生死を分ける「ま(間)」 その刹那(瞬間)(3)学生時代・・・危険は思わぬところに潜む

    高校2年のとき、なんだか無性に野球がしたくなり、野球部に入った。
球速には自信があったので、投手を希望した。
まあいいだろうと云うことであったが。
が、ピッチャーは足腰を鍛えなければな、まずランニングだ。
と、言われて広くもない校庭を何周もただ走る。
同級生に、お前ピッチャーやるって言ってたけど走ってばっかりいるな。
何時投げるんだと。

ある日ノック(トスバッティング?)の球ひろいをしていた時であった。
ある打球が校舎の縁の下にあたる部分の四角い空気穴に転がり込んでしまった。
やれやれと思い中を覗き込んでいたが、ずっと奥に入り込んでしまったらしい。
しょうがないなあと頭を上げようとした。
その刹那、頭からわずか数センチの上をノックの打球が直撃してはねかえった。
もう少し早く頭を上げたら、後頭部かこめかみ直撃だった。
無意識に、瞬時の動作にま(間)があったのだ。
その時は何も思わなかった。
が、少し経ってから、こりゃヤバかったなと思った。
硬球だものね。

今度は高校3年生だったと思う。
高校までは自転車で通っていた。
このころはまだO町から回って都立K高校の前を通りS町方面へ行く都電が走っていたと思う。
家から自転車で走って来た私は、ちょうどK町あたりから下って、また登りになるその大通りの坂の頂点に出てから左に折れて、都電も通るし何台もの通勤の車が急ぐ長くて割と急勾配の大きな急坂を下り、下りきったところを一時停止しないでそのまま右に折れて学校に行くのが毎日のコースだった。
自転車は、堂々と自動車のごとき、車道を走っていた。

学校に着くともう朝礼が始まろうとするところだった。
自転車を駐輪場で降りた時、自転車の一番要だと思う所が外れた。
溶接が外れたらしい。
ハンドルにつながるフロントフォークと云うのだろうか。
それとサドルから前方につながるフレームの接合点が外れてしまったのだった。
華奢なスポーツタイプの自転車だったが、父の友人の会社から買った代物だった。
坂道の下り途中で外れたら大参事は請け合いだった。
自転車の手入れが悪く腐食していたのかもしれないが、接合構造にも疑問のある代物だった。

この時、小学校の時の自転車を思い出していたが、今度も運が良かった。
神さま仏さまご先祖さまに感謝。
子供のころから墓参りが好きな子だったのだ。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?