かんな奥様ストーリー【4】
記憶が新しいうちに、動画配信サイトでかんなから聞いたタイトルを片っ端からお気に入り登録し、空いた時間に視聴した。
薦められた映画はどれも俺が観て来なかったジャンルで、すべてが面白かった。
最後にあっと言わせる展開で、確認のために二度視聴することだってあった。
そうしているうちに二週間が過ぎ、かんなと会う日がやってきた。
この間と同じホテルで待ち合わせ、かんなと会う。
「あ、映画の話をしましたよね? あれから観ました?」
ホテルに入ったさい、俺にそう話しかけてきた。
「え、俺のこと……、覚えてるの?」
「うん! ベッドでいっぱいお話したから」
二週間ぶりなのに、俺のこと覚えてくれていた。
冴えないアラフィフの俺でも、覚えてくれる子はいるんだと、この日は妙に浮かれていた。
マッチングアプリでは感じられない快感がこの子にはある。
今日もかんなと一緒にシャワーで身体を密着させながら洗い、ベッドの上で気持ち良くなったところで、かんなの素股の腰つきを観ながら抜いた。
「この間教えてもらった作品だけど――」
俺は教えてもらった作品の感想をかんなに告げた。
「えっ、観てくれたんですか?」
「うん。選ばない作品だったけど、話題作だけあるね。最後まで面白く観れたよ」
テンポが悪いなと思った作品は倍速で見ると、それなりに見れることに気づいたなど、映画の話で盛り上がった。
「そういえば、おすすめされたドラマの映画が金曜日にやるみたいだけど、かんなちゃんは観に行くの?」
「告知が面白そうだったから行こうと思ってたんです!」
「じゃあ……、時間が合えば一緒にどう?」
話の流れでかんなを映画に誘ってしまった。
「アキラさんいい人そうだし……、行こっかな」
これがきっかけで、俺はかんなと外出してからホテルに入るようになる。
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