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セカコイ

「今夜、世界からこの恋が消えても」
通称、「セカコイ」と言われるこの映画。

映画チケットが1000円でゲットできたので
上映されてるものの中から良さそうなタイトル
ということで特別に期待してなかったけど
その場でセカコイを選んで映画鑑賞してきた。

夏の日差しも過ぎ去り台風が過ぎた季節の
変わり目にこの映画を見れたことは私にとって
意味あるサインと捉えた。

映画は高校生活の話で、主人公神谷は友達が
いじめを受けていることを知りイジメグループ
に友達のいじめを止めるようお願いをする。
いじめを止める代わりにある女の子に告白する
のが条件となり、神谷はヒロインの日野に告白
をする。振られると思ってた神谷だが、日野は
告白をOKし、ここから神谷と日野は付き合う
ことに。彼らは高校生活を楽しむのだが…

といった序盤はどこにでもある恋愛映画かーと
思ってたのだが、徐々に物語は面白くなる。

ヒロインの日野は前に交通事故で記憶喪失を
抱えており、1日過ごして寝ると昨日の記憶を
忘れてしまう女性だった。

毎朝記憶を忘れているため部屋には記憶喪失者
であることと、毎日記録している日記やメモを
読み込み自分が高校生で神谷と付き合っている
ことを朝から脳みそに叩き込むのだ。

そんな日野を唯一理解して記憶喪失をフォロー
してくれる友達が綿矢という少女。

日野が毎日記憶喪失という絶望から高校生活を
難なく過ごせるようにフォローする綿矢はこの
映画の影の主人公と言える。

神谷と日野は毎日を楽しく過ごす、綿矢は日野
をフォローしてあげる。そして神谷も日野が
記憶喪失していることに気づく。いつしか日野
を綿矢と神谷でフォローしてあげるようになった。

神谷と日野はホントにいいカップルだったし、
この展開は記憶喪失が戻ってハッピーエンドも
あるかと想像していたら神谷が突然死を迎える。

もともと体が病弱で母親は心臓の病気で亡くな
っていた。神谷は綿矢に相談していて、
「僕が死んだら日野の記憶から消してくれ」

これはどういうことかというと、日野が神谷と
付き合ってることは毎朝記憶を読み込む日記が
ないと思い出すことができない。つまり、日野
の日記から神谷の内容を消すことで日野が神谷
の存在を忘れることができるのだ。

日野が悲しまないように。神谷が死んでも日野
は神谷とは赤の他人だったということにする。

儚くて切なくてそれでも綿矢は日野の毎日と
神谷の思いを受け止め日記を書き換えてしまう。

日野は大事な人との毎日を忘れ、神谷の死を
嘆くことはなくなり、綿矢との友達の日々を
楽しく過ごし、綿矢はその日々を受け入れる。
神谷の思いを背負って。

しかし日野は子供の頃から好きだった絵を描く
ことで神谷と付き合ってと当時書いた似顔絵を
体に残った記憶で神谷の絵を描くようになる。

手続き記憶。これがこの映画のキーポイント。
脳みそで覚えてることと体で覚えてることとは
種類が違くて体で覚えてることは長期記憶に
なるらしい。絵を描くことは昔から手を動かし
覚えたことで日野は付き合ってたときの神谷の
似顔絵を体で思い出したということになる。

綿矢は日野に日記を書き換えたことを告げる。
日野は神谷と綿矢の思いを理解する。

私はこの映画で教わった大事なことは記憶は
脳みそじゃなくて身体で覚えてることの方が
自分のものになるということ。

人生は断片的じゃない。脳みそで覚えたことは
いずれ忘れてしまうもので、断片的なのかもと
気づいたわけです、はい。

体を動かしたその時に記憶される色んなことは
自分にとってのアイデンティティのようなもの
に変わっていく。きっと何か自分の大切なもの
になる。

綿矢は日野と神谷という特別な存在を大事な人
として決して見捨てない人間力が素敵だなと
思ったし、こういう愛に溢れてる人間に愛され
て生きていけるように自分も人間力を磨いて
いかなければ。

でも日野や神谷のように儚い一瞬を生きる姿は
力強く健康的に過ごすことが幸せだという一般
てきな価値観を変えてくれた。幸せなんて一つ
の形には定義できないということ。

幸せに溢れて生きてくってこの映画だと毎日を
どこまで過去を振り返って今を楽しんで未来に
希望をいだけるかなのかなと思わされた。

「セカコイ」。いい映画でした✨

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