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【ネタバレあり】ON THE ROAD 2023 宮城1日目ライブレポート


【注意】

  • このレポートでは、曲名、セットリスト、演出等のネタバレがあります。

  • 参加されていない方で、何も知らずに楽しみたい方は、そっとお戻り下さい。特に今回は事前に情報を入れない方が絶対楽しめると思います。

  • このレポートは筆者の記憶が全てです。あくまでこんな感じだった程度に捉えていただければと思います。

  • このレポートを書くにあたって、主催者・運営側から禁止されている通り、公演・会場内の撮影・録画・録音等は一切していないことを、ここに宣言します。

  • なお今回宮城公演の1日目と2日目に参加しました。可能な限り別々で分けて書きますが、たぶん1日目と2日目がごちゃごちゃになると思います。

    ネタバレのない感想と、開場するまでを書いたのはこちらなので、まだ参加されてないけど空気は触れたいという方は、良ければ是非。

    両日合わせた「ネタバレなし」の感想等はこちら

2日目のレポ(ネタバレあり)はこちら

なお2日目は簡易的なミニライブレポです。


SHOGO HAMADA ON THE ROAD 2023
Welcome back to The Rock Show 
youth in the ”JUKEBOX”

2023年11月18日(土) 宮城セキスイハイムスーパーアリーナ

※なお今回都合により、イラスト等書いている時間がないため、簡素な内容となります。

浜田省吾アリーナツアーが開催されるのは、2016年以来となる。

会場となる宮城セキスイハイムスーパーアリーナには、8000人近くのオーディエンスが詰めかけている。

昨年のホールツアー「ON THE ROAD 2022 Welcome back to The Rock Show “EVE”」に続いて、“Welcome back ”シリーズとでも呼べばいいか、その延長線上にあるのがツアータイトルから読み取れる。

今回のコンセプトは「JUKEBOX」。
コインを入れボタンを押すと、中にセットされてあるレコードが音を奏でる・・・

そんなJUKEBOXがどんな「Rock Show」を奏でてくれるのか・・・
期待と高揚が会場内を満たしてゆく。

ON THE ROAD 2023 オフィシャルサイトより
この文字とかJUKEBOXの中身とかのライティングが徐々に変わっていく、粋な演出が。

また入場して開場を見渡すと気がつく。
アリーナ中央近くに、黒幕で覆われたスペースが。

2011年のアリーナツアー「ON THE ROAD 2011 The Last Weekend」以来、前回のアリーナツアー「ON THE ROAD 2016 Journey of a Songwriter since 1976」では設けられることのなかったセンターステージが復活している

前回のアリーナツアーの完成度は凄いものではあったが、メインステージと距離のある観客にとっては寂しいものがあったのは事実だ(前回私はそうだった)。

しかしセンターステージがあるだけで、楽しいロックショーの予感をもうひしひしと感じるのであった。

場内では、客入れBGMで「The Moonlight Cats Radio Show Vol.1」と「Vol.2」の曲たち、「ROAD OUT "TRACKS"」より「IN THE STILL OF THE NIGHT ~ MAYBE」がランダムで流れている。

先日発売された「The Moonlight Cats Radio Show Vol.3」は流れていないのだが・・・?

この宮城1日目。私はA席で当選し、下手側スタンド席の中央。ちょうどセンターステージと近くなるあたりという、ステージ全体を見渡せるかつ距離がそこまで遠くならないという、良席と呼べるところであった。

下で言うところのFでした

画像引用:グランディ21公式サイトより
(https://www.mspf.jp/grande21/index.php?action=sisetu_shoukai_arena)
2023年11月21日閲覧



16時55分頃。
「まもなく開園いたします。お早めにご自分の席にお着きください」
観客が「ロックショーの気配」に気がつき、拍手が大きくなる。
場内にかかっていた猫ラジオの曲たちが静まり、「ROAD OUT TRACKS」に収録されている「A Place In The Sun」が会場に流れる。大きな期待に満たされた手拍子が響き渡る。
最後の「In The Sun~♪」で会場内の拍手と歓声は最高潮へ。
またマスク・声出し制限が設けられていない今回の公演、久しぶりに省吾コールや口笛などが、客席からたくさん湧き出てくる。
久しぶりに、本当に久しぶりに、ライブが帰ってきた。

