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騒音、無断同居...。「賃貸経営」でよくあるトラブル

賃貸経営で発生する様々なトラブルの中でも、特に多いのが騒音や無断同居です。
大家さんとしては、このような面倒な入居者には退去してもらいたいところですが、このような賃貸トラブルがあっても、必ずしも契約を解除できるわけではありません。
では、このようなトラブルにはどのように対処すればよいのでしょうか。

1.よくある「騒音」「不法侵入」の同居人トラブル

今回のテーマである「騒音」や「無断同居人」のトラブルは、相談は多くても法的な解決が難しいことが多く、大家さんにとって厄介な問題です。

その理由は、「契約違反」の立証が難しいことと、「軽微な契約違反」では、大家さんが賃貸借契約を解除し、立ち退きを要求することができないからです。


1-1.騒音問題

騒音問題で多いのは、深夜になっても大音量で音楽を流している友人などを誘って近所迷惑を顧みず騒いでいる深夜に奇声を発して近隣住民を怖がらせている、などです。

大家さんや管理会社としては、近隣住民から苦情を受け、警告や取り締まりを行うことになりますが、その際に問題となるのは、「騒音」の証拠が残らないことが多いことです。

臭い、音、振動、日差しなど、認識によって酷さが変わるものは、裁判でも厳しく判断されることが多いのです。そのため、「騒音の痕跡」を残すことは困難です。

具体的には、騒音計などを使って事後的に騒音レベルを測定しない限り、「騒音問題」があったかどうかを全く判断することができないのです。特に近年は、騒音問題と呼べるようなものがなかったにもかかわらず、振動などを病的に気にして、苦情者が常識よりおかしいということもあり得ます。

騒音問題は、「騒音計を買って毎回記録する」など、スタートラインに立つだけでもハードルが高いと判断いただければと思います。


1-2.無断同居

次に、無許可の同居人の「証拠」を見つけることも難しい

例えば、契約時に借主でなかった人がアパートに住み、他人に嫌がらせをしているような場合、その証拠を集めることは容易でしょう。

しかし、ここまで極端なケースは少なく、友人が勝手に泊まったり、夫婦で同居していたりなど、契約時に借主以外の人が住んでいることはよくあることなのです。

家主の立場からすると、赤の他人が住んでいると、居住者が死亡した場合の権利の清算が複雑になるので、契約上の借主以外の人が住まないことを望むのですが、法的に罰することは困難なのです。

第一の理由は、証拠を残すことが難しいからです。大家さんや管理会社でさえ、アパートの使用実態を追跡することはできません。もう一つの理由は、この程度の契約違反では、よほど実害がない限り、賃貸借契約を解除するための信頼関係破壊の原因として十分とは考えにくいからです。


裁判所は、借主の軽微な契約違反では、借主に部屋の明け渡しを求めるには不十分であり、重大な契約違反でなければ、借主の "居住権 "を守るために部屋の明け渡しを求めるには不十分であると考えています。


「騒音」も「無断同居」も法的には解決が難しく、管理会社も家主も対応に苦慮しているといえるでしょう。


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