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発がん性物質NDMAはどのくらい摂取したら危険?管理指標は?

 平成30年11月9日に発出された「薬生薬審発1109第6号・薬生安発1109第4号・薬生監麻発1109第1号」によると、

 ヒトにおけるNDMAの許容摂取量は 0.0959μg/日

だとのこと。(根拠データ:TD50=0.0959mg/kg/day(ラット))

 これをもとに、各薬剤ごとに1日最高用量等から算出するそうで、上述通知の内容によると、ARBの限度値は下表の通り。

図1

 つまり、バルサルタンの場合は、毎日160㎎服用すると仮定すると、原薬中のNDMAが0.599ppm以下なら、1日摂取量も0.0959μg/日以下になるとする目安。

 メトグルコ®では、

 NDMAの管理指標は、メトホルミン塩酸塩として、1日2,250mgを70年間服用し続けた場合に10万に1人に発がんするリスクが増える量

として設定されているとのこと。(大日本住友製薬(株)DIより)
【参考】(地 348)(法安 158)


 メトグルコの指標は分かりやすい!
 この「70年間」とは、生涯を70年間と仮定した障害暴露リスクを算出する「Haberの法則」という原理を利用したものらしい。
 ARBの指標もこの原理・法則を使っているものとしたら、考えやすい。

仕事より趣味を重視しがちな薬局薬剤師です。薬物動態学や製剤学など薬剤師ならではの視点を如何にして医療現場で生かすか、薬剤師という職業の利用価値をどう社会に周知できるかを模索してます。日経DIクイズへの投稿や、「鹿児島腎と薬剤研究会」等で活動しています。