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【UD】みんながわかる授業づくり

みなさんは、ユニバーサルデザインという言葉を知っていますか?💁‍♂️

かんたんに説明すると、年齢や障がいの有無などにかかわらず
"できるだけ多くの人が利用できるようにしたデザインのこと" を言います。

最近はUDなどと略されているのを目にする機会が多いかと思います。
(UD=ユニバーサルデザイン)

音楽の授業でもできるだけUDを意識して、「みんながわかりやすい」授業作りを目指していきましょう✨

今回はそんな私が実践していたUDのアイデアを5つご紹介します♪
本記事の内容は今からでも実践できるので、ぜひ参考にしてみてください!

また最後には資料のダウンロードができます。
有料にはなってしまいますが、ぜひご活用ください。

1. 本時の流れ(1時間の流れ)

まず、どんな授業にも言えるのですが、1時間の授業の見通しを提示すると子どもが飽きずに活動できます😃

特に・授業中、じっとしていられない子
  ・初めてのことに不安がある子
  ・何をするかわからないと不安を持つ子 に有効です。

大人でも、会議が長引いたり見通しが持てないものがあると、
👤💬「いつまで続くのかな」「何をしたらいいかわからない」(時計をチラチラ)なんてことが、よくありますよね・・・

時間は有限です。⏳
気持ちのコントロールが苦手な子にとっては、時間を縛られることが本当に苦痛ですから、授業の初めから「見通し」を持たせるようにしましょう。

ちなみに、これは授業者にとってもメリットがあります😊

例えば、今日の流れをあらかじめ提示することでどこまで進めばよいかが "ノートを確認しなくともひと目" でわかります!
よく話を脱線してしまう先生も、子どもに軌道修正してもらえるかもしれませんね(笑)

前置きが長くなりましたが・・・用意するものは、たった1枚の画像だけ!

見通し(ざっくりとしたものでOK)
※できるだけ1枚にまとめる

①その日にやる曲などを2〜3曲ほど選んで番号をふる(多くても3つまで)
②授業の流れに沿ってざっくりとした曲名(内容)を書く

【ポイント】
・細かすぎるとかえって見にくくなります。とにかくシンプルに。
・子どもの実態に合わせて、細かく書いたものを個人につくるのはOK

これを授業の初めに見える位置に提示するだけなんです。どうですか?
簡単にできそうでしょう?💁‍♂️

さらにUDを意識するならば、アイコンを使うとより分かりやすいですよ!

※こちらは有料ページにてダウンロード可能です

【ポイント】
・1年間はアイコンの形を変えずに統一して使う
・子どもの実態に合わせてシンプルなものやカラフルなものを選ぶ

話を戻しますが、先ほどの見通しは授業のたびに作り替えるものなので、できるだけ負担を減らすためにタブレットやPCのソフトで画像を作成し、TVモニターで投影する方法が一番簡単です。ICT機器を活用することで負担がかなり減ります。✍️

ちなみに私は「GoodNote5」という有料ノートアプリを使用していました。こちらはApple・Androidどちらも対応可能です。自前のタブレットを持っている方は入れておくととても便利なアプリでおすすめです。
いきなり有料を買うのに抵抗がある方も、無料版からお試しください。

また、Microsoft Officeをお持ちの方であれば、「PowerPoint」を使用するのもいいですね。

とは言うものの、もちろん自治体によってはまだ設備が整っていないところもたくさんあります。
その場合は、A4~B4サイズのホワイトボード(100均、消耗品)を購入してもらって、そちらに書くことをおすすめします。

もちろんいらないプリントの裏紙などでもOKです!
ちなみに私も、はじめは 紙→ホワイトボード→モニターとレベルUPしました 🎉

ICT端末がない自治体の方も、ご安心ください。
紙やホワイトボードの人にもメリットがあります!それは・・・
下記の「イマココ」シートが使えることです。 

この画像を印刷・ラミネートして、裏にマグネットを貼り付けましょう。(100均にマグネットシートが売っているのでおすすめです)
先ほどの見通しの数字の横にくっつけて、授業が進むたびにイマココシートを下に移動していくと視覚支援になります(ミニタイマーや、色のついた磁石などでも代用できます)

※こちらは有料ページにてダウンロード可能です

いろんなアレンジができると思いますので他にいいアイデアがあればコメントで教えてください😃


2. 大きめのタイマー

さて1つ目はとてもボリューミーな内容でしたが、2つ目はとてもシンプルです。授業で何かと役にたつ、大きめのタイマーを用意しましょう⏰

使用用途はこれだけたくさんあります。
 ・テストなどの時間計測
 ・話し合いなどの切り替えアイテム
 ・簡単なクイズなどを10秒で考えさせるタイムアタック

ピピピピという音で、子どもたちもハッ!と切り替えることができて、本当に便利なアイテムです。

いつでも使えるので、おすすめです。ぜひ消耗品申請を出してGetしましょう。


3. 目のまえにはあまり情報を入れない

これが意外と見落としている人が多いポイントです😢
教室などではある程度仕方ありませんが、できるだけ前黒板(ホワイトボード)の横には掲示物を貼らないようにしましょう。

理由は、目に入るもの全てに目移りするからです

もちろん集中して前の必要な情報だけを見ることができる子もいます。
ですが、今までの経験上黒板の横に授業とは関係のないプリント等がたくさん貼ってある場合、授業に集中できず目移りしている子が圧倒的に多いです👀

例えば、掃除用具の数・・・献立表・・・今月の目標・・・
大切なのはもちろんですが、授業には必要ありませんよね?

