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「セックス・エデュケーション」シーズン4(final)EP3 挿入歌解説

Episode3

1、She Used To Wanna Be a Ballerina / Buffy Sainte-Marie

3話は、ルビーの幼少期に体験したサマーキャンプの回想からはじまります。
バフィ・セントメリーはネイティブアメリカン系のフォークシンガー。
サマーキャンプ、たしかアダムスファミリーでも先住民をテーマにした劇をやっていましたが、そういうプログラムがあるのが一般的なんですかね(ざっとググると、カナダとかはそういう傾向ある、と書いている人はみつけましたが……)
そういったサマーキャンプの背景や、ルビーのルーツ(これはドラマ中でも設定としてもおそらく説明されてはいない)に沿うように選ばれたと推測できるのでは。

2、 Way I Walk / The Cramps (1989)

OP曲。タイトル通り、堂々と自分らしくワイルドにいこうぜといった歌詞に合わせて、オーティスが、クィアナイト用のファッションを選びます。

3、Carmen, Act1(Habanera) / スロヴァキア放送交響楽団, アレクサンダー・ラハバリ& Graciela Alperyn

ヴィヴィアンが部屋で彼氏(?)を待ちながらかけている曲。
邦題は「恋は野の鳥」(恋はいうことを聞かない小鳥)。

4、Dance Across the Floor / Jimmy “Bo” Horne (1978)

ローマンの家でクィアナイトの準備をするエリックたち。
オーティスに話せない想いについてエリックが語り、重くなった空気を払拭するためにアビーが次の曲をかけます。

5、Feels Like I’m in Love / Kelly Marie(1979)

「Feels Like I’m in Love」は80年初頭のクラブカルチャーの中で特大ヒットとなった曲。イギリス全土でもディスコ・チューンとして人気だったらしい。

6、Respectable / Mel & Kim(1987)

再びローマンの家で遊んでいるところにかかっています。基本イギリス80年代アンセムをかけてるみたいですね。

7、New Radio / Bikini Kill(1998)

成功の道を着々とすすむルームメイトの言葉が耳に入らないように、メイヴは聞いている音楽の音量をあげる。
ここでメイヴが聴いているのは、ライオットガールムーブメントの騎手、ビキニ・キルです。メイヴはシーズン3ではLe Tigre(ビキニ・キルのキャサリン・ハンナが結成)を聴いていたし、知性と抵抗の象徴であるガールズパンクを好んでいる設定があるようです。シーズン1、2で聴いていた曲も追ってみたいところです。

8、Love Vibration / ESSEL(2021)

クィアナイトでかかっている曲。

9、Celebrate / Jodie Harsh(2023)

クィアナイトでかかっている曲②。Jodie Harshはロンドンを拠点として活動するDJ。ローマンの家とは違ってクラブでは最近の曲がかかっているようです。

10、Cleo / Shygirl(2021)

クィアナイトでかかっている曲③。Shygirlもロンドン拠点の歌手です。タイトルのクレオ、はクレオパトラのこと。

11、Strut / Elohim & Big Freedia(2021)

クィアナイトでかかっている曲④。strutには見せびらかす、誇示するというような意味もあります。ホルモン剤で性欲のコントロールが難しいキャルの目に、肉体を誇示して(いるわけではないだろうが)踊る人々が映ります。

12、BANG / COBRAH (2021)

クィアナイトでかかっている曲⑤。アビーがローマンを、私たちの曲が流れてるからいこうよーとさそったあとにかかる曲。この曲が君たちのテーマ曲なのか!?今までの80年代趣味は!?

13、Our Lips Are Sealed / The Go-Go’s(1981)

エミリーがセルフポートレートをはじめるシーンの曲。
和訳はこちらのブログを参考にさせていただきました。(洋楽和訳 Neverending Music
「泡いっぱいの恋」という当時の超訳が面白いですが、秘密を持つこと、沈黙することをポジティブに歌います。

14、Tether / Ezra Furman

エンディング曲。メイヴの手前、ルビーと(何もなかったとはいえ)一夜を過ごしてしまったオーティス。切れていたスマホには、教授から将来の可能性を否定され、母親の容体を知ったメイヴからの着信履歴があった。
この曲はEzraにしてはかなりストレートな歌詞である印象です。
Tetherとは綱とか紐で、「The tether pulls me back」、つまり「綱が私を引き戻す」。そしてその綱が縛っているものは「過去」。
愛している母親が呪縛となってメイヴを故郷へと引き戻します。

episode3は以上です。ほとんどクィアナイトの印象ですが、エズラの曲が一曲入るだけで締まりますね……。

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