ホクレア 希望 のひかり☆

ハワイ現地時間で8月8日、日本時間で8月9日だった、ナガサキの原爆の日だったのでわたしは鮮明に覚えている。この日のラハイナの焼け落ちた町並みの映像を観て、子供の頃から毎年この日になると何度も目にする機会があった郷里長崎の浦上あたり、爆心地の白黒の映像を思い出したのだ。

長崎ではこの8月9日という日は夏休なのに子供たちは学校に登校してみんなが揃って黙祷を捧げ、そして原爆の悲惨さ、世界平和の大切さを話すという時間を過ごす一日だった。そんな義務教育を小、中、高と12年間受けてきたので、あの焼けおちた街の景色はつねに私の脳裏の片隅に残っている。だからこのラハイナの焼け焦げた街の風景が単なる山火事、自然災害、とは到底思えなかった。火災の原因も不審な点が多い中、未だに行方不明者数が定かではなく復旧もままならないらしいのだ。

ハワイ王国の古都を焼失したということで、ハワイアンのスピリットと心の支えを失ったかのようなネイティヴのハワイアンたちの心情を思うとほんとに居てもたってもいられないのだ。
だからこそ彼らのためにホクレアはハワイに戻ることを決めた。

ちょうど火災から四十九日だった。

同時にわたしもここ葉山で、ホクレアと同じスピリットをもつヴァア(カヌー)で海を漕ぐことでマウイのために何かできないかということで、11月11日(土)にマウイストロングという参加費すべてをマウイへの募金にまわすという呼びかけで開催する計画をたてた。12日にハワイキヌイヴァアという30キロのレースを葉山で主催するので、それに合わせてヴァアを事前に漕いで運んでくるパドラーたちや遠方から泊りがけて葉山にやってくるパドラーたちが参加するものだと勝手に思ってその日に開催する計画をたてたのだけど、結局は天候不良でそれから2回も延期になり、そうしているうちに中東のイスラエルとパレスチナの紛争が始まり、マウイの人たちのためにだけでなく、ガザ地区の子供たちのために砂浜で祈り、皆で一つになり海にアロハ(愛)を伝えながら漕ぐことで海を癒やし、そして母なる地球のバランスを整えよう、少しでも戦争や紛争で苦しんでる子供たち、そして多くの人々のために祈りを捧げよう、という機運が自分の中で高まってきたのだった。
そしてやっと2回の延期の末に、12月3日(日)の開催と決定はしたものの、数日前になって3日は午後から強風が吹くということで、12月2日もこれる人たちは来て海に愛を伝えようということになり、12月2日、3日の2日間にわたるマウイのための募金活動と海に愛を伝えるイベントとなったのだった。

それがMaui Strong レースであり、E hoe pu me ke aloha (アロハをこめて海を漕ぐ)というイベントだったのだ。

天地自然の導きがあり(天候不良による延期)2回も延期になったことや12月、師走になったということもあり参加者は大幅に減り、来れる予定だった人たちや、来るだろうと期待していたマウイの海や島々を航海し、ハレアカラに祈りを捧げ御来光を共有した仲間たち、アンクルはじめマウイのオハナたちと面識があり、これでもかというほどマウイにたくさん世話になった、縁や関わりがあると、わたしが勝手にそう思い込んでいた昔の仲間やパドラーたちは誰も現れなかった。
それは残念で気落ちするようなことではあるが、それが人のある一面であり、自分さえその時良ければそれでいい、楽しければそれでいい、物質的で表面的な快楽を求める人のエゴの部分。それが今のこの危機的な地球の状況の根源にあるのだから仕方ない。
人間さま中心の人間勝手な環境保護活動もそうなのだ。

わたしたちは外面的で物質的な成功や豊かさを求めすぎていないだろうか?
精神的、霊的な豊かさはどうだろうか?
物質的な財産と精神的な財産とのバランスはとれているだろうか?


これが現在の人間特有の行動であり生きかたなのだ。


でもその代わりに、母なる地球はそのショックを忘れ去らせてくれるほどの、その数倍ものギフトを私たちに用意して計画してくれていた。
それは小さな海のこびとたち、子供たちだ、希望の光たちの存在だった。

それは、

わたしの奇跡

わたしの希望

彼らが2日間にわたり海にでて笑い歌い、そしてアロハをたくさん海にそそぎ母なる地球に語りかけてくれた。
参加者が少ないからこそ、子供たちと過ごす輝くような時間を費やすことができた。
そして、2回延期したことで普通の仲間が同志に成長していったのだ。
何も言わなくても心と心、意思の世界でつながるように、今の自分に何ができるのかを考え地球のために行動する。まるで海を渡るカヌーのクルーたちが自分の役割を自分自身で認識し一つになるように、自然のリズムに調和するように各自が何も言わなくても行動を始めたのだった。

