費用対効果のシミュレーションはどうするのか?(導入後のコストシミュレーション編)
こんにちは。今回は「導入後のコストシミュレーション編」です。
ちなみに前回まとめた内容を元に進めていきたいので内容を再掲しときます。
【導入前】
現状の問題点:ある程度の時間をかけて手作業で集計している、集計ミスが発生する、など
現状のコスト:人的コスト、ミスによる機会損失など
【導入後】
改善される問題点:自動化により時間短縮、集計ミスの減少など
新たなビジネスチャンス:新たな顧客洞察、コンバージョン率の向上など
その上で、以下の投資について考慮します。
【イニシャルコスト】
システム導入コスト:ハードウェア、ソフトウェア、開発・設定費用
教育・研修コスト:ユーザー教育、システム運用研修など
【ランニングコスト】
システム運用・保守コスト:人件費、ライセンス費用、システム更新費用など
データ活用費用:分析ツールの使用料、外部データの購入費用など
企業投資として見た場合、かかるコストがネガティブで、得られる便益がポジティブとなります。
前回は導入前の「集計にかかる人的コスト」を算出しましたので今回は「自動化のための分析環境構築&運用コスト」を算出してみましょう。
シミュレーションが難しい導入後のコスト
ただこのあたりからは結構厄介で、企業によって保持しているデータの内容、容量なども違い、仕様によっては統合できない可能性もはらんでいます。
更に構築内容についても、実際に構築してみると「シミュレーションと違った。(費用もスケジュールも)」みたいな話が出てきたり、「構築してみたが、現場のメンバーが『ダッシュボードが使いにくい』などの理由でデータ分析基盤を利用してくれない」など思ってた内容と違う結果になってしまうケースもよく聞いたりします。
ですので「導入後のコストシミュレーション」については専門家の意見も聞きながら進めていくことを強く推奨します。
上記を踏まえた上で「データ分析環境の種類」についてまずは整理していきましょう。
自社で環境を構築する?それともSaasなどを利用する?
まずデータ分析環境を準備するにあたって大きく分かれるのは上記の2点でございます。
こちらはコストシュミレーションの観点からも計算方法が結構変わってきちゃったりしますのでそこも含めてジョシュに聞いていきましょう。
データ分析基盤を用意したい時に、自社で構築したとSaasのサービスなどを利用した場合のメリット&デメリットを教えて。
自社でデータ分析基盤を構築した場合
<メリット>
自社の資産となる:一度構築すれば永続的に使用でき、自社の資産となります。また、必要に応じてシステムをカスタマイズすることも可能です。
データの管理・保管:自社で全てのデータを管理・保管できます。これにより、データセキュリティを自社の基準に合わせて管理することができます。
<デメリット>
高い初期投資:自社でデータ分析基盤を立ち上げるためには、専門的な知識や技術が必要となります。これにより、初期投資が高くなることがあります。
運用の手間:システムの運用やメンテナンスは自社の負担となります。これにより、人的リソースが必要となります。
■SaaSサービスを利用した場合
<メリット>
低い初期投資:自社でシステムを構築することなく、利用開始できます。これにより、初期投資を抑えることが可能です。
継続的なサポート:SaaSサービスの提供会社から継続的なサポートを受けられます。また、新機能の追加やシステムのアップデートも自動的に行われます。
<デメリット>
自社の資産にならない:SaaSサービスの利用を終了すると、そのサービスを利用できなくなります。これにより、データ分析基盤が全て使えなくなる可能性があります。
カスタマイズの制限:SaaSサービスは提供会社が作成したものであるため、カスタマイズに制限があります。そのため、自社のニーズに100%合わせることは難しいかもしれません。
自社でのデータ分析基盤構築の場合でも完全に社内で構築するのではなく、構築&運用を支援会社にお願いするケースもあるよね?
