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「親がそばにいた方がいい時期」の欺瞞

 Twitterで「親がそばにいた方がいい指数」とかいうのが流れてきて心がざわついた。
共働きの家はみんなそうだっただろう。次々に「わかる!」とか不安を煽るリプもついていた。
・乳児期(5)
・幼児期(10)
・小学校低学年(8)
・小学校中学年(5)
・小学校高学年(6)
・中学校の最初(7)
・中学に慣れた後(3)
だそうだ。
幼児期10、これに不安を煽られた保護者は多かっただろう。
実際わたしもグラついた。また色んな育児書を読み漁った。
しばらく考えてちゃんと結論が出た。

 親ができることなんて十分な衣食住与えるだけ。あとは勝手に子どもが育つからそれを大人しく見守っとけ!

ってことだ。結局は親の育て方で子どもの生涯に渡る影響を与えることは不可能だと証明されている。
いつまでも子どもを親が守る必要なんてない。子どもは自分で考え、そして成長できる。足りないものは自分で補うことができる。子どもが必要としてきた時に自分のベストを尽くして子どもに向き合えればそれでいいのだ。
あらかじめその時期に専業主婦になっておいて、子どもにぴったりくっつく必要なんてないのだ。
行政が打ち出した伴走型の育児支援を一笑に付した親は多いだろう。伴走なんていらねーよ。勝手にこっちをリサーチして見当違いな分析して次々トンチキ支援持ちかけられてもウザいだけなの。必要な時は言うからそのとき全力サポートしてくれりゃいいんだよ。
そう思わなかっただろうか。
子どもも同じことを親に思っている。
子どもだって保育園や学校を休みたい時はあるだろう。たまの有給くらい共働きでも取れるはずだ。
そして子どもに1日向き合ってみればいい。
あなたのことを大切に思っている、そして人生は色々あるけど楽しいよ。あなたが生まれてきてくれたことが幸福だよ。そして本当にあなたが必要な時はわたしは仕事を辞めてあなたをサポートする準備があるよ。それを子どもに言ってあげることが大切だ。
実際に仕事を辞めるかもしれない覚悟も常にしておかなければいけないとは思う。
ただそこで本当に子どものために仕事を辞めたからって次の職を見つけられなかったり、生活に困窮したりすると子どもは自分を責めたり、社会に失望してしまったりするから、その先の自分の身の振り方は考えておかないといけないよね。
でもさ、生活めちゃくちゃになっても人生何とかなる!っていう姿勢を見せてやるのも親の役割かなと思う。よく言うじゃん転んだ後の立ち上がり方ってやつ。親の失敗とそのリカバリーを見せてあげるのも別にいいよね。
何より自分の選択を信じて、人生を楽しんでいる親と、情報に振り回されて不安になって、子育ての失敗に戦々恐々とし、子どもの成績だけが生き甲斐になる親ってどっちが子どもにとって希望になるだろうか?
わたしは自分の経験から幼児教育や中学受験にも懐疑的だ。
わたしの親は都内で私に週6で幼児教育を施したし、小4から塾に行かせて中学受験をさせた。
結果は田舎の純公立放任育ちの夫に二倍以上の収入格差をつけられている。
やったのは小5からの公文だけだそうだ。
わたしも公文はやったが繰り返し学習に嫌気がさして早々に辞めて何も身についていない。
公文の教室はなぜか金魚の餌の匂いがして嫌だったなーという記憶しか残っていないのだ。
本だけは布団に懐中電灯持ち込んで読むくらい好きだった。今も暇があれば読書をしている。
本の世界は小さい頃からわたしを何度も救ってくれるし、導いてくれる。気がしている。読書習慣がついていることを感謝している。
親にたくさんの読書をさせてくれたことを感謝したいが、父は私が勉強嫌いで小説ばかり読むことを嫌って小学生の頃から私の読む本をよくビリビリに引き裂いた。真っ二つになった本を見て私は泣いた。
親が読んで欲しかったのは小説じゃなくて評論とか知識欲を刺激するものだったようだ。
でも私は諦めずにトイレやお風呂や布団に隠れてよく小説を読んでいた。図書館でも借りたし、自分のお小遣いでも集めた。
おかげで現代文の偏差値は無勉強でも常にはちゃめちゃに良かった。
でも親が与えたかったものなんて何も身についていない。
そんなもん。
人生そんなもんなんだ。
子どもって与えなくても自分の育ちたい方向に必要なものを勝手に吸収して育つのだ。
育てたように子は育たない。
親は自分の言動が子どもの一生を決めるなんて思い上がるな、過信するな、自分を責めるな。
親が子どもにしてやれることはこの世に生み出すこと、そして見守ることだけ。
これを心に刻んでおこう。
とか言って昨日も児童館で自分より年下の子にもおもちゃ取られっぱなしの息子に焦って「内気 3歳 治し方」で検索してるけどね!
そんなもん!親なんてそんなもんなの!!
子どもの言動に揺れ動くことが親のできることなの!

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