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社内の情報を整理する①

前回までのおさらい

前回までの記事は「小売業とデータ分析の考え方(分析環境導入検討編)
のマガジンにまとめられてます。
小売業でデータ分析を行う際のメリットやコストに対する考え方などをざっくりまとめたものになりますので、今回のマガジンからはもう少し細かな内容を記載していきます。
分析環境構築を検討されている方は先に読んでおくと色々便利な知識をお届けできればと考えております。

「実際にどういった分析すればいいの?」という内容はもう少し先になってしまいます。
なぜなら企業にとって「費用対効果」というのは非常に重要なもので、いくら高度な分析を行ったとしてもアクションに繋げられなければ意味はありませんし、高価なランニングコストを投じたとしても結果的にマイナスになってしまいかねないからです。

「でも先に具体的な案を知りたい!」という方は弊社のDEMOを見ていただけますと、売上と顧客分析のざっくりした内容はつかめるかなと思います。
(もちろんその他の分析もいっぱいあるのですが一通りのベタな分析をまとめているつもりです)

分析環境を構築するにあたって必要なことを整理する

前回のマガジンを読んでコストシミュレーションされた方は大枠は掴めていると思いますが、改めて分析環境を構築するにあたって必要なことを整理していきたいと思います。
まずはジョシュに何が必要か聞いてみるところから始めたいと思います。


小売業でデータの分析環境を構築するために必要な物を揃えたいです。
どういった項目がありますか?

  1. 事業の元データ:これは、お店で日々生まれている販売データや商品データ、顧客データなど、事業活動全体を通して生み出されるデータのことを指します。これらのデータを適切に分析することで、売上に影響を与える要素を具体的に把握したり、これからのビジネス戦略を決定したりする原材料となります。

  2. レポート:これらは、元データを特定の観点で集計・整理したもので、日々のビジネス運営に必要な情報を提供します。例えば、商品の売れ行きや店舗の売上等、様々な観点から事業のKPI(重要業績評価指標)を把握するための情報源となります。

  3. データ整理ツール(ETLやDWH):これらのツールは、バラバラの元データを一元管理し、分析に適した形に変換する役割を果たします。ETL(Extract, Transform, Load)では、様々なソースからデータを抽出し、分析に適した形に整形し、データベースに保存します。一方、データウェアハウス(DWH)は、そうしたデータを組織全体で利用できるように一元管理・保存する場所を提供します。

  4. 分析ツール(BIツール): これらは、データウェアハウスに保管されたデータを具体的に分析し、視覚的に表示するためのツールです。これにより、データ群から意義深い情報を抽出し、事業の意思決定に活用できます。

つまり、これらの要素は全て、データを基に事業をより効率的に、より有利に運営するために必要なものとなっています。

ありがとう。では1から順にリスト化していきたいです。
事業の元データはどういったものが考えられますか?

  • マスタデータ

    • 商品マスタ

    • 店舗マスタ

    • 顧客マスタ

主にこれらのデータは、ビジネスの運営に必要な基本情報となり、さまざまな教師データと組み合わせて分析に使用されます。

  • トランザクションデータ(教師データ)

    • 売上データ

    • 仕入れデータ

    • プロモーション実施データ

    • 顧客問い合わせデータ

    • アクセスログ・解析データ

    • 在庫データ

主にこれらのデータは、過去の実績や行動を捉え、ビジネスの現状解析や未来予測に利用されます。


なるほど。実際のデータを扱う場合、事業社内で売り上げデータなども何個かあると思います。 具体的には実店舗で販売した売上データとECの売上データはシステム基盤なども違うため複数存在すると思います。 こちらの理解はあっていますか?

はい、その認識で正確です。
具体的には、実店舗における売り上げデータとオンラインショップ(EC)の売り上げデータは、一般的には異なるシステムで管理されます。そのため、一つの企業でも、売り上げデータは複数存在します。
実店舗の売り上げデータは、主にポイント・オブ・セールス(POS)システムやキャッシュレジスターシステムなどで集計します。一方、オンラインショップではECプラットフォームや決済システム経由で売り上げデータを取得します。
これらのデータを一元的に管理し分析することで、売り上げの全体像を把握でき、効果的なビジネス戦略を練るための重要な情報を得ることが可能となります。

同様にマスタも複数にまたがるケースも存在してますよね?

