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内緒の関係 ちあき奥様のストーリー①

「うう……冷えるな……」
このあたりで雪が降るなど、いつぶりだろうか?
もう少し厚着をすればよかったかもしれない。
昨日から色々と、仕事面でイレギュラーなことが続いた。
収拾のため、朝から取引先を駆け回っていたがー。
ひと段落ついて気が緩んだか、寒さが身に染みてきた。
「歳、取っちまったなぁ……」
通りかかったビルの窓に映る自分の白髪頭を一撫でする。
ちらり、と腕時計を見ると午後2時半ー。
思い立って、会社に電話をした。
「私だ。今、N社を出たところだ。資材の納期の件、話はついたよ……」
細々とした連絡をして、状況を聞く。
直ぐ、戻らなければならないようなことはないらしい。
「少々、予定が入った。夕方5時半には戻る」
そう言って、私は通話を切った。
そして、スマホの画面からブックマークを呼び出した。
すぐそばの公園に入って、人妻デリヘル店に電話をかける。
「どーも。お世話になってます。タカハシです……」
何度も通っているせいか、店員も私を覚えているらしかった。
「いま、空いているのは誰かな?」
信用する店だ。誰が来ても、間違いはないだろうがー。
「30代で細身? よし。予約を頼む」
初めて入るキャストをお勧めされた。
ちあきさん、というらしい。

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