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よいペットフードかどうかは原材料をみてもわからない⁉ 個体差編
(前回からのつづき)
お寿司とペットフードの原材料の共通点
前回(第7回)では、お寿司を引き合いにして、お寿司とペットフードの原材料には、以下の3つの共通点があることをお話しました。
(前回の講座はこちら)
お品書き・原材料の名前だけを見ても品質がよいかどうかわからない
個人差・個体差があるため、同じものを食べても同じ結果にならない
上の1.2.があるため、自分の好みに合うかどうか、ねこさん・わんちゃんの体に合うかはどうかは、結局、本人が食べてみないとわからない
そして前回は、「よいペットフードかどうは原材料をみてもわからない」ことの理由として、3つの共通点のうち、食べられる側(がわ)、つまりフードの原材料の側から、名前だけを見ても品質がよいかどうかわからないことを解説しました。
それに引き続いて今回は、3つの共通点のうち、食べる側、つまり個人差・個体差について解説します。
個体差とは 遺伝子とは
個体差とは、それぞれの個体が持つ遺伝子の違いや環境の影響などによってあらわれた、同じ種であっても、他の個体とは区別される特徴をいいます。
「遺伝子」の違いによって個体差がうまれるということは何となくご存知だと思います。では、遺伝子が違うことで、具体的には何が違ってくるのでしょう。それを知るにはまず、遺伝子とは何なのかを知っておく必要があります。一言でいうと、遺伝子とは「タンパク質の設計図」のことです。
遺伝子関連の用語
ただ、遺伝子関連の用語は少々ややこしいので、基本的な用語をいちど整理しておきます。下の図の番号に沿って解説していきます。
![](https://assets.st-note.com/img/1685107845466-Lwy046seFh.jpg?width=800)
生物の細胞には「①核」があり、核の中には「②染色体」が入っています。染色体の数は生物種によって決まっています。染色体は「③DNA」が何重にも折りたたまれたものだと思ってください。
DNAはとても長い梯子(はしご)がねじれたような構造をしています。梯子の横木にあたる部分は真ん中でくっついたり離れたりできるようになっていて、普段はくっついています。それが細胞分裂をするときは真ん中で離れて、それぞれが新しいペアをつくることで、同じDNAが2つできあがります(DNAの複製)。
DNAの一部が「④遺伝子」で、遺伝子の情報をもとに「⑤タンパク質」が作られます。遺伝子の情報をもとにタンパク質が作られることを「遺伝子の発現(はつげん)」と言います。
「DNA=遺伝子」とだと思っている人もいるかもしれませんが、そうではありません。DNAの一部の「タンパク質の設計図」になっている部分が遺伝子です。ヒトのDNAや遺伝子は研究が進んでいて、DNAのうち遺伝子にあたる部分は、DNA全体のわずか2%くらいであることが分かっています。遺伝子ではない、DNAの残りの98%がどのような働きをしているか、まだよく分からないことも多いのですが、少なくともその一部は遺伝子の発現を調整しているのだそうです。
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