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らいすき会 #5

本日の題材。森鴎外「雁」の文章より。

 古い話である。僕は偶然それが明治十三年の出来事だと云うことを記憶している。どうして年をはっきり覚えているかと云うと、そのころ僕は東京大学の鉄門の真向いにあった、上条と云う下宿屋に、この話の主人公と壁一つ隔てた隣同士になって住んでいたからである。その上条が明治十四年に自火で焼けた時、僕も焼け出された一人であった。その家事のあった前年の出来事だと云うことを、僕は覚えているからである。

今回の文章も、前回に引き続き難しい。。。
過去の出来事を書く時の書き出しのところの分析なんだけど、
森鴎外が「思い出話の名手」だ、と書いている、著者の三宅香帆さんが、単純にまずはすごいと感じるし、そのあとの解説の例えが何よりわかりやすい。

解説を読んで思ったのは、過去の出来事を話すとき、「当時の自分はこうだった、ああだった、だからこう」というように書くよりも、こちらが一方的に話すような文章にならず、隣にいる人に、昔話をする時の話す順番のような、今から一緒に過去に遡るよ~という、同じ現在という地点から見た過去を話す感じが、読み手に取って安心感を生んだり、この位前のことなのか~とイメージしやすいのかなと感じた。
過去といっても今日この瞬間よりほんの少し前のことを過去というのなら、どのくらい前のことなのか、それが10年前なのか、そこがあいまいでも、例えば自分が何歳くらいの時、とか、そいう部分をあまり曖昧にしないようにすることも大切なのかな?

自分が過去の出来事を書く必要が出た時、自分が話したい気持ちをほんのちょっぴり抑えつつ、隣に聞いてくれる人がいて、その人と一緒にその当時の時間にタイムスリップできるような、あ~そのころってこんなこと流行ってたよな~とか、その過去の時の背景なんかも共有できるような書き方をするのもまた、共感を生んだり、読みやすさを生み出すのかもしれない。


今日は、らいすき会に新たに仲間が加わっての開催だったのと、メンバーの中からコンペに採用される人が出たりと、嬉しい動きもありつつ、少しずつライティングに触れる機会ができてきたような気がする。
ライターコンペの結果発表も、通知がくるとまず選ばれたシーメイトさんたちの名前を見るようになったし、気になる選ばれた記事を読んだりもしてる。自分は出せてないのに笑

自分が今後どんな文章を書きたいのかをなんとなく考えて、それにはどんな文章構成が必要なのか、みたいなところを深堀していけたらいいなと思う。

課題提出も頑張ってみたいな~

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