場内の照明が落とされる。


スクリーンに映されていたJUKEBOXの背景が、バーかどこかのものに変わってゆく。レンガ調の壁には、ツアータイトルがプリントされている。

アメリカのバーのような建物内に、1人の子供がやっている。コインを入れてボタンを押すと、JUKEBOXが動き出してレコードがセットされる。針が落とされ会場内にあの曲が響く。

00:初恋(Short Version)


2005年発売「MY FIRST LOVE」から。

歌詞に出てくるアーティスト名や曲名もJUKEBOXにはあるようで、歌詞に合わせてカメラのピントが合ってゆく。

 「I Wanna Hold Your Hand」「Please Please Me」・・・
 「Bob Dylan」「The Beach Boys」・・・

椅子に座ってそれを聞く子供の元に、旅人のような女性がやって来て、子供の隣に座る。子供に「MY FIRST LOVE」のジャケットを見せて、「これはこの曲だよ~」みたいな感じに話している。

そんなスクリーンの映像に目を奪われていると、ステージにバンドメンバーが登場する。場内は手拍子や拍手とともに彼らを迎える。

そしてメンバーが配置についたとき、浜田省吾登場。大きな拍手でそれを迎え入れる・・・!

スクリーンの2人は、ギターを肩にかけて、JUKEBOXの前で
ギターをかき鳴らして歌い出す・・・

省吾はギターを抱え、マイクスタンドに近づく。

「Are you ready !?」
会場内が全員拳をあげて「いえー」と叫ぶ
「OK! Let’s go!!」

そして町支さんのエレキギターが、あの曲のカッティングを始める・・・!

01:愛の世代の前に

1981年にリリースされた「愛の世代の前に」。印象的なそのフレーズが爆音で場内に響き渡り、観客の興奮は最高潮へ!
そして最初の「Wow wow!」の瞬間、ステージ後方から煙り玉が炸裂して、巨大スクリーンにはピカソのゲルニカが映される。

画像引用:作品解説「ゲルニカ」 西洋絵画美術館公式サイトより(https://artmuseum.jpn.org/mu_gelunica.html)
2023年11月20日閲覧

キュビズムの創始者として知られるパブロ・ピカソの代表作のひとつ「ゲルニカ」。1937年、内戦状態だったスペインにあるゲルニカという町に、ナチス・ドイツ軍が無差別爆撃攻撃を行った。大勢の一般人が巻き込まれた悲惨な状況を描いたとされるこの作品は、「反戦のシンボル」として有名である。
浜田省吾楽曲の中で政治性を含有するものを「硬質な祈りの歌」と彼は表現しているが、その代表曲ともいえる「愛の世代の前に」が1曲目にあること。そしてこのゲルニカが映し出される意味とは。
2022年から続くロシア・ウクライナ戦争、そしてガザ地区での悲惨な現状に対するメッセージだと私は受け取った。

直近では昨年の年始に開催された武道館公演以来。アレンジ等に特に変化もなかったように思う。ライブが始まったという高揚感と、現実に対するメッセージを受け取りながら、拳をあげた。

怒濤のロックショー開幕の火蓋が切り落とされ、続いて小田原さんのドラムがリズミカルに会場を揺らす。
「やあ!ON THE ROAD 2023にようこそ!」
そして省吾は持っていたギターでカッティングを始める。

このフレーズ、どこかで聞いたような・・・?
そうか、あれだ!
でも今日このセットリストに組み込むのか・・・!!

そんなふうに驚いていたら、省吾がカウントを始める。
「1・2 !! 1・2・3 !!」

02:壁に向かって

完全に予想外の選曲。
この曲は昨年の武道館公演にてオープニングを飾った曲であり、いわば武道館公演の象徴みたいなものだったので、今回も組み込むとは思っていなかった。
映像作品として残された2022武道館バージョンよりも若干短く、オリジナルと同じで、2番が終わった後にアウトロへいく構成だった。

これを書いてるときにふと思ったこと
ボーカルの竹内さんがカウベル叩いてたか見るの忘れたっ!!

