが市場を席巻する

当社のブレないミッション

患者さんの「窓」をとるプレイヤーは、さまざまな健康問題を解決することで信頼を得ることができます。一度信頼関係を築くことができれば、継続的に利用して頂けるので、医療/健康情報に関するビッグデータが溜まっていきます。それらから得られる示唆を患者さんに還元できるサイクルを構築できれば、真の生活者主体(People-centered)の新潮流を生み出すことができるはず。

私たちは、
Design the world's most people-centered healthcare experience.
世界で最も患者/生活者主体の医療体験を創造する

というミッションを掲げております。

医療ヘルスケア業界を取り巻く環境の変化が激しく、スピーディーな意思決定が求められる中、専門性や強みの異なるメンバー同士で智の創発をして、患者さんから圧倒的に支持されるプロダクトを創りたいと思っています。

さいごに

楽しい仲間とミッション実現に向けて邁進してます

日本ではまだオンライン薬局という領域は勝者が決まっていない状況です。
PharmaXはリーディングカンパニーになりたいと思っていますが、その挑戦は簡単ではありません。

こういった挑戦を一緒に助けてくれる仲間、一緒にやり遂げようという仲間をPharmaXは大募集中です。この新しい挑戦を面白そうだなと少しでもピンときた人はまずは気軽にディスカッションしましょう。

💁‍♀️PharmaXではエンジニアやプロダクトマネージャーなど積極採用中です!




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