古墳の中のお不動様-かじぃのポータル再訪紀1 今里不動古墳
今里不動古墳
「かじぃのポータル再訪紀」と銘打っていますが続くといいなぁw
「ポータル」とか言ってますけど、あまりポータルにこだわるつもりはありません。
要は個人的にエモいと思ってるポータル、その近辺にフォーカスを絞って案内してみよっかな、という企画です。
既にポータルになっているものが多いため、「再訪」という名前になってますけど、新しい発見があっても掲載するかもしれません。
IngressやポケGOをやってる人にも「ゲームだけじゃなくて、こういう発見もあるんだ」っていうのがちょっとだけでも伝わればいいなと。
そして近所のポータルやポケストをよーく見てみたら、結構面白いかもよ?というのが伝わればいいなぁ。
さて、記念すべき第1回は今里不動古墳です。
古墳大好きな人にとっては超絶エモい案件です。
福岡県福岡市博多区。
この博多区には日本でも珍しい「住宅街の真上を飛んでいく国際線飛行機」が見れる福岡空港があります。
かじぃは幼少の頃から、この飛行機が飛び交うエリアに住んでいました。
この福岡空港というのは、地図を見れば分かるのですが、中洲を通って博多湾に注ぐ「御笠川」という川に沿って(ちょっとズレてますが)建てられています。
で、この御笠川に沿って走っているのが九州を縦断する国道3号線。
空港の東側を走り、空港の南側に入ると国道3号線に沿うようにして走る県道574号線(通称水城下臼井線)があります。
この水城下臼井線沿いに弥生時代の遺跡「金隈遺跡」があります。
金隈遺跡は弥生時代の共同墓地の遺跡で、甕棺墓から136体の遺体が発掘されているそうな。
マジかよすげぇな金隈遺跡。
この金隈遺跡から水城下臼井線を1kmほど南下し、「とり勝」というチキンステーキを食わせてくれるお店が左手に見えたら、手前を左折。
住宅街に入る手前にこの今里不動古墳があります。
入り口はめちゃくちゃ地味です。
案内板、超地味。
マジで見逃しそうなくらい地味。
一応、こんな感じでゲートになっているんですけどね。
鎖とかが渡されているわけでもなく。
向かって左側にある、もっさーっと木々が覆い茂ったこの丘が実は古墳だっていう。
では、ゲートを潜って敷地内に入って行きましょう。
地面は粗いコンクリ打ちですが手すりが渡されてたりして、シニアの方にも優しいバリアフリー設計です。
はい、ポータルとなっている今里不動古墳の案内板です。
案内板で見るべきポイントは「両袖型の横穴式石室」と「構造がでかい」。この2つです。
あと、このシリーズでたぶん後々頻出する筈の「御笠川中流域」というキーワード。
案内板の先には建屋があります。
まず、ここでビビります。
「え?マジ?私有地?大丈夫?」
この建屋、人は住んでいません。
拝み所(祈祷所)なんですね。
「今里不動古墳」の名前から推察できますけど、この古墳、お不動様が祀られているのです。
「遺跡」なうえに「信仰の対象」でもある。
もうこれだけでエモい。
この拝み所の裏に回ると横穴がぽっかりと口を開いています。
中は真っ暗です。
確かこのポータル、オレが申請しようとした時は雨天の夕刻で、この中に突撃するのはなかなか勇気が必要でした。
手前に拝み所があって、人がいつやって来るか分からないうえに、懐中電灯もなしでこの中に入るのってどちゃくそ怖くないですか????w
入り口の左側に発起者が刻んである石を見つけました。
大正十五年とあります。
いやいや、そんなこたぁあるめぇ。
中のお不動さまはそんなに新しい代物じゃなかったはず。
たぶん、拝み所の発起人だろうな。
世話人を刻んだ石。
白壁さんも、岡部さんも、樋口さんも、時枝さんも、見城さんも、金の隈、御陵、乙金エリアではよく見る古い名前ですね。
電気通ってた!!
前回来た時は気づかなかったけど裸電球あったんだ!!!
懐中電灯持ってきてたのムダになったけどこれで勝つる!!!
前室の天井。
岩がでかい。
幅2mはある。
もうこれだけで息苦しいくらいの質量を感じる。
前室の袖でこのレベルの岩。
170cm弱のオレが背を伸ばしたまま入れるでかさ。
玄室の左袖。
高さ2m、奥行きが3mくらいある。
どこから持ってきたこんな巨岩。
はい。
170cm弱のオレが手を伸ばしてこの高さ。
うん、だいたい2mくらいじゃない?
右袖はそこまで大きくはないが、それでもやっぱり高さ1mはある。
天井もこんな感じででかい岩がガッツリ嵌っている。
圧が半端ない。
H.P.ラヴクラフトの「ピックマンのモデル」のせいで、生き埋めに対して異様なまでの恐怖感があったりするのでマジ勘弁。
ご本尊のお不動さま。
火焔の朱が鮮やかではありますが、結構摩耗してらっしゃいます。
見れば分かる通り、今でもお参りに来られる信者の方々がいらっしゃるようですね。
ん……んん???
よく見たら、玄室の奥壁に直で彫られてるwwww
脇にはお地蔵さまや聖観音さまがいらっしゃいます。
こちらは光背の火焔とチリチリパーマがあるので、お不動さまかな?
なんだか黒目に愛嬌がある子供を抱いたお地蔵さま、右側は三宝荒神さまかな?
今里不動古墳はだいたいこんな感じです。
玄室にまでしっかり脚を踏み入れることができる巨岩を使った古墳。
その奥には巨岩に彫られたお不動さま。
うん、エモいですね。
今里不動古墳の10mくらい南西、水城下臼井線沿いには猿田彦大神がいらっしゃいます。
これも2mくらい高さがあって、なかなか立派な猿田彦さまです。
気になるのは向かって左上にある3つのホゾ。
なんのために空いているんだろう?
古墳の岩を流用して建てられたのかな?
猿田彦さまの奥にはこんな感じでお地蔵さま達がいらっしゃいます。
だいぶすり減ってらっしゃいますねー。
すみませんwww
思わず笑ってしまったwwww
ごめんなさいお地蔵さまwwww
ご尊顔がぁぁぁご尊顔がぁぁぁwww
子供の落書きかな?って感じになってますやんwww
その一方で、綺麗に光背の彫りが残ってらっしゃる、新しいお地蔵さまも。
おん?
剣を持つ菩薩?
あ、文殊菩薩か。
このように「見識の解像度」をあげていくと、近所にあるお地蔵さまを見るのも結構楽しかったり。
おまけ-御笠川という川
博多の人にとっては、わりと馴染みのある御笠川。
上でもちょっとだけ触れましたけども、中洲を通って博多湾に注ぐ川です。
地図で確認すると分かるのですが、上流は太宰府天満宮の脇を通り、四王寺山地をぐるっと回って三郡山が源流になっています。
神功皇后が突風で笠を飛ばしてしまった伝承から「御笠」の名を与えられた川です。
この川は古来より太宰府と博多を結ぶ川の道でして。
この川を望む丘には古墳群が点在しているようです。
その古墳群では武具、馬具といった鉄の冶金技術を示す埋葬品が出土したりしています。他にも須恵器などを作るための高温窯、あるいは治水の技術なんかが渡来人から伝わってたんじゃないかって話もあります。
今里不動古墳の巨岩もこの御笠川を利用して運ばれたのではないかと思います。
そう思うと、近所に流れてるただの川がエモさマシマシになるんだよっ!!!
マジすごくない?
そういうのも含めて、これから紹介していけたらなぁと思う次第です。
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