03:HELLO ROCK & ROLL CITY

「Hello!宮城!仙台 city !!」
続いて安定感のあるこの曲へ。
昨年のホールツアーの様子を記録した、発売されたばかりの映像作品「ON THE ROAD 2022」と全く変わらないアレンジ。

ファンクラブ会報の内容なのでぼかしますが、昨年のホールツアー中のリハーサルで、この曲のアレンジを変えてみるようなやりとりがありました。なので注目して聴いていましたが、特段変わったところはなかったです。ちょっと残念。

さて。このセキスイハイムスーパーアリーナでこの曲をやると毎回話題になるのは、「Hello! ○○ City !!」をどう歌うのかというところ。
というのもこのセキスイハイムスーパーアリーナがあるのは仙台市ではなく、少し離れた利府町というところ。なので「仙台 City !!」と歌うのか、「利府 Town !!」なのか、もしくは・・・!?みたいなくだりを毎回やっています。(後にこの日のMCでも出てきます)
一応記録があるもので2011年(正確には2012年)では「みちのく City !!」「東北6県ロール City !!」、2016年では「仙台 City !!」「利府 Town !!」だったようです。

そしてこの2023年では・・・

「Hello!仙台 City~~~~!!」

――割り切られました(笑)

確かこの辺りで省吾が一瞬歌うのに詰まったシーンがありました。
2日続けて参加したのですが、1日目は少しそんな場面があり、2日目は凄くのびのび声が出ていましたね。詰まったといっても、70歳の歌声とは思えないものでしたが。

演奏終盤、歓声と拍手の中、続けていきなり
ジャッジャッジャッッ!!
・・・とあのフレーズが。

04:BIG BOY BLUES

個人的に今回のアリーナで聴きたかった曲のひとつだったので、前奏を聴いた途端に跳ねてしまった。
また近年のライブでは、曲と曲のつなぎ目をしっかりと閉じて演奏を終え、暗転するということが多かった。メンバーの体力的に続けて演奏するよりもそっちの方がいいのかな?と思っていたが、この曲では疾走感そのままに3曲目から4曲目へと繋がっていて、驚きとか嬉しさとか色々な感情が出てくる。
この曲はとにかくコーラス隊もよかった。
「愛し~て~ 泣いてらぁ~~!!」のとことか。

ちなみになんですが、私が浜田さんのライブを見るときに、「発売されてる映像やオリジナルの音源と、どんな風にアレンジが違うんだろう」という点を結構意識して楽しんでいます。だから近年新しく入ったコーラス隊とかホーン隊のフレーズばかりが耳に残ります。みなさんはどんな点に注目して、ライブを楽しんでますか?


怒濤のロックショーが一段落して、暗転。
割れんばかりの拍手と歓声の中、省吾にスポットライトが当たる。

「やあ!今日は来てくれてどうもありがとう!」

「アリーナでコンサートをやるのは2016年以来なので、このセキスイハイムスーパーアリーナで演奏するのは、なんと7年ぶりになります」

「それもコロナのパンデミックのブランクがあったにも関わらす、こんなにたくさんの皆さんに集まっていただき、本当に嬉しく思っています。どうもありがとう!」

「最近私のコンサートに来てくださっている方はご存知でしょうが、今日も前半と後半の二部構成で、途中に休憩時間を挟みます。そしてちょっと今日はとても長いステージに、もうほとんどイベントに近い状態になります」

ここでたくさんの拍手と歓声が湧く。

「なのでそれぞれ自分自身の体調を確認しながら、本当に自由に楽しんでもらえたらと思います。」
「いい時間に、いい夜にしたいと思います。最後までどうかよろしく!」

05:いつかもうすぐ

そうしてステージ上が初夏のようなグリーンの照明に変化する。
まさかこの曲も聴けるとはっ!!という驚き。

でも後々種明かしがありますが、今回は本当にこんな驚きを毎回感じていました。
直近の演奏は2018年のファンクラブツアーでしたが、その際は弾き語りだったので、バンドでの演奏はかなり久しぶりなのかな。福田さんがアコーディオン的なやつを弾いていたのを覚えています。

続けてブルーの照明の中、ピアノの河内さんが素敵な音色を響かせる。
その中再び省吾にスポットが当たる。

「立っている方はどうぞ腰をかけてください」
促されて座る観客に聞こえないように、
「――ああ、助かった・・・(ボソッ)」
と呟き、笑いがおこる。
「改めて今日は来てくれてありがとう!」
「・・・なのですが、今日はここで皆さんにインフォメーションがあります(笑)」
「このセキスイハイムスーパーアリーナ、暖房が入るのが来週
(日にち言ってたんですが忘れちゃいました)からなのです!なので今日はちょっと会場が寒くても、送風しか出ません(笑)」
場内爆笑。
「なのでちょっと寒いなってときは、こんなバラードの時でも、立って踊って、体を温めてください(笑)」

