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「パリタクシー」主演のダニー・ブーンは、可哀想な男の役がよく似合う

こんにちは。あるいはこんばんは。おしゃま図書です。今日でゴールデンウィークも終わり。休みというのは、あっという間に過ぎゆくものですね。

ところで、「最近は面白いフランス映画がない」なんて言っていたわたくし、ほんとに、「どの口が言ってたのよ!」と言いたくなるくらい、この春は、観たいフランス映画が目白押しです。

例えば以下の4本(今のところ、ね)
午前4時にパリの夜は明ける Les passagers de la nuitそれでも私は生きている Un beau matin
アダマン号に乗って Sur l'adamant
トリとロキタ Tori et Lolita

ただ、ミカエル・アースの「午前4時〜」と、ミア・ハンセン=ラブの「それでも〜」は、早稲田松竹で二本立てやってほしい。というか、やりそうな組み合わせなので、二本立てを待ってもいいかなー(だって万年金欠だし😅)

さて。パリタクシーです。

閑話休題。さて、最近のフランス映画で、いちばん劇場で観たかったのが、ダニー・ブーン主演の「パリタクシー Une belle course 」でした。先日ようやく観てきましたが、ほんとに、すごくよくて。
パリに行きたくなりました。
リーヌ・ルノーとのやりとりも絶妙。最初は第一印象最悪で、次第に打ち解けて、笑って、最後はホロリ。王道のコメディのパンチラインがきいていて。
「パリタクシー」という邦題の付け方も良かった!!!
(たまに、パリとかつけといて、さほどパリじゃない、みたいな映画あるけどね)
トリコロルパリが監修したパリマップが載っているので、パンフレットも買いました!!!

日本とフランスでのダニー人気の温度差

ところで。
日本とフランスで、人気度や受け止められている格が違うなーと思うことがあります。
例えば音楽だったらジョニー・アリディやクロード・フランソワ。フランスでは国民的な人気でも、日本ではイマイチ…。ネトフリでやっていたフランス発のドラマ「エージェント物語 dix pour cent」(シリーズ当初はセドリック・クラピッシュも関わってる。余談ですが嫁のローラ・ドワイヨンは、映画監督ジャック・ドワイヨンの娘!母はジェーンではないので、ルー・ドワイヨンとは腹違いの姉妹)を見ていると、そのへんの違いがよくわかります。
このドラマは、俳優たちのエージェントを舞台に、毎回、ゲスト俳優が本人役で登場するのですが、「あー、この役者だったら、こういうことしそう」というのが絶妙なのです。
ダニーは名前しか出てきませんが「ダニーが移籍してしまったらこの会社はおしまいよ!」と、必死に引き留めに奔走し、ダニーがいつも助言を聞いているという、ダニーの恩師に媚びて、たらふく郷土料理をいただくエピソードがあるのですが、胃がはちきれても、ダニーを他のエージェントに取られたくない!というところに、フランスで、どれほどダニーが稼いでいるのかが伺えます。

ダニーは可哀想な役が似合う!

そんな人気者のダニー・ブーン。とにかく、ちょっと可哀想な役が似合う。
この人と、ヴァンサン・マケーニュくらいじゃないの? こんなに可哀想な役が似合う役者って。

特に、「パリタクシー」を観たときに思い出したのが、やはりダニーがタクシー運転手役で出演したがパトリス・ルコントの2006年作品「ぼくの大切なともだち Mon meilleur  ami」。
気さくだけど、実は心にキズを持っていて、ミリオネアに出るのが夢、という。当て書きじゃないかしら、と思うくらいハマってます。
ダニエル・オートゥイユ扮する嫌われ者の美術商フランソワの「親友」づくりの手ほどきをすることとなり、その掛け合いも面白い。
残念ながら配信はないけど、未見の方はぜひDVDをレンタルして見てほしいです。


そしてもう一つ。可哀想っぷりが最高なのが、ダイアン・クルーガーと共演した「バツイチは恋のはじまり Un plan parfet」。
一度目の結婚は失敗するというジンクスを信じるイザベル(ダイアン・クルーガー)が、ちょっと間抜けなジャン=イブ(ダニー・ブーン)を騙して?結婚してすぐに離婚し、付き合ってる彼と二度目の結婚をしようとしてドタバタを繰り広げるラブコメなんです。ここでもやはり、心にキズ!!!
最初、フランス映画祭で上映されたときにみたんですが、これ見るとね、コサックダンスを踊ってみたくなりますよ。


そして、ダニー・ブーンといえば、やはり、これ。
「Bienvenu chez les Ch'tis(シュティの国へようこそ) 」フランスで興行収入一位!!! なのに劇場公開してない!!!
日本でも劇場公開してほしい。アマプラで観れるけど、見放題ではないのよねぇ。


ダニーの新作は日本でみれるのか?

で、いま、シュティで、タッグを組んだカド・メラッドと、私の大好きなシャルロット・ゲンスブールが出る「La vie pour de vrai」が、フランスで公開中なのです。

パテ社のサイトでは、こんなふうにあらすじが。

トリダン・ラガシュは、8日ごとに友人を変えながら、クラブメッドで人生を過ごしてきた。50歳になった彼は、生まれ故郷であるメキシコのホリデークラブを辞め、42年後に幼い頃の大恋愛の相手、ヴィオレットを見つけることを決意する。パリに到着した彼は、世間知らずで迷子だったが、存在すら知らなかった異母兄弟ルイの家に滞在することになる。ルイはトリダンを追い出すために、彼の愛人の一人であるロクサーヌにヴィオレットのふりをするように頼む…。

https://www.pathe.fr/films/la-vie-pour-de-vrai

これ、どうみても、「可哀想な男」系のダニーが見れるやつじゃん。偽の初恋の相手を演じるシャルロットが、これまたカワイイ!!!
3人のインタビュー。(しばらくは、ダニーとカドばかり喋っていて、シャルロットは笑ってるだけ)

こっちはダニーとシャルロットのインタビュー。

とにかく、楽しそうなんですけど、ヒアリングは超ハードル高いっす。
今年は、シャルロットが監督したジェーンのドキュメンタリーも公開されるようだし(やっと!!!)ぜひ、これもスクリーンでみたいなぁ。


というわけで。
とりとめないですが、いつか、ダニー推し本を作りたいです。

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