👦「先生、お腹すいた〜」「今月の目標は・・・」
無意識に声に出したりする子が稀にいます。

彼らは決して授業を妨害しようとしているわけではありません。おそらく無意識に目の前の情報(掲示物など)に気を取られているんです📃
とても大切な話をしていても、その子にとっては別のことで頭がいっぱいなんです。
そしてその切り替えが自分で出来る子と、そうでない子がいます。

「みんながわかりやすい」授業作りを目指すために、ぜひ掲示物は後ろの掲示板や横(できれば目に入らないよう上の方)に掲示するようにしましょう。
📌 逆に覚えてほしいことは前に掲示しましょう!


4. 使用するのは3色のみ

そして、意外と見落としがちなのは板書する際の色の使い分けです。

皆さんはいろんな色を使って板書を見返したときにカラフルでどれが重要なものなのかわからない、なんてことありませんか?

実は、資格支援の子からするとそれがとても分かりにくいんです。たくさんの色で区別していて、一見見やすいように思っても実はとっても見づらいんです。

そこで、基本の3色をベースに授業の板書を作っていくことをご提案します。

【黒板の場合】白、黄色、朱赤

【ホワイトボードの場合】黒、赤、オレンジ系

聞いたことのない朱赤という色がありますね。
実は色覚障がいを持った子にとっては黒板の緑色に普通のチョークの赤をのせると、とっても見えづらいんです・・・😵

【黒板で見えづらい色】🟩緑 🟦青 🟥赤

【黒板で見えやすい色】⬜️白 🟨黄 🦐朱赤

現役時代にも、クラスに数人は色の区別がわかりにくい子どもがいました。
中には色覚検査をしておらず、自覚症状がない子どももいます。
ですが、やはりそういった子にとってはカラフルな板書や、色が区別しにくい板書を見るのが苦痛になってしまいますよね。

今は、色覚障がいのある子でも分かりやすいチョークなんかも売られたりしていますが、まだ学校にそういったチョークがないところはぜひ事務員さんに購入の検討をお願いしてみてください🤝

また、ホワイトボードを使用する際もわかりにくい色というのがあります。
黒板と違って背景が白なので、こちらも色をしっかり使い分けましょう。

【ホワイトボードで見えづらい色】🟩緑 🟨黄 

【ホワイトボードで見えやすい色】⬛️黒 🟥赤 🟧橙 🟦青

黒板よりは、見える色が多いと思います。
明度の差がはっきりしているほど見やすくなるようです。
※専門家ではありませんので、必ずしも正しいとは限りませんのでご了承ください。


5. 授業のパターンを作る

実は自分にとっても、子どもにとっても分かりやすいのが "授業パターン" を作ることなんです。一言で言うと、見通しの完成系ですね!

簡単にいうと、鑑賞テストなど全てにおいてルーティーンを作ればいいということです✨

鑑賞であれば、
①ワークシートのテンプレートを3学期とも同じに揃える。
②楽曲で抑えておきたいポイント(速さ、音色など)を強調して伝える。
③筆記の際、必ず使ってほしい音楽のもとを明記する。
 例:「音色」「速さ」という言葉を使って書きましょう。とプリントに明記しておく。

テストの時も、
①テスト当日の練習は2回のみ
②当日に必ずテストで見られる観点をおさえる
③当日の流れを、事前に伝えておく(1学期は必ずやります)

歌であれば、初めての曲を教える際は
①指で楽譜のメロディ部分をなぞりながら聴く
②ハミング歌唱をさせて、メロディを覚えさせる
③今からCDを3回聞いて覚えてねなど具体的に明言する。

こんなふうに、毎回の授業のルーティーンを作ってしまえば、もし急きょ授業を振替するなんてことになっても安心です!(ないに越したことはありませんが・・・笑)

実は授業のパターンを作っておくことで、支援の子が安心して授業に来れるようになった経験もあります。
特にこだわりが強かったり、ルーティーンが決まっていないと不安になってしまう子どもからすると安心して受けられる授業づくりが大切になってきます。


さて今回は、UDを取り入れた授業づくりを提案させていただきました。
すぐに実践できるものばかりですので、皆様の授業づくりの参考になれば嬉しいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました🥕

またダウンロード資料は下からダンロード可能ですので、ぜひこちらもご活用ください。

6.【参考資料】ワークシート【pdf,jpg】

スクリーンショットなどで切り取りも可能です★
A4サイズに2つ印刷し、指型に切り取って、裏に磁石シートを貼ると完成★
ちょうど良い大きさに切り取ってご使用ください。


ダウンロード資料の使用法については下の記事に書いております。
まだこちらの記事をお読みになっていない場合は、ご一読ください。

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