スーホの白い馬
遠い遠い古の時代、くらいの記憶だが、昔、人におすすめしてもらった本だ。
10年くらい前になるかもしれない。
アイコンを着飾り操る某コミュニティサイトで、私は本好きの集まりみたいなものにちらほら顔を出していた。
今とやっていることはあまり変わらないとつくづく思う。媒体が違うだけだ。
そのコミュニティで話しかけてくれた、おそらく年上のお姉さんだったと思う。
好きな本の話などをして、エルマーとりゅうとか、そんな懐かしいタイトルも出てきたりして。
そんな会話の中だった。
お姉さんが、あれは良かった、と名を挙げた絵本が『スーホの白い馬』だった。
あらすじはこうだ。
舞台はモンゴル。
スーホとは、そこで遊牧民として暮らす少年の名である。
スーホがある日、白い馬を拾ってくるところから話は始まる。
という感じの馬頭琴の成り立ちの話なのだが、少年と馬の絆に胸があたたかくなった。
ヨシタケシンスケさんのもしものはなしに続いて、スーホの白い馬を読んで、やっぱり絵本も良いものだと感じた。
それこそ幼稚園くらいのときなんて、読めるものは絵本か園にある図鑑くらいだった。
あとはたまに連れて行ってもらった図書館で、しこたま工作の本を借りてきて、片っ端から作っていたような気もする。
とにかく、絵本には子どもに向けられたあたたかい話が多い。ジェットコースターのようなミステリや、ハラハラドキドキする恋愛小説も大変良いが、疲れた心に沁みるのは絵本かもしれない、としみじみ思った。
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