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買ってよかったもの

買ってよかったもの、一枚のCD
『果てなき大地の上に』
加藤登紀子さんの詩と歌のアルバムです。

なかに「声をあげて泣いていいですか」が
入っていました。

声をあげて泣いていいですか
満月が雲に隠れた時
声をあげて泣いていいですか
精一杯生きて力尽きた人に
声をあげて泣いていいですか
たった今戦いに敗れた人に
声をあげて泣いていいですか
戦わずにここを立ち去った人に

声をあげて泣いていいですか
今日一日をひとりで終わる人に
声をあげて泣いていいですか
誰かを思いながら一人眠る夜に
声をあげて泣いていいですか
今夜この世に分かれを告げる人に
声をあげて泣いていいですか
誰にも看取られずに幕を閉じる人に

生きていることはいつか終わること
だから伝えたい 今ここにいることを
嵐の後の虹のように
辛くても苦しくても光の中へ

声をあげて泣いていいですか
突然の運命に晒される人に
声をあげて泣いていいですか
昨日までのすべてを失う人に
声をあげて泣いていいですか
たった今愛する国を出ていく人に
声をあげて泣いていいですか
愛する故郷(くに)に二度と帰れない人に
愛する故郷(くに)に帰れない人に
                  2021年夏、満月の夜に

初めて聞いたときは、
ウクライナのことかと思いました。
歌詞カードを見て、侵攻の半年も前に
生まれた歌だと知りました。

コロナが私たちの小さな星を
すっかり覆っていたころでした。
それから半年、あんなことが起きて
いま世界は、戦争だらけ。

武器を取って戦う戦争ばかりではなく、
強い人たちが、権力や財力を使って
弱い立場の人々から奪い取る、
生きる糧を、いのち、を
これも、また戦争。

コロナ・ウィルスによって、
なりふり構わぬ砲撃によって
――そして「自己責任」の一言で
みんなバラバラにされていく、
互いのつながりを
こんなに無残に断ち切られて。

「声をあげて泣いていいですか」
秋の大きなお月さま
月の光が滴り落ちて
子猫の心にあふれます。
小声でニャーと鳴く以外
何もできない無様な心に。

アルバムには、
「百万本のバラ」🌹🌹🌹も
収められています。

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JCF(日本チェノブイリ連帯基金)で、
まだ入手できると思います。
http://jcf.ne.jp/action/ukraine

加藤登紀子さんが売り上げはすべて同基金に
ご寄付くださると聞きました。

              *表題の画像は
              田渕俊夫「刻(霞ヶ関)」1996年、部分

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