女神の前髪 12　 人生はスリルと神秘とサスペンス

    このプロジェクト以降、私の人生少しずつですが波乱に富んで行きます。
女神を掴めたと思う刹那、くるりと回って悪魔の面。
また女神の面、貧乏神の面、とくるくる目まぐるしく巡り巡ります。
幸運の女神と不運の女神は表裏一体、コインの表と裏です。
私の人生、退屈や、後悔している暇などありません。

高校一年の時の作文で、「波乱に富んだ人生を送りたい」と書きました。
とうとうその通りなってしまいました。
「波乱万丈、夢と冒険」の人生のつもりで書いたものでした。
ですが、ごく平凡な市民としての波乱の人生となってしまいました。
尤も波乱を自ら求めていく癖がありそうでしたが。
例えば、わざわざ断崖絶壁の道を選んで歩くように。
ギリギリ切羽詰まった感覚が好きなのかもしれません。

それから約5年は、大変な中にもまあまあこんなものか。
次のそれから約5年は、嵐の前の静けさ。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　それから約10年は嵐の中。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　雨風に打たれ沈みそうな船上で、休みなく往復ビンタを喰らっているよう。
おまけに、驚愕と怒髪天を衝くの怒り。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　幸運の女神と不運の女神の連続回転。　　　　　　　　　　　　　　　　　　それから約10年はリハビリの時代。
それから約10年は、価値観変転の時代。　　　　　　　　　　　　　　　　　漸く着地したのが今の状態。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　何というか、まだ神様に見捨てられていない、という状態。
果せるかな最後の一戦。　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　まさに人生はスリルと神秘とサスペンスに富んでいる。

前述した難しい仕事を入れたことで、数か月後、工場へ転勤することを決めました。
私３２歳、妻２７歳になったばかり。長女１歳９か月、お腹の子５か月。
お腹の目立ってきた妻と長女を連れて木枯らしが吹き始めた地方都市に転居したのです。　　　　　

ーーここで少しお休みです。続きは別の形で書いてみようと思います。ーー