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ケアマネの仕事を自動化する(サービス提供票送信)

ダイスケです。モニタリングや担当者会議などの外勤をこなしつつ、デスクワークの中で「これ何とか楽にできないかな?」と日々探りながらケアマネの仕事を行っています。

ケアマネの仕事で毎月必ず発生する業務として、各事業所にサービス提供票・別表の送付があります。ケアプランに基づいて作成される、次月の月間サービス予定です。郵送・FAXと手段はそれぞれ違うと思いますが、弊社では以下の手順で送付を行っていました。

  1. ケアマネ各自、担当利用者が利用しているサービス事業所向けのサービス提供票・別表を作成、50~60個程度のPDFファイルが出来る。

  2. PDFファイルそれぞれを開き、複合機のFAX送信機能で送信命令。事業所名とFAX番号を入力して送信命令を送る。

  3. 2.をファイルの数だけ繰り返す。

1.はサービス休止や利用者の入院退院などの事情があり、送信対象かの判断をケアマネが行う必要があるのですが、送信対象の確認が取れれば一括作成が出来るものです。
2.3.については、出来上がったファイル(ファイル名に事業所名がつけられている)の事業所のFAX番号を探し、手動でFAX命令を出していました。印刷命令の宛先プリンタに複合機のFAXを指定して行うため、作業としては単純なものです。もちろんケアマネの知見など不要なのですが、数が多いため毎月必ず1~2時間付きっきりとなり、宛先を間違えることは出来ないので緊張を強いられるストレスフルな作業です。

弊社は8名のケアマネがいるので、トータルで毎月最大16時間の作業時間が費やされており、これは1人のケアマネ2日分の仕事量になってしまいます。年間で24日、これはケアマネ1人の丸1ヶ月以上の仕事量。積み上げるとなかなかのボリュームです。

前述の通り、PDFを出力した後は極めて単純な作業のため、これを自動化できないかと考えていました。
このような業務を効率化する手段として、RPAという技術があります。

RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)は、コンピュータソフトウェアを使って人間が行う単純な業務を自動化する技術です。これにより、時間と労力を節約し、業務の効率を向上させることができます。

ChatGPT解説

RPAを実現するアプリは様々な製品が出ていますが、私はMicrosoftのPowerAutomateDesktopを採用しました。Windows11に標準で搭載されており、利用は無料です。

このアプリを使うと、画面操作を録画するような感覚で繰り返させたい一連の作業を記録することが出来ます。ただ、全事業所の送信を行うためにはひと工夫必要で、ちょっとプログラミング的な要素も入ってきます。
PowerAutomateDesktop(以下PADと表記)のフローを交えて出来た自動化の流れは以下の通りです。

  1. (手動)業務システムの登録事業所一覧ファイルを出力(事業所名とFAX番号が登録されている)

  2. (手動)社内の全利用者を対象としたサービス提供票・別表のPDFを一括出力(250ファイル程度)

  3. (PAD)2.のファイルを開き、複合機のFAXを指定して印刷命令

  4. (PAD)ファイル名に記載されている事業所名で1.の事業所一覧ファイルを検索、該当事業所のFAX番号を取得する

  5. (PAD)3.の操作で表示された画面の宛先名・FAX番号に4.で取得した事業所名・FAX番号を入力、送信ボタンを押す

  6. (PAD)3.~5.を全ファイルに対して繰り返し実行する

実際は送信失敗時の処理や送信結果の記録(ログ)ファイルを作成する処理などもあるのですが、ここでは割愛します。

このフローを開発する事によって、毎月私が15分程度の操作を行う事で全事業所へFAX送信が出来るようになりました。
実際に処理が全て終わるのには数時間かかるのですが、命令を出しておけばPCが勝手に全部やってくれるので、夕方フローを実行して退社、翌日にログファイルを確認すればOKなのです。
16時間が15分に短縮、しかも宛先ミスなし。すごくないですか?!

この事例では、事業所情報のファイル情報検索やサービス提供票ファイルそれぞれに対しての繰り返し処理などのプログラミング要素が入っているのですが、PADのフロー作成は部品を組み合わせるような感覚で行えるので、プログラムコードをカタカタ打たなくて良い分、取り組みやすいかと思います。

興味を持たれた方、PADを導入し簡単なフローから試してみてはいかがでしょうか?

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