はい、その通りです。自社内でのデータ分析基盤構築に際して、専門的な知識や経験が必要となる状況では、外部の支援会社に依頼することも一つの選択肢となります。
以下は、支援会社に依頼する際のメリットとデメリットを列挙しています。
<メリット>
専門的な知識と技術:支援会社はデータ分析基盤の構築と運用に関する専門的な知識と技術を持っています。そのため、技術的な問題に直面した場合でも迅速かつ適切に対応することが可能です。
運用負担の軽減:システムの運用に関する作業を支援会社が引き受けてくれるため、自社の業務負担を軽減できます。
<デメリット>
コスト:外部の支援会社に依頼するということは、その分の費用が発生します。また、長期にわたる支援を受ける場合、そのコストは大きくなる可能性があります。
情報共有の課題:データ分析基盤の構築と運用に関わる情報を、自社と支援会社で共有しなければならないため、そのプロセスに手間がかかることがあります。
ありがとう。 では「自社構築」「Saas利用」に分けて再度記載して。
「自社構築」は「完全に自社で行う」と「部分的に支援を依頼する」のケースに分けて。
上記の内容で「イニシャルコスト」「ランニングコスト」「メリット」「デメリット」「適切な事業規模」などにまとめて。
以下、それぞれのケースごとのイニシャルコスト、ランニングコスト、メリット、デメリット、適切な事業規模についてまとめます。
【自社構築(全て自社で行う)】
イニシャルコスト:高い(システム開発費用、サーバー設備費用など)
ランニングコスト:高い(システム運用・メンテナンス費用、人件費など)
メリット:自社の資産となる。データの管理・保管が自由。システムのカスタマイズが可能。
デメリット:専門的な知識・スキルが必要。システムのリスク(故障やセキュリティ)は自社で負う。
適切な事業規模:大企業。IT部署や予算がしっかりしている企業。
【自社構築(部分的に支援を依頼する)】
イニシャルコスト:中〜高(システム設計・開発の一部を外部に委託するため)
ランニングコスト:中(一部の運用・メンテナンスを外部に委託するため)
メリット:自社の資産として持つことができる。必要な部分だけ外部支援を利用できる。
デメリット:一部の管理などは外部依存になる。全て自社で行う場合と比べて自由度が低いかも。
適切な事業規模:中〜大企業。一部のITリソースは持っていて、一部を外部に委託可能な企業。
【SaaS利用】
イニシャルコスト:低い(利用開始費用)
ランニングコスト:低〜中(定期的な利用料金が発生)
メリット:初期投資を抑えられる。継続的なサポート・アップデートが受けられる。
デメリット:自社の資産にならない。サービスの利用を停止すると分析基盤が全て使えなくなる。柔軟なカスタマイズが難しい。
適切な事業規模:小〜中企業。初期投資を抑えたい企業。ITリソースが少ない企業。
こういう作業をお願いするとジョシュは抜群のサポート能力を発揮しますね。
(前回の算出サポートのアウトプットをまだ引きずっています…。)
あとイニシャルコストとランニングコストについても整理しておきましょう。
イニシャルコストとランニングコストの考え方について
注意点を説明して。 例えば償却期間が五年間だった場合で例えをお願いします。
分析基盤の構築に関連するイニシャルコストとランニングコストは企業の予算編成やROI(投資対効果)の評価において非常に重要な要素となります。
イニシャルコストとはシステムの導入や設置をはじめ、初期の教育研修費用など、システム稼働までに必要となる初期費用のことを言います。一方、ランニングコストはシステムを運用・維持していくための持続的な費用となり、システムの保守更新費、人件費、消耗品費等が該当します。
一般的には、大規模なシステムの場合、イニシャルコストはランニングコストに比べてかなり大きな金額になることが多くあります。しかし、そのイニシャルコストは償却期間(例えば、5年等)を設けて一定期間で均等に経費計上することが一般的です。
そして、ランニングコストに関しては毎年一定額というわけではなく、システムの運用状況や規模により変動します。例えばシステム運用後にユーザー数が増えると、それに伴いシステムを適切に運用するための人件費や保守費が増える可能性があります。
こういった点から、イニシャルコストとランニングコストを比較するにあたり、特に次のような点に注意すると良いでしょう。
あまり例えの意味はなかった気はしますが、回答自体はわかりやすいですね。
補足しておきます。
※償却期間が5年の場合
<イニシャルコスト>
月額コストに換算するためイニシャルコストの総額をの1/60を月額料金として換算する。
都度支払いの金額のため、後から増えるなどといったような予算計上ではない。ただし開発のシュミレーションなどが甘い場合は追加コストなども発生するので注意が必要。
<ランニングコスト>
毎月かかってくる金額のため総額で見直すと結構なインパクトがある。
中には従量課金のような形で利用料と共に増えていくコストなどもあるのでその点を踏まえてしっかりシミュレーションを行う。
今回の記事あたりから少し複雑になってきましたので結構長くなってしまいましたね。
少しまとめたほうが良さそうです。
まとめ
<データ分析基盤を導入する方法について>
事業規模や行いたい内容もしっかり踏まえて検討を行う必要がある。
ポイント
データ分析基盤を自社の資産にするのか?
カスタマイズ性がないと社内での利用率や工数削減の割合も低下する。
イニシャルコストは月額コストに換算するためイニシャルコストの総額をの1/60を月額料金として換算する。(5年償却の場合。)
ランニングコストは従量課金のような形で利用料と共に増えていくコストなどもあるのでその点を踏まえてしっかりシミュレーションを行う。
簡単なコストシミュレーションのリストを作成しましたのでこんな感じで作成してみると分かりやすいと思います。
次回は「自社構築やSaasを選ぶ際に気をつけたい事」について考えていきます。
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