片手にマイクを持った省吾は、ぽつぽつと語り始める。

「さて。よく日常で書類を提出するときに、職業欄がありますよね。俺は最近そこに『ソングライター』と記入してるんだけど。」

「それでよくあることですが、自分の過去を振り返ったときに、俺ってすごい口下手なので、とっさに言葉が出てきません。すごく色んなことを瞬時にテキパキ言える人もいるけど、俺には無理で。何か言わなきゃという場面で、上手く言葉が出てこず、こうしていればよかったなあ、あんな風に言えば良かったなあ、と思い出すことがあります。そんなときはノートとか、葉書とか手紙に書いたりするんだけど。」

「そんなとき、さっきのソングライターの話に戻るけど、そのソングライターという仕事を見たとき、ふと思うわけ。『ああ、俺って上手く言葉が出てこない人のために手紙を書く、代筆のようなことをしているんだろうな』と。」

「例えばここに、辛く報われない恋をしている女性がいて、その傍には口下手で上手く気持ちを口にできない男性がいる。そんな男がある日、身がくだけ散ることを覚悟のうえで、彼女にプロポーズなり気持ちを伝えて、そして2人は結ばれる・・・」
「辛い思いをしている女性の側で、幸せにしてあげたいという思いでいる男性」
「そんなで未来であったらいいなと思って、この歌を書きました」

06:もうひとつの土曜日

そうして始まった名曲。
とても素敵なMCのあとに聴くと、よりいっそうロマンチックに聞こえる。

この曲ではなんとボーカルの竹内さんがピアノを弾いてる!!
初めて見る光景なので凄いワクワクしました(バラードの曲の感情じゃない)

【以下、個人的に思ったことなのでお気になさらず】
ところで最後の
「受け取ってほしい この指輪を 受け取ってほしい この心を」
の歌い方が、この1日目はなんか少し強めでした。
「うけとってぇ ほしいぃ~」がオリジナルも歌い方で、この日は
「うけとってっっ ほしいっ・・・」
良いように書けば「感情が出ていた」、悪いように書けば「ちょっと想いを押しつけてるような・・・(笑)」

2日目に注意して聴いてたら、元の柔らかい感じの歌い方に戻っていたのでいいのですが。
歌い方ひとつで印象ががらりと変わるなあという発見でした。

07:愛しい人へ

続けてこちらはあまり演奏されることのないレア曲。
スクリーンの背景は星空になっていて、その中に省吾やメンバーがアップで映る感じ。

なんといってもこの曲は、最後の古村さんのサックスソロがしびれるほどかっこよかった。なんというか情熱的で、ジャズっぽさもあって・・・ああもう一回ききたいなあ。

情熱的な演奏に拍手が響く中、シンセサイザーの音とともに会場が再び青く染まる。その中聴き覚えのあるエレキピアノのような音が。
そしてエフェクトをかけた省吾の声がSEで響く
「DANCE !! KEEP ON DANCING !!」
会場が総立ちになり、アリーナが一気にダンスフロアに変わる・・・!

08:DANCE

2020年、コロナ渦真っ最中にニューアレンジでリリースされたシングル盤がベースになっているものの、打ち込みメインだったシングル盤とは違い、バンドで演奏されたことでまた新しい風を感じる。

ステージの照明はレインボーに、スクリーンの映像は電子世界とディスコを内包している。

個人的に今回の公演で1番キタのはこれでした。
なんかとっても楽しかったです。
「DANCE !!」
ってみんなで跳びはねながら叫ぶのが、すごくライブって感じがしました。
なんか今回のレポート、めちゃくちゃこんな感じにふわふわです。
もうとにかく楽しくて、ひたすらロックンロールに溺れてました。

09:東京

そしてこの曲もとっても意外でした。
武道館のテイクと同じでした。

スクリーンの映像には、東京のビル街、SNSの様子、オーバードーズする少女達、ワクチンと咳き込んでいる幼児・・・
ノイズまみれの省吾の様子と共に、次から次へと様々な映像が織り混ざってゆき、カオスな状態へ。
また一番最後のギターソロのところは、ものすごいレインボーにフラッシュがたかれる。2019年のFFFや武道館の時とかでも同じ演出があったけど、目がチカチカして若干「入り込む」状態に。
それとここの歌詞の中で、オリジナルだと「ディスコで恋して~」のところを、最近では「クラブで恋して~」と歌詞を変えています。今回もクラブでしたが・・・、後半のとある曲では?