はい、その通りです。

具体的には、商品マスタや顧客マスタなどのデータも、販売チャネルやシステムなどにより異なる形式で存在することが往々にしてあります。

例えば、実店舗で使用される商品マスタと、オンラインショップで使用される商品マスタは、それぞれのシステムへの対応や利用目的によりデータの形式や内容が異なることがあります。

また、顧客マスタについても同様で、店舗での会員データとオンラインショップでの会員データは、それぞれ異なるデータベースに格納され、登録情報や利用履歴などが異なる状況が一般的です。

これらの様々なマスタデータを一元管理し、それらを連携させることで、一貫性のある分析を行うことが可能となります。

なるほど。では社内にあるデータを纏めて、それがなんのデータなのかも分類しておいた方が良さそうだね。

その認識で正確です。

データを活用する上で最初に重要なステップは、保有しているデータの把握と整理です。具体的には以下のような内容です。

  1. データの種類:何のデータを保有しているのか(例:売上データ、顧客データ、商品データ)

  2. データの形式:どのような形でデータが保管されているのか(例:Excel表、データベース、SaaSプラットフォーム)

  3. データの内容:そのデータが何を示しているのか(例:商品の売れ筋、顧客の購買傾向)

  4. データの保管場所:どこにデータが保管されているのか(例:社内のサーバー、クラウドストレージ)

  5. データの所有者:誰がそのデータを管理しているのか(例:IT部門、営業部門、マーケティング部門)

これらを明確にしておけば、データ利活用の計画を立てたり、データの整合性を保つのに役立ちます。また、必要なデータが足りていないことや新たに取り込むべきデータがあることに気づくきっかけにもなります。

まずはツールを選ぶ前に事業社内のデータやその情報を整理して何をしたいのかを明確にしたほうが良さそうだね!

はい、その通りです!データを活用するための分析環境を構築する前に、まずは手元にあるデータやその内容を理解し、そして何を達成したいのか(目的)を明確にすることが重要です。

これにより、適切なツールを選択したり、分析の方向性を決めたりする際の基盤が整います。データから何を知りたいのか、その情報をどのように活用したいのかを明確にすることで、必要なデータや適切な分析ツール、必要な分析スキルなどが見えてきます。

その上で、具体的な分析手法やツールを選ぶ際には、それらがビジネス目標やタスクに適合することを確認することが重要となります。

実際にデータ量などによって利用するソフトウェアやその構成が変わることも考えられるよね?

はい、その認識で正確です。データの量、種類、利用目的などによって選択すべきソフトウェアやシステムの構成は変わります。

  1. データの量:データが大量であれば、大量のデータを無理なく処理できるデータベースシステムや、ビッグデータ分析に対応した分析ツールが必要となります。逆に、データが少量であればシンプルなデータベースやExcelなどでも対応可能です。

  2. データの種類:組織内で扱うデータの種類(構造化データ、非構造化データなど)によっても、需要なソフトウェアは変わります。組織内のデータが多種多様であれば、それらを一元的に整理・管理できるデータウェアハウスが必要となります。

  3. 利用目的:ユーザーの目的に応じて適切なソフトウェアを選ぶことが大切です。たとえば、分析結果をビジュアル化したい場合はBIツールを、データのクリーニングや変換を行いたい場合はETLツールを選びます。

これらの要素を考慮し、適切なソフトウェアやシステムの選定・構築を行うことで、データの有効性と利用価値を最大限に高めることができます。


なるほどです。
言われてみれば当たり前なのですが、データ分析基盤を構築する際は
先にツール選定を行うのではなく、自社のデータで何を実現したいのかなどを明確にし、その後ツール選定を行う手順なのですね。
まとめ例を作成してみました。

その後集めたデータをどういった方法で活用していきたいのかなども含め、最終的にツール選定を行うのが良さそうです。

少し長くなってしまいましたので次回データの整理方法について書いていきたいと思います。

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