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witch gem シリーズについて

Petit écrin étoile(プチエクランエトワール)のeriと申します。ロリータファッションのヘッドドレスやアクセサリーを製作しています。

今回はwitch gemシリーズについてのnoteです。

クリップタイプのヘッドドレスとネックレス
カラーは5色の展開です


私は世代なのもあり、子供の頃にセーラームーンやおジャ魔女どれみをよく見ていました。
おジャ魔女どれみのアニメ放送が始まった当時、私はどれみちゃん達と同じくらいの歳で毎週の放送を楽しみにしていました。
アイスクリームやゼリーのように丸くてポップな髪型のどれみちゃん達が魔法をきっかけに自分やまわりの人達の悩みを解決していく、明るくて魅力的なお話の多いアニメです。
授業中にはよく空想の中に入り浸り、私もどれみちゃんたちのように魔法を使って遊んでいました。

先日のnoteでブランド活動へのきっかけに少しふれました。このおジャ魔女どれみの映画『魔女見習いをさがして』も背中を押してくれたきっかけの一つです。

映画がはじまってすぐ、急にどれみちゃんが「みんなは大人になったら何になりたいの?」って無邪気に聞いてくるもんで、急に涙が溢れ出てしまって。
映画はその後主人公3人のドタバタなおジャ魔女聖地巡礼や仕事・恋愛・人生などにまつわる心の冒険をスクリーンで見守り、新たな門出を応援しました。
ハッピーな終わりでちょっと明るい気分になり、劇場を出てコーヒーを飲みながら「私もやってみたいことの中で出来ることを少しやってみよう」と思ってみたのが今の活動のスタートに繋がっています。

今作はそんなきっかけに自分なりのアプローチをするところから企画したシリーズです。
テーマは「魔女ごっこ」。魔女になりきったコーデで活躍してくれるようなアイテムを目指しました。
ヘッドドレスは黒いお洋服に合わせやすいダークカラーに控えめシルエット、大ぶりのキラキラしたストーン・ガラスを使用したもの。それから「なりきり」のためのセットアイテムになるようなネックレスをと考えました。

魔女になりきると考えた時、多くの人はまずはどんな魔法を使える人になるのかを考えると思います。
例えば、沢山のお花を咲かせることができるとか、生き物と自由に会話できる、空を飛ぶのが得意とか。それぞれに理想の像があると考え、いつもよりもカラーバリエーションを多く作ることにしました。
今回は布もストーンもカラーバリエーションが豊富で自分でも何色を作るか迷ってしまっていたため、またTwitterのアンケートで皆様に協力していただき、色展開を決定しました。(ご協力ありがとうございました)。

ゴールド、パープル、グリーンは金具やビーズなどを金色ベースに、シルバー、ボルドーは銀色ベースにしています。
ゴールドとシルバー以外の色は冷たい色×金、暖かい色×銀といった感じで決めました。特にボルドーではビーズの銀色の冷たさがスパイスのようにぴりりと感じられるような気がしてとても気に入っています。
また、ブランド内で扱う紫色は暖かい紫ややわらかい紫が多いのですが、今回は素材感も相まって冷たく鋭い印象の紫色になり、なんだか新鮮な感じがしています。

witch gem ヘッドドレス

リボンのついたフラットな形のヘッドドレスにビーズ刺繍のモチーフを飾っています。
ネックレスと共にシリーズとすることを先に決めていたため、ネックレスと干渉しないクリップタイプにしました。
また、プチエクランエトワールのヘッドドレスではリボンがブローチになっているものが多いですが、このヘッドドレスは厚みをなるべく少なくしたいと考え直接縫い付ける形をとっています。

サイドのリボン・ベースには縦糸と横糸で別の色が使用されているシャンブレーのタフタを選びました。しっとりとした質感、色×黒のダークなカラーリングで、角度によってき色の見え方が変わる不思議な感じがコンセプトにぴったりだと感じています。
タフタ生地を使うのは実は人生初だったかと思います。ハリがあるため重ねるとかなり固くなりしっかり形状を保ってくれる(そこが可愛い)のですが、その分縫いづらくなってしまいます。
サイドのリボンはこの生地を折って輪にして縫って作る方法をとっています。はじめのうちはあまりの固さに針が何本かダメになり、針と共に心も折れるかと思いました。
それでも出来上がったリボンの色味・固さや質感がとても気に入り、出来上がりを見ることをモチベーションにして縫っています。
扱いにまだ苦戦しているところですがあまりに綺麗だったため、そのすぐ後に出したアイテムでもまた同じタフタを使ってしまっていました。全く以って罪な布。罪布です。