10:MONEY

「MONEY MAKES ME CRAZY !!」
町支さんのギターと共に、省吾がシャウトする。

そしてこの曲ではステージ後方から特効で炎がじゃんじゃんあがってました。アリーナツアーでこんな特効使うのは初めてかも?(武道館など数日限定で演出として入れることはあったようですが)

画像は武道館レポのを再利用。今回はステージ前面からは炎は出てませんでしたね

スクリーンには主に鎖とか檻とか、そういった人間を縛り付けるものという印象で、CGアニメーションがド派手に映っていました。

途中の「愛してる 愛してる もっと もっとぉ~」
のところは、省吾はコーラス隊の2人の方を向いてみんなで歌ってました。

それから間奏のギターソロですが、長年町支さんが弾いていたパートを、なんと長田さんが担当してました!
個人的に結構大事件でした。

ツアーの定番曲ですが、何気に音源として最新が2011年で、直近だと2016年の日替わり曲だったので、聴けるのはかなり久しぶり。
コーラス隊の「マネーッ」とか「クレイゼッ」が癖になりました。

シャウトと共に
「ここで休憩です!すぐ戻ってきます!!」


メンバーと省吾がはけたステージ上のスクリーンには、前日発売された「The Moonlight Cats Radio Show Vol.3」のアルバム写真が映る。
ローマの休日を彷彿とさせる猫たちと共に、省吾のアナウンスが流れる

「J.BOY Club Studio からお送りする The Moonlight Cats Radio Show」
「今夜の1曲目は、Please Mister Postman」

10.5:【The Moonlight Cats Radio Show Special】

そうして流れ出したのは、「The Moonlight Cats Radio Show Vol.3」の楽曲達。それも撮り下ろしと思われるもので、倉庫のようなスタジオにレコーディングメンバーと一緒に合奏しているような映像だった。
これがまたとても良い映像で、メンバーも省吾も凄い楽しそうに演奏していて、休憩時間に流すのがもったいないくらい。

個人的にここでひとつ謎がとけたというか、「The Moonlight Cats Radio Show Vol.3」のアルバムの内側に、省吾やバンドメンバーが写っている写真がありますが、そこに撮影用のカメラとレールが敷かれていて、「なんかMVでも撮ったのかな? そのうちYouTubeで公開されるのかな」とか思っていて音沙汰なかったんですが、今回のツアー用だったんですね

  1. Please Mister Postman

  2. Baby It’s You

  3. Devil In Her Heart

  4. Till There was You

  5. All I've Got to Do

  6. Twist and Shout

「I Call Your Name」と「Anna(Go to Him)」はこのセトリにはありませんでした。時間の都合なのかな?

この休憩時間に、アリーナ中央にある黒幕が外されてセンターステージの準備が始まる。センターステージはアンコールでやるものという固定概念から抜け出せていない私は、「まだ第二部なのに?でもアンコール中より、ゆっくり準備できるからか~」とか思ってました。


「J.BOY Club Studio からお送りした The Moonlight Cats Radio Show」
「今夜最後の曲は、In My Life」

そんなアナウンスと共に、場内の明かりが再び落ちて、観客に拍手が。
そしてセンターステージに明かりがつき、省吾の歌う Beatles の「In My Life」が会場に響く。2022年の武道館のときのものに、シンセとかが少し入ったマイナーアレンジバージョン。
そして今回のセンターステージは、円形ではなく十字型の踊り場が中央にあり、その周りにメンバーがいるという新鮮なもの。さらにセンターステージの上部にはモニターが4面についている豪華仕様。

メンバーが再びステージの上に上がり、センターステージまで設置された花道の上を歩いて行く。そしてそれに続き省吾もセンターステージへ向かう。

メンバーのうちコーラス隊の2人とホーン隊はメインステージで、他のメンバーはセンターステージと2つに分かれてゆく。

「Are You Ready !?」
「1・2! 1・2・3・4 !!」

11:MAIN STREET

勢いのあるサックスと共に、楽しいセンターステージ1曲目が始まる。
今回のセトリには入っているだろうなと思ってたけど、実際に聴けるのは凄く嬉しい。
でもこの曲いつ以来の演奏なんだろ?もちろん聴くのは初めてです。
というかここまでが全部80年代くらいまでの曲だったので、ここからはまた新しい曲をやるのかなと思っていたんですが・・・?

