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台本ができていない状態での声優への依頼がダメって話

※この界隈の方でないと、理解できない説明や内容が多いので、わからない人は諦めて下さい(細かい説明は今回省きます)。
台本ができていない=書き終えていないというそのまま意味です。
当然ですが、嘘は一切書いておらず、盛ってもおりません。現実です。
書けていなくても受けてくれる人はいるので、書けてないけど依頼したいって人は、そういう人を探すといいと思います。意識低い人なのでオススメしないですけど。

さてさて、私は依頼NGの物をデカデカと太字でサイトに記載する等しているのですが、その中に「台本ができていない状態での依頼」をNGとしています。

ダメな理由1

例えば、「1週間後に台本を送るので、月末までに提出して下さい!」みたいな依頼って結構あったんだけど、予定日を3日とか4日とか遅れても一切連絡がないと…。こちらからすると、あぁ、依頼なかったことになったんだなー(怒りと悲しみ)…となるわけなんだけど、
5日遅れて(結局連絡・台本到着までに12日かかったということ)「台本こちらからDLして下さい!」と。
「遅れてごめんなさい」もなければ、「遅れた分提出◯日で大丈夫です」とか「納期は変えられない分料金上げます」とかもない。
あちらが遅れたせいなのに、何故かこちらが無理を強要される。無料で。
…意味不明でしょう?しかしめちゃくちゃによくある話で、正直ドン引きします。
で、まぁ当然「5日遅れた分5日延長してもらうとか、追加料金の方お願いします」て連絡するわけだけど「そこをなんとか」と通そうとしてくる。
で、ここで「無理です」と言うと「残念です」とあちらの都合でのキャンセルにも関わらず、1円も支払わずに逃げようとする
不人気声優だったり、めちゃくちゃに依頼数を絞っていたり、ド新人だったりでもしない限り、基本的に声優さんは他の仕事でスケジュールがいっぱいです。これを結構忘れがちというか、考えてもいない人が多い印象。(新規サークルさんにとてもとても多い)
いくつも仕事がある中に◯日~◯日の間、この仕事をする…と予定を空けてあります。なので、ズレたらその分ズラす必要もあるし、その間にできたはずの作業が一切できません。これがあるから受けられないな…と断ったり、ズラしてもらう…等する仕事すら発生する可能性があります。
これを「書けなかったんだよねー」で、ごめんなさいもせずに当たり前に通過できると思ってる人がめちゃくちゃに多いという悲しみ。
結局1円も得られずに、時間だけを食われるということが本当に本当にめちゃくちゃ多いんです。
なので、注意書きに「遅れたら半額お支払いお願いします」だとか「全額支払って下さい」と書かれていることも多いと思うのだけど、それすらもガン無視する…という恐ろしい無敵の生き物がいる世界……なので、これがダメな理由の一番大きなところ。(多くの人がただ泣き寝入りする結果になることが多いです)
台本できてない場合には「前払いでお願いします」て書いても、スルーされることすらあるので、どうしようもないです。(これ逆に、支払われてるとキャンセルしづらい部分もあるので、こちらがこのクライアントとの仕事どうしても無理…てなった時に人質取られてる形式になって、私はとても苦手です/結局返金したりする)

ダメな理由2

例えば、1章~5章の作品だとしましょう。最初に1章の台本だけできている状態で依頼をされます。2~5はできた時にその都度送るね!と。
これはダメな理由が中に3つくらい隠れてるんですが…

・その都度送るねの対応
本当は1~5が出来上がった状態で1度確認して「届きました」と送って、収録する「だけ」でいい作業が、追加で4回「届きました」「確認します」の作業を挟む。単純に作業が増えるということ。
ぶっちゃけ、1回で済むのが5回になるのは普通にしんどいです。本来無くていい作業が増えるけれど、1円も追加で料金が増えるわけではないので。
で、一番しんどいのが1の作業をやってる最中に、一度中止して作業…というのが調子というか、テンポが狂っちゃう部分でもあるので、やっぱり全部揃っている状態でのお仕事の方が圧倒的にしやすいです。

