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"マーケター以外の人"にお勧めしたいBtoBマーケティング

突然ですが、あなたはBtoBビジネスに携わるマーケターでしょうか?
あなたの仕事は、自社のマーケティング活動に貢献している(あるいは活動そのもの)と呼べるものでしょうか?

もしNo(とまでは言わなくとも明確にYesと言える自信はない)と思われる方は、是非ともこの先を読み進めていただくと良いかもしれません。明確に「Yes、既にゴリゴリに取り組んでいる」と答えられる方には、申し訳ありませんがこの先の文章から得られるものは恐らくありません。

さて、BtoBとは法人間の取引、すなわち様々な企業の運営を支えるモノやサービス(生産財・産業財などとも言います)を意味します。具体的にはエネルギー、素材、部品、装置、設備、ITシステムなど、つまり消費者が直接購入することのないものを扱う企業です。

BtoBマーケティングとは、こうした事業を営む会社のためのマーケティング活動な訳ですが、昨今は「いかにして下記の活動を効率的に進めるか」といった面が主にクローズアップされています。

●効率よく顧客対象に情報を届けることで集客・探客を行い
●潜在顧客を維持・育成させ、引き合い(商談案件)獲得に繋げていくか
であったり
●受注後の顧客フォローや納品物の交換・更新時期をキャッチして
●次の商談に繋げてくか(更新提案、クロスセル、アップセルなど)
などが挙げられます。

確かにこれらはBtoBにおいて(BtoBに限らずとも)有効な活動であり、推進する価値があるものですが、マーケティングという観点では視野が少し限定的で、ややもするとそれが出来てさえいれば「自社のマーケティング活動は十分である」との誤解を与えかねないので、注意してほしいと思います。

なので、BtoB業界に居るが、自分は特段マーケティングに携わっていない、と感じている方に対して、むしろそういった方だからこそ担える・果たせることに言及していきたいと思います。

BtoBの特徴について

個人の消費・購買行動と企業間取引では、その商品やサービスを知ってから購買、継続利用に至るまでのプロセスや意思決定のあり方、価値の捉え方が異なります。

うう

主な概要は上記のとおりですが、ポイントを極めて簡単に表現するならば、登場人物も商談プロセスもガチ(知識や経験、技術が豊富かつマニアック)である、という特徴が挙げられます。(もちろん個人消費でも自動車や不動産などの高額商品では似たような状況となりますが)

つまりガチ勢に対してガチンコの価値提案をするのが、BtoBの仕事と言える訳です。その場のノリや雰囲気で仕事が前進することはありません。

マーケティングとは

マーケティングとは

著名な方をはじめとして、様々な個人や団体が定義づけていますが、いずれにおいても「本来の概念は相当に広い」訳です。例えば、下記の内容は全てマーケティングという概念・活動の中に含まれるものとなります。(内容としては全然違うモノなのに…)

【戦略に関するもの】(WHY+WHAT)
製品戦略、価格戦略、チャネル戦略、エリア戦略、プロモーション戦略、
売り場戦略、競争地位戦略、差別化戦略、ブランド戦略…

【業務に関するもの】(HOW)
・市場調査、マーケットリサーチ
・製品開発、サービス開発
・商品政策(MD)
・ビジュアルマーチャンダイジング(VMD)
・販促、プロモーション…

従って、マーケティングは非常に広範囲を網羅した概念となるため、自分はマーケターと呼ばれる存在ではない、と思う方でも何らかの形で関与しているケースが大半です。そもそも「マーケティング」という言葉の安易な多用は誤解を生む原因になったります。(法人営業が担う活動も、開発部門の業務も、調査も販促も宣伝も全部マーケティング活動の一部であります。)

またBtoB企業では「売り物が決まっていない」場合も多く、部品+システム+カスタマイズなどの組み合わせによってソリューションとして提案する(場合によっては、売るモノを提案とセットで開発する)ケースもあります。

ですから、
・社会のどこに自社が貢献できる(できそうな)課題があるかを探すのも
・個々の案件の課題(ニーズの本質)を掴みとり、相手と握ることも
・その解決策を考案、設計、提案する活動も

BtoBマーケティングにおいては極めて重要な行為となります。(これらの仕事をマーケティングから切り離し、セールス、技術営業、エンジニアリングといった言葉で分けている企業もありますが)

なんならWEBマーケティングの仕組みやツールがほとんど導入されていない企業であっても、上記の活動が秀逸なことで業績を上げている会社はごまんといる訳です。

なぜ、「BtoBマーケ=WEBでの活動」になったのか

これまで、生産財・産業財企業のマーケティング活動のかなりの部分は営業が担っていました。しかし近年はITベンダーを中心に、顧客獲得・顧客育成・顧客サポートなどのツールが次々と登場したことで、人間が地道に動くこと以外の仕組みやツールの活用によって、より効率的・効果的な成果を実現できるようになったからだと思われます。(下記のサイトなんかを拝見すると本当にカオスですね)

それでも依然として見積もりや価格交渉、仕様のすり合わせ、クロージングといった行為は人が担わないと成立しないため、営業や技術という仕事とマーケティングが別物のように扱われ、それに対して何も違和感がない状態になっているのだと思います。

BtoBマーケティングは専門部隊が担うべき?

これは明らかに違うと思います。限られた業務範囲に限定するならば(特定の商材・事業における、WEBメディアを中心としたリード獲得からの一連の流れを指すならば)、専門家が担う方が効率的・効果的だと思いますが、本来は営業、技術、開発、製造も含めた全員がマーケティングに関係しているものです。

だから全員でやった方がいいですし、それこそが本当の意味でのBtoBマーケティングの取り組みだと言えます。決してマーケティング部門や企画・戦略部門だけに依拠するものではありません。

昨今は「セールステック等の進化と市場環境の変化により、BtoBの営業はいずれ不要になる」と豪語される方もいらっしゃいますが(なるほど一理あるなと感じる面もありますが)、誤解を恐れずはっきり言いましょう。人間を舐めすぎです。

次回以降の記事にて、現在のAIやセールステックでは逆立ちしても人間に追い付かないことをいくつか書いていきたいと思います。(そういったマーケティング力を磨く方向もありじゃないか、という意味を込めて)

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