「We Are Going Down ~ Down By the Mainstreet ~ 」
みんなで拳突き上げてました。
そういえば省吾はヘッドセットではなく、ハンドマイクで歌っていました

12:さよならスウィート・ホーム

続いてこちらも中々演奏されない曲!
2019年のFFFで聴いて以来、個人的にお気に入りだった曲なので、
まさかまさか今回聴けてとても嬉しかった。

オリジナルよりは結構テンポ遅めで、
最後のほうには、2019年の時にもあったコールアンドレスポンス的なシーンもありました。
ただ以前の記憶だと、
「グッバイ スウィートホ~ム  ん~ グ~ッバ~イ!!」って記憶してましたが。今回は「グッバイ スウィートホ~ム」で止まって、ホーンのソロとかが入る形になってました。
個人的には前回のコールアンドレスポンスのほうが好きだったです

13:終りなき疾走

間髪入れずに、続いておなじみの曲。
昨年の武道館公演、ホールツアーと2連続でセトリに入っていたので、今回はさすがに演奏しないだろと思っていたんですが(笑)
省吾自身お気に入りの曲なんですね~

演奏が終わり一段落して、河内さんのピアノとともに省吾が語り出す
・・・この前奏、2021年にリアレンジされた「青春の絆」じゃんって驚いてました。こんなセンターステージで演奏する曲なのかい!?

「ありがとう!」
「センターステージをやるのは2012年のとき以来なので、なんと11年ぶりです」

大きな歓声と拍手。
「2011年のツアーではあったんだけど、その時点では・・・『悲しい出来事』があったので、翌年2012年の春に開催したんだよね。久しぶりに帰ってこれて嬉しいです」
「でもこのセキスイハイムアリーナ、ここは利府町ですが、仙台から車で40分くらいかかるところにありますよね。だから、今日演奏しましたけど『HELLO ROCK & ROLL CITY』のところをどう歌うのかっていうのに、毎回悩まされるんですが・・・「仙台City」なのか「利府Townなのか」って。まあ一番近いので「仙台City」で歌いましたが・・・」

「さて、今回のツアータイトル、『青春のJUKEBOX』って意味なんだけど、俺が子供の頃JUKEBOXに凄い憧れてね。当時はスマホとかもないレコードの時代、音楽を気軽に聴けるような環境ではありませんでした。なので聴きたい曲があればレコードを買うか、ラジオで流れるのを待つかみたいな感じでした」
「だから硬貨を入れれば好きな曲を流すことのできるJUKEBOXは本当に憧れでした」

「後の時代では・・・知ってるかな? カセットウォークマン」
「知らないはずないよね(笑)だってもろ世代でしょ?」

観客、爆笑
「カセットテープが登場して、2本入れられるようになりダビングができるようになったんだよね。それで好きな曲を詰め込んだ自分だけのカセットを、・・・好きな人に送ったりしてなかった(笑)?」
ここで照れながらの拍手が飛ぶ。
「俺はそれのこと『お好みテープ』って呼んでたんだけど・・・まさかそこに俺の歌入れて渡してたって人いないよね???」
ここでまた笑いと拍手が飛ぶ
このお好みテープって言い方が、ドラえもんっぽくてかわいかったです
「・・・駄目だよそれじゃ(笑)上手くいくはずがない・・・」

「そんなお好みテープは、今で言うところのプレイリストだよね」
「・・・あれ、プレイリストってご存知ですか?」

爆笑。
「私のコンサートは本当に年齢の幅が広いので・・・。プレイリストを知ってる人は、カセットウォークマンを知らないし。カセットウォークマンを知っている人は、プレイリストとかサブスクとか『なにそれ?』って感じだし・・・」
「気使うわ~~(笑)」

なんかここら辺のMCが凄いリラックスした感じで喋っていて、今日はごきげんだなと思いながら聴いてました(2日目に参加したらMCがほとんど同じだったので、そんなことはありませんでしたが・・・)
「まあそんなプレイリスト、JUKEBOXですけれども。今日のコンサートではそんなJUKEBOXにコインを入れたように、今日歌う曲があなたのプレイリストに、JUKEBOXに入っていたら良いなと思います」
ここで大きな拍手に包まれる
「次の曲は、1976年ファーストアルバム『生まれたところを遠く離れてからです』・・・」