長方形にしたタフタの上に重ねた黒のレースは全カラー共通のものを使用しており、このスカラップをそのままフリルの代わりにしています。


国内ブランド製のエレガントな模様のレースで、この模様をしっかり見せるため影ができないように何箇所もを手縫いでタフタの土台に縫い付けています。
そしてこのレースの幅とさきほどのタフタで作った飾りリボンの幅とを揃え、収まりがよく主張しすぎないヘッドドレスになったと思います。

ポイントの"gem"のビーズ刺繍はやわらかい四角の大ぶりなクリスタルを使用しています。


筒状のビーズを放射状に縫い付け、まるで石が魔法で光っているかのように見せています。
モチーフのデザインを決めるより先に名前がぼんやり決まっていたため、「ジェム……、ジェム………」と頭で唱えながら材料やモチーフデザインを決めました。
当初はいつも通り飾りリボンの中央に配置する予定でした。しかしジェムジェム唱えていたおかげかモチーフ自体が大きくなり過ぎてしまいました。
・モチーフを小さくし、リボンにつけるか
・リボンを大きくするか
・モチーフは変えず、つける場所を変えるか
迷いに迷って色々試した結果が今のヘッドドレスの形になりました。

witch gem ネックレス

ネックレスはヘッドドレスと同じくビーズ刺繍で光を放つ魔法の石のモチーフを作り、これをトップにしています。
アイテム内のモチーフの数が一つだけになるため、ヘッドドレスよりも光の線を長くしました。
黒いお洋服に合わせていただくと胸元で石が光っているように見えるネックレスを目指しました。

モチーフ中央は雫型のクリスタルを選択したため、間伸びした印象にならないよう上部はマットなパールや少し大きめのチェコビーズでコンパクトにまとめました。
モチーフの後ろはレザーを用い、かがり縫いで縫い合わせています。

モチーフのすぐ横はエンボス加工の金属ビーズと、各カラーに近い色のチェコビーズを2つずつ交互に配置しました。ビーズ内で色味がグラデーションのようになっているものやモチーフのクリスタルよりも濃い色味のものを選んでいます。

ネックレスの線となる部分はチェコビーズを使用しています。メインは薄い黒のガラスで表面にオーロラのような金属加工が施されているビーズです。ダークなのにクリアで、控えめなきらきら感があり、そこが気に入っています。
そして3つおきに透明でテグスを通す線の部分が金色(銀色)で塗装されたビーズを使用しています。直径はメインのビーズと同じですが、縦幅が小さいボタンのような形のものです。
アクセントの方にベーシックな色味のものを使うのもちょっと面白いなと考えて選びました。

長さはプチエクランエトワールで今まで出したネックレスより長めの約55cmになっています。

アジャスター最大の時

プラスでアジャスターが約10cmあります。魔女は夜に空を飛ぶイメージがあったためその先には小さな星をつけています。

魔法を使えたらいいなと思う時は、例えば壊れたおもちゃを直したい、枯れた花をもう一度咲かせたい、ケンカした友達と仲直りしたい、など「今よりいい未来」を願っていることが多いと考えます。
涙型のクリスタルをタロットの逆位置のように逆さにすることで、「悲しい」の反対になるようにとちょっぴりおまじないのようなことをしてみました。

試作がてらの自分用はゴールドのセットにしました。空を飛ぶ魔法と光を操る魔法が使えたらいいな(写真撮影上手くなりたい)、それからもうちょっと社交的になりたいなと思い、「明るい」を一番感じるこの色を選びました。

ジェムジェム唱えながらデザイン・製作をしたのが楽しかったのでいつか次はwitchじゃないgemのアイテムを作ってもみたいなと考えています。

今回も読んでくださってありがとうございました。

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