・言葉や演技の重みが変わってしまう
もらったキャラ設定と1章を読んで、1章の収録をしているとします。
そんな中、2章の台本が届きます。当然、途中で作業を停止し、2章の確認と連絡が必要になるわけなのですが…
1章だけではわからなかったキャラの意外な一面だったり、2を読んだことでの1の「この言葉ってこういう意味で発していたんだ…」とかいう、【録り直しが必要】になるような変化が起きている場合があります。
その場合、当然ですが録りかけだった1はやり直しになったり、一部収録し直し…という形になります。なので、ここから3章、4章と届き…同じことがまた起きれば、何度も何度も録り直しが必要になります。
プロットだとか、キャラ設定に細かく書かれている分には起きづらい悲劇ですが、そもそも、作者がキャラ設定に書いてる時点ではそのつもりだったけど、後で足した設定だったりだとか、書いている時点でもっともっと!と盛っていたりとか…。
こういう場合、無理矢理「知らん!時間がない!1章はそのままで2章の収録じゃ!」とかやると、声優さんの演技が下手…だとか、理解度が低い…とか言われてしまう率が高まる悲しみね。
リスナーさんやプレイヤーさんは裏でこんなことが起きているだなんて想像できないだろうから…仕方ないけれど、正直とても悲しい。
でも、全力で言っておくね!実際に声優さんの演技が下手くそであったとしても、それは見抜けなかったクライアントが悪いし、合わないキャラを当ててしまったり、それでいいとリテイクを出さなかった…という部分はあるので、最終的に「作品のクオリティが低い問題」は、声優側が負うものではないよ。当然声優も悲しい気持ちにはなるんだけどね!!!めっちゃなるけどね!!!!!!><

・章が増えちゃった事件
これが意外とありまして…「筆が乗ったので、5章の予定が8章になりました!」みたいなやつ。
予定したスケジュールを超えちゃうというのもあるし、そもそも料金も変わってくるし、そんな空きを用意できない…という場合もあると思います。
そんな時、「じゃぁキャンセルで」となると、今までの作業は水の泡です。
「追加でそんなに支払えないよー」と言われたらそれまでだし、「どうしてもスケジュールが空けられなくて」というのも仕方ないことなのだけど…
最初に決まっていれば起きなかったことなので、どちらも悲しい気持ちや困ったことになることはなかったと思うし。やっぱり台本ができてからの方が悲しみが少ない…と。
個人的に一番嫌な点としては、「これ、いつ終わるの?」という絶望みたいなもの。終わりが見えなくて、依頼がいつ終了するのかがわからない。これ、実際めちゃくちゃに怖くて、他の仕事に取りかかれないのもあるし、終われないからずっと作業があって、ゆっくりと息をつく間がない。どんどん「追加で」「追加で」という依頼が何度もあったことがあって、他の仕事をどんどんキャンセルしたり、伸ばしたりするしかなくなって、絶望している時期がありました。すごく精神的にきます…。

ダメな理由3

これも結構ダメージ来るやつなんですけど…
事前にもらっていた台本の部分にはNGワードやNG対応等が含まれていなかったものの、後で届いた台本の中に、完全NGワード(例えば、声優さんの本名がえっちシーンで出ていたとか)や、NG対応(あまりにもアヘ声やおほ声が多く、台本のほとんどに濁点がついていて、喉がぶっ壊れる量続いている等)があったりとか
その場合、この章はNGです!て言って全て調整してもらう…というのも難しい話だし、結局声優側の都合で降板!みたいな形になりがちなので、これも今までの作業分水の泡…事件。
サイトのNG項目に書いてあったとして、「見落としてました」て言われちゃうと「ダメなんですよー」で、結構揉めたりすることも多いし、それが理由で「他の声優にします」とかなることもあるので…もう…これも、最初にわかってれば起きない悲劇なんですよね。

こういったことがあるからこそ、台本のできていない依頼はNGにしているわけなのですが…
ぶっちゃけめちゃくちゃ当たり前なんだと思うんですね。だって、
実際に台本を読んでみて、できないかもしれない(受けられないかもしれない)けど、先に「OK!」て無責任に言えますか?私は言えないです。
なので、やっぱりきちんと台本が揃った状態での依頼が安心してお引き受けできます。
勿論、期日を守って◯日までに絶対届けます!で届けてもらえる分には対応できるんですが、圧倒的にルーズな人が多い業界なので、なかなかOKが出しづらいです。慣れてるクライアントさんとかなら、多少の無理は通すものの…やっぱり初めてのお取引だよ!て方とは難しい部分です。
「台本ができていないけど依頼をしておこう」というのは、この人忙しくなるかもしれないけど頼みたいからキープしておこう…なので、キープの感覚があるのだとしたら、遅れたら遅れた分だけきちんと追加でお支払いする。
遅れたら遅れた分納期をズラす。
そういう当たり前…をやるだけで……救われます…救って…下さい……つらいです……。
あとはもう…全力で諭吉を積んで、全てを黙らせるほど積む…文句言えないほど積めば何しても勝ちなので、全てを守れないならば、諭吉を積んで、それが通る声優さんに依頼するのです……頑張れ……。

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