以心伝心、

心と心が溶け合い融合するような、そんな感覚といっても過言ではない、

マウイに行ったこともない、まったく縁もゆかりも無く、アンクルKimokeoに会ったこともない、そんな新たな海をこよなく愛し、未来の子供たちのため、母なる地球のことを思って謙虚に生きようとする同志が与えられたような気がする。

ただ海を愛を込めて思い思いに漕ぐだけでなく、チャリティーで色んな物を持ち寄り浜でマウイへの募金活動に貢献してくれる人や、行ったこともないけども、意識の中でハレアカラとつながり、ハレアカラをイメージした素敵な手作りのKokua (思いやり)箱を作ってくれる家族や、ポスターを描く子供たちや親が現れたのもその一つ。


人道に奉仕する生きかた、

生きとし生けるものを愛し、うやまう生きかた、

これもまた人間の行動の本質でもあり、

そんな人間が自然と集まってきたと言える。

そんな人間がこれからさきも無数に集まり、むすびつきあって、融合することで、よくも悪くも無数の人たちの人生を変え、歴史さえも変えるだけの影響力をもつ。
独自性をもつすべての人が、ひとりのこらず何らかの役割を演じながら人間の進歩が形成されるのだ。
わたしたち一人ひとりが、人間の歴史の、この母なる地球の変化の、進歩の種子をになっているのだ。その種子はうまく育ててこそ母なる地球のために、もともとある潜在能力を発揮することで霊的に進化し、世界中の人々の間に差別や争いが消え、またこの地球上のすべての生命、生きとし生けるものを愛でる心がはぐくまれ、調和のとれた惑星、地球になっていく。とわたしは信じている。



アロハ(愛)のエネルギーは、そのアロハな行動をすることで相手が感謝してくれるとか、感激して喜んでもらえるからとか、そんな効果を求めて期待してやることではなく、自分がアロハな行動や言動をただ実行する、そのことが尊くて一番大きなエネルギーとして地球に拡散される。

ALOHA “unconditional love and respect” 『無条件の愛と敬意』、マウイのアンクルがいつも言ってることを思い出した日々でした。


そこに居てサポートしていた人たちは会ってことも見たこともないであろうけども、
アンクルKimokeo のあの甲高い声がずっと砂浜にひびき続けてるような、そんな2日間だった。

暖かく優しいけどパワフルな、そんなエネルギーの場をつくってくれた新たな同志に心から感謝しています。

2日間とも、空は蒼く、海はキラキラと輝き、皆が海にでて帰ってくる、その姿は言葉にならないほど美しかった。

そして、すべてのレースが終了した途端に、大きな存在が私たちを守っていたかのように、強風が吹き出し、最後のクルーがゴールし上陸して海を見たら、沖は一面白波だった。


すべてが私たちの人間の計画ではなく、人知を超えた大いなる存在のご計画に導かれ、海を漂流するような感覚で過ごした、与えられるべき物事は与えられる。そんな葉山での数週間の出来事でした。



その葉山でのイベントの日と同じタイミングで、ハワイアンのスピリット、海の神様の化身とも言われているホクレア号も、なんということか、驚きなのだが、、、

Matoson の貨物船に荷物のように空中に吊り上げられて積載させられてサンディエゴの港を出港したのだった。

そしてまた吊り下げられて、ハワイの母港、オアフ島のサンドアイランド港につい昨日帰ってきたのだった。

クプナたちやネイティヴのハワイアンたちとホクレアの気持ちを代弁をすると、、、

なぜ実際に祈りを捧げ海を癒やしながら、Moananuiakea という名前がついた、母なる地球を癒やすための航海のスピリットを絶やさず航海を続けながらサンディエゴからマウイに自力で海を渡らなかったのだろう?

もちろん天候や日程の問題だけでなく、資本経済主義のアメリカらしく保険事務手続き的なそれでいて政治的な沢山の理由があるのは判るけども、、、

ホクレアだけは精神主義でいてほしかった。と感じるのはわたしだけではないでしょう。

母なる地球とつながり、天地自然と共鳴しながら航海するホクレア。

今回のボヤージングは今まで以上にスピリット、まさに精神性を大切にする、そんな母なる地球のための神聖な航海だとクプナたちも語っていた。

アラスカの先住民たちの祈りや願いやドラムのリズムで送り出され航海をスタートし、西海岸のネイティヴアメリカンたちとの交流を続けてきたホクレアが、自分で航海をしてマウイを癒やすために戻りたい、マウイに母なる地球のマナをそそぎたいと思わないはずはないと思うのだ。

ホクレアは決して文化財や調度品ではないのだから、海を渡るヴァアなのだから、

現代の力(りき)、海を汚染しながら海を走る貨物運搬船で他の貨物と一緒に運ばれてマウイに帰りたいはずは決してないのだ。

大切なのは経済的なことや日程的なことではなく、時空を超えたスピリットのはずなのに。

ホクレアの意味は、

希望の光、

幸せの星 

わたしの奇跡

人類の希望




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