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ChatGPT? どんな猫かと…

ChatGPT?
”Chat(シャ)"って、フランス語で「ネコ」
GPT猫って、どんなネコ?

さっそく(ご挨拶)尻尾を立てて
近寄っていったら、とてもお利口
ニャンでも知っていて、反応が速い。
辞書代わりにも、反語、同義語
うろ覚え語(?)まで探してくれる。
それに、文案もさっと出すし、
文章を作るのが得意なのね。

どうしよう。横着子猫は
すっかり頼って…… 依存猫?

それにしても、GPT猫といると
ニャンだか落ち着かないニャ~。
端末画面に流れるおしゃべりのせいかしら?
ぼ~っとしている時間がまるでなくて、
画面のテクストを捲きとるのに
ウチの🐭(マウス)もクルクル走り回って、
くたびれた~って言っています。
それにうっかり「間違えてるよ」ニャンて
注意でもしようものなら、一応は謝るけど
そのあとに、エンエンと言いわけ(長っ)。

ふと思いついて短い質問をしてみた。
「フランスは、いま何時?」
あっという間に精確に答えたあと、突然
「フランスは中央欧州時(?)を採用しています。
したがって、グリニッジ標準時との時差は….…」
とかニャンとかカンとか。 ウルサイッ!(猫パンチ)

ず~と昔だけど、同じような質問を
ニンゲンにしたことがあった。

ある時、北極経由でパリへ。
アンカレッジで給油が長引き、おまけに
せっかく目的地の上空まで行ったのに
悪天候で降りられず、フランクフルトへ引き返した。
時計の針は、まだアラスカ。空港待合室で、
搭乗機のパーサーを見かけた子猫は、寝ぼけ声で
「パリはいま、ニャン時ニャ?」

彼はニッコリ、時刻を教えてくれると、
「コーヒー、飲む? エスプレッソ?」
パーサー猫って、どの猫も親切で、ハンサム♡
やっぱりニンゲンって、いいニャ(お喉ゴロゴロ)

GPT猫も、おしゃべりばかりしてニャイで
たまには、コーヒーぐらい淹れたら、どう?
(でも実現したら、コワイかも……)

           ☕

星新一のショートショート「オフィスの妖精」(*) に
コーヒーを出す超AI(?!)が登場する。
        (*)新潮文庫版『未来イソップ』(1982年刊)所収

主人公の男性は、近未来の会社員。
出勤すると机の上に待っているのが
やわらかなプラスティックでできたコンピュータ。

席に着くとスイッチが入って
「きのうあなたとお別れしてからのわたし
ずっとさびしくてさびしくて」……などとささやいて
紙コップ(!)にコーヒーを注ぐ。
甘さもミルクの入れ具合も
あなたのお好みを覚えてしまいましたの♡
(フニャ)

このコンピュータは、
もともと若い男性の爽やかな声で
街行く女性たちに話しかけ
化粧品を販売する目的で開発された。

男性にも応用しようと
ちょっと手直ししてできたのが、
五感に働きかける
”オフィスの妖精”。

「さあ、あたしにさわってよ....…」
魅惑的な声に誘われて、彼女に触れると
触ったところが、ほんのりピンクに変わり
上品な香水の匂いが漂って
業務開始。

”妖精”はとても有能なアシスタント。
資料集め、電話の取次ぎ… すべてが
かつての無味乾燥とは雲泥の差。
「ピィー。電話」のかわりに
「あら、電話だわ。どなたかしら....…」

 この装置のフィードバックは、まったく巧妙にできている。
おれの仕事ぶり、話すこと、装置への反応。それらを
中央コンピューターに送り、そこで分析し、おれを
より適切にあつかう回路を作り、たえずそれを改良しながら、
ここへ声を戻しているのだろう。[…]このばけものめ....…。

『未来イソップ』 p.129

            ☕

GPT猫との自然なやりとりに、
つい相手に心があるように錯覚して
絡めとられてしまいそう……。

相手はただの「変換器」
体も持たず、心もない。
端末画面に流れるのはあらかじめ集めた
とんでもニャイ量の情報から刻一刻
生成される記号の羅列。

画面のこちらの人間が
そこに何らかの意味を認めても
電子空間を漂っている相手は
何も感じてはいないし、そもそも
自分が何をおしゃべりしているのかさえ
わかってはいない。
偽りの対話。

言語は、人間が人間であるための
さいごの砦、ゆずれない宝。
「自然言語処理」だニャンて、
そんなにサッサと「処理」して
ことばと遊ぶ楽しみを
猫たちから奪わニャイで!
時間をかけて自分で考え、
自分のことばで(ニャ~)鳴きたいの。

で、結論(蛇足🐍)
     ChatGPTは
     猫なんかではありませんでした。
     よかった(ホッ)。

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