そうして伴奏がそのままシームレスに、演奏に繋がっていく
「Wow wow ~ 」とハミングしながら歌い出す省吾。

14:青春の絆

今日のライブは完全に予想外のことばかりでしたが、
このセンターステージでこの曲を歌うなんて驚きでしかありませんでした。
2021年のリアレンジ盤をベースにしてますが、全体的な音数はそれよりも少ない感じ。たぶんシンセとかが弱いのかな?
省吾はのびのびと歌っていて、転調して「行かないで」へと繋がってゆく。

曲が終わり暗転してる中、スポットが当たり省吾がマイクに近づいて話そうとすると、遠くから「省吾さーーーん」の声。
すると「はーーーーい」と返事する省吾。
そして再び話し始めようとすると
今度は様々なところから「省吾さーーーん」の声・・・
最初は何回か「はーーーーい」って言ってくれてたんだけど、
十数秒くらいそれが続くものだから・・・(笑)
省吾もしゃべり出しづらそうな瞬間が続く。
なんかここら辺は、オーディエンスが少し心にとめておいた方がいいかもとは思いました。進行を邪魔しちゃうような声かけは控えておきましょう。

「ありがとう!」
「今日皆さんはどこから来たんだろ?」
と、ここで東北それぞれの名前を呼んでいく。
宮城が多めで、青森が少なめ。
他が結構同じくらいだったかな?
「色んなところからお越しくださり、ありがとうございます」
「先程も言った通り、センターステージに戻るのは11年ぶりです」
「2012年。あの頃、町支くんはまだ50代・・・いや60代なったのか(笑)そして俺もか」

「そして2012年春は、ピアノの河内くんがメンバーに入ってくれたんだよね。彼が一番最初に俺のツアーに参加してくれたのが、このセキスイハイムスーパーアリーナでした!」
ここで河内さんにスポットが当たり、観客は全員拍手する。河内さんが照れながら立ち上がり手を振る。
「あの時は河内くんが最年少だったのにね・・・あれからもう11年か・・・」
「ということは皆さんも・・・(苦笑)」
「どうだろ、アレ・・・やってみる??」
会場内に拍手がまばらに湧く
「これをやり始めたのは、さらに昔2001年のセンターステージだったんだけど、その時の映像でこんなこと言ってるんだよね。『これからセンターステージをやっていくとき何年・何十年経とうとやっていくからね!』って・・・(笑)」

「あの言っておくんだけど、俺は別に皆さんの年齢が知りたいわけじゃないんだよ(笑)」
「今日このセキスイハイムスーパーアリーナには、7900人ほどのお客さんが集まってくれてるんです」
ここで大きな拍手
「そのもうちょっとで8000人っていう中に、『俺は私はここにいたんだぞ!』と自分の存在をアピールしてほしいんですよ!」
「ということで、久しぶりの『年代別チェック』のお時間です(笑)」

「サクサクいきますよ~」という言葉の通り、
1日目は結構スピーディーに10歳未満から80代以上まで順番に呼んでいく。

(以下、覚えてること)

  • 10歳未満のとき、手持ち看板(?)みたいなのでアピールしてる人がいて、省吾はそれに目をとめて「あっありがと~」って言ってた

  • 2011年の際、30代が予想より少なかったという点に関して、今年も少なめなまま

  • 50代の前、それまでがどれも控えめだったので「・・・ということは次か(ボソッ)」と呟いて笑いを誘う。50代「いえーーーーーー!!」で場内が揺れる。

  • 70代の前、「では町支くんと同じ・・・オレモソウダケド(小声)・・・」

年代別チェックが終わったあと
「みんなありがとう! でもこれ10年後もやってたらどうしよ(笑)」
「『町支くんと同じ80代~~!』とかって(苦笑)」
「・・・でもそうだったらいいよね」

ここで大きな歓声と拍手。

「そんな様々な年代の方が今日ここにいらっしゃってますが。この8000人近くのみんなで、一緒に歌ってみようか!まだインフルとかあってマスク外せないけど・・・!」

15:悲しみは雪のように

2022年武道館で演奏されて以来。みんなで大合唱できました。
アリーナなのでやりそうだなとは思っていましたが、やっぱり嬉しい。

16:ラストショー

続けてこちらもON THE ROADツアー定番の曲。
みんな腕振りワイパーをしてました。

省吾は再びハンドマイクとタンバリンを持ち、楽しそうに歌う。

演奏が終わり、大きな拍手と「ここでミュージシャンを紹介します!」

16.5:In The Mood

そうして聞き覚えのあるグレン・ミラー楽団の名曲「In The Mood」が流れる。2022年ホールツアーのオープニングを飾ってましたね。レインボーに染まる照明の中、省吾が紹介を始める。
呼ばれたメンバーは手を振りながら、メインステージへの花道を渡ってゆく。

「ドラム 小田原豊!
ベース 美久月千晴!
オルガン&シンセサイザー 福田裕彦!
ピアノ 河内肇!
ギター 長田進!
サクスフォン 古村敏比古!!
ギター&ボーカル 町支寛二!

続いてメインステージ!
ボーカル&ピアノ 竹内宏美!
ボーカル 中嶋ユキノ!

トランペット 五反田靖!
トロンボーン 宮城県出身!! 半田信英!
トランペット 佐々木史郎!」

メインステージに戻ったメンバーは次々演奏に参加していって
とってもJazzyな楽しい空間が広がる。
ファンクラブ会報で佐々木さんがアレンジを担当したというのはここのことだったんですね(個人的にはオープニングに「In The Mood 2023 Version」が流れるのかなと予想してましたが、外れちゃいました)

特に今回のツアーで新しく入ったホーン隊2名の五反田さんと半田さんのプレイをしっかりと聴くのはここが初めてだったので、すごく楽しく聴くことができました。最後のトリを佐々木さんがかっこよく決めてました。

ちなみにここで、「パッ パァ~~」というコーラスが入ったことであることに気がつきました
2015~2016年のホール・アリーナツアーの様子を収録した、「ON THE ROAD 2015ー2016 Journey of a Songwriter」内には、2016年アリーナで演奏された「バックシート・ラブ」が収録されています。
その1番と2番の間奏では、オリジナルにはないホーン隊とコーラスのセッションシーンがあります。印象的なコーラスの「パッ パァ~~」があって、大好きなシーンなのですが・・・

よくよく聴けばここの間奏の部分が、丸々「In The Mood」のアレンジじゃん!!!
7年越しに省吾やバンドメンバーの遊び心に気がつきました。

省吾もメインステージに戻り、お得意のShogo Danceを披露。

演奏が終わり、ステージ全体がブルーの照明に照らされ、福田さんのオルガンが会場を揺らす。
それに続いて河内さんのピアノが闇を切り裂く。

17:ON THE ROAD

ツアー定番曲であり、象徴の曲。
やっぱりこれはかかせない。

2022年のホールツアーでは、アウトロのギターがツインギターにアレンジされていたのが、たまらなく格好よかったですが、今回も健在。

スクリーンには、ツアートラックらしきものが走っているのですが
車輪ばかり映るのでボディが見えない・・・
「ON THE ROAD」とか書いてあったのかな?

終盤、いつもならドラムソロが入るところで暗転、
流れるように会場全体に電子音が響く。

より現代のダンシングナンバーのようなテクノ調SEが入る。
スクリーンには、惑星をイメージした水玉のようなものがたくさん映し出される。
「Show Me Your Way J.BOY!!!」

18:J.BOY

そうして始まるいつものJ.BOY。
冒頭の電子音以外は、基本的に2016年から続くアレンジだったと思う。

そしてスクリーンには・・・なんとも形容しがたい
前衛的アート映像作品が映し出される。

灰色にぐるぐるまわる地球と、その周りに目・鼻・口・・・
水玉の惑星が周りを回り、人が歩いて行く・・・

今までの浜田省吾ツアーではあまり見たことのない系統の演出だったので、
正直1日目はちょっと違和感しかなかったのですが、2日目では色々咀嚼しながら楽しめました。(以下、個人的な思考整理)

明らかに宇宙を意識してる演出なのは理解できました。

この曲が作られた当時、曲の主人公達は、地球上にいて社会で身を砕きながら生きている、生活の見える人間です。仕事終わりのサラリーマンがネクタイをほどき、叫びたくなる衝動をとらえ、彼女をベッドに残しバイクで走り出す・・・。曲の視点をカメラの位置として表すなら、主人公達と同じ高さかちょっと上くらいにカメラの位置がある感じでしょうか。

それを2023年にステージ上では、宇宙規模に拡大して、今までよりも、より俯瞰して見ているような演出とステージになっていたと思います。カメラの位置では、ドローンとかを通り越して、ハップル宇宙望遠鏡を使っているような・・・
言い方を変えれば、「2023年ではより『俯瞰してみなければならない』」曲なのかなと。

1曲目「愛の世代の前に」のゲルニカとも繋がる部分があるようにも感じました。各地での戦争や世界情勢の変