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2月13日(土)~2月17日(水) 小説とそれ以外のもの

2月13日(土)

あたたかい。今日はダウンジャケットいらないな。
引き続き『美味しんぼ』について調べるため隣の町の漫画喫茶に行ってみる。
ここの漫画喫茶、漫画多いしスペースが広くて快適だな。最寄りの漫画喫茶が狭くて微妙なので、引っ越してから2年くらい漫画喫茶来てなかったけど、ここなら来たい。また来よう。3時間パックとかで漫画読みまくろう。買うほどの漫画しか読まないと視野が狭まるし。

夜、大きな地震。長く揺れて、酔いそうなくらいだった。
ちょうど風呂に入っているところだった。風呂から出ると、特に落ちた物とかはなかった。
これくらいの地震はまあときどきあるよなと思ってたら、福島は震度6で、予想以上に騒ぎになってた。どうやら東日本大震災の余震らしい10年も経つのに。地球にしたら10年なんて一瞬か。
揺れて少し不安になったけど、それでも一人でいるのが嫌だというほどではなかった。落ち着かなくて友人に「揺れたね」とかラインをしたりしたけれど。

2月14日(日)

家を出て電車に乗ったあとで、花粉症の薬と絆創膏を忘れたことに気付いた。こないだ切った指は大体治ってるけど何かを強く触ると少し痛むので絆創膏あったほうが安心だ。あとで買おう。
電車に乗って高崎へ。絲山秋子展を見るためだ。

会場の土屋文明記念文学館は結構行きにくいところにあって、高崎からバスで30分乗って、そこから25分ほど歩いた。

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着いて、スタッフの人の展示解説を聞く。
デビューしてから今までの経緯や、小説の紹介やインタビューなどが展示されていて満足。

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絲山さんがデビュー作の『イッツ・オンリー・トーク』について語っている雑誌記事があって、それを見ていろいろ思うところがあった。
そこでは『イッツ・オンリー・トーク』のことを、「未熟で未完成だった」みたいに語っていた(うろ覚えだから文言は違うかもしれない。ここ写真で撮っておけばよかった……)(誰か行く人いたら写真撮ってきてもらえませんか)。
でも僕は、『イッツ・オンリー・トーク』はすごくあれで完成していると思うし大好きだ。むしろ一番好きだ。
だけど、『イッツ・オンリー・トーク』よりあとの作品のほうが、いわゆる「小説」ぽくなっているな、とは思う。その後の作品も面白く呼んでいるので、どちらがいいとか悪い話ではないのだけど、要は僕が、いわゆる「小説」ぽくないほうが好きなのだけど、みんな「小説」ぽい方向に行ってしまうし、そちらのほうが世間的にも評価が高い気がするのが、ちょっと寂しいし不満なところがある、という話だ。

同じようなことを思ったのは以前もあって、それは夏目漱石だ。
僕は漱石だと、初期のそんなに近代小説ぽくない『吾輩は猫である』とか『夢十夜』とかが好きだ。でも、漱石も結局小説ぽい方向(近代的自我を持った人間が人生とか社会とかに悩んだりする)に進んでしまう。
そして、世間的な評価の高さもそういう小説ぽい部分に対してだ。『猫』や『夢十夜』しか書いてなかったらこんなに漱石は評価されていないだろう。そこにちょっと悔しさを感じる。
(あまり関係ないけど僕が昔作った夢十夜ぽい文章を無限に生成するプログラムを思い出したので貼っておきます http://pha22.net/yume10/ )

僕の『夜のこと』についての岩倉文也の評でも同じようなことを考えた。

だけど、とついぼくは欲張ってしまう。本作が小説として、一個の読み物として完成されていればいるほど、元の同人誌版にあった怪しい魅力が、感じられにくくなっていると思えてしまうのだ。
ぼくは、よく分からないものが好きなのである。

わかる。『夜のこと』単行本版ではがんばって小説ぽくしようとしてしまったけれど、僕も本当は小説ぽくない、なんともつかないもののほうが好きなのだ。そうなんだよなあ。
岩倉文也の最近出た掌編集、『終わりつづけるぼくらのための』は、そういう意味でそんなに「小説」ぽくない短い物語がたくさん収められていて好みだった。


絲山秋子展のあと、土屋文明の常設展も見た。歌人。現代短歌の歴史を振り返るみたいな展示でもあって、もともとよく知らなかったけど面白かった。

小工場に酸素溶接のひらめき立ち砂町四十町夜ならむとす  土屋文明

字余り気味と漢字多めがゴツゴツしててかっこいい。

土屋文明記念文学館の隣には古墳があった。

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上にも登れる。天気がよくて最高だな。

一日5本くらいしかないバスに乗って、今度は前橋に向かう。乗客は僕だけだった。

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前橋駅前のドーミーインにチェックイン。駅の周りには全然飲食店がないので、マクドナルドをテイクアウトして部屋で食べた。
ごはんでチキンタツタを挟んだごはんタツタを食べる。パンじゃなくてごはんだしハンバーグじゃなくて鳥の竜田揚げなので、もはやハンバーガー屋で売るものなのかわからないけど、美味しい。

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