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No.231:もう少しだけ覚えていたい

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最近は寄付集めに熱心なせいか、留学先の学校は年に何度かこぎれいな同窓会誌を送ってくれます。なかなか素敵な冊子なのですが、この手のものは貯まる一方。いざとなればデジタルでも見られるので、いつもはさっと目を通したらゴミ箱行きです。Reunionとか言っても、たまたまその時期にそちらにいるなってことはまあないわけで、あの先生も年をとったなとか、今年はボート頑張ったんだとかそんなものを眺めたら満足。

今回もそんな感じの冊子が届き、ページをめくっていたら、見覚えのある懐かしい顔が映っている記事を見つけました。制服の似合うカッコいいおばさまで、食堂や教員用の部屋を仕切っていて、何度も軽いお話をしたことがある人です。卒業後に滞在したときにも、顔は覚えていてくれて、茶目っ気たっぷりに、ひとりでやってきた私に声をかけてくれました。あー、ついにリタイアかあ。

恩師でもないし、友人でもなく、おそらくあちらは私のことなど覚えていないと思いますが、よくしてもらった温かい気持ちがまだこちらにあります。ちょっとゴミ箱にすてられなくなりました。さりとて、このまま冊子をとっておいても、きっとしばらくたって「なんでこれとってあったんだろ、捨て捨て」ってなるのは目に見えてます。恩師やら友人たちからの手紙や写真のように、ずっと持ってたいってもんでもない。ただ、いまふっと消えて行ってしまうのがさみしいなあと思ったのです。

結局、小さくして、5年手帳に貼ることにしました。きっとあと3回くらいはそのページに到達するでしょうし、1年に1度だけ、思い出せたら、ちょっといいかなあと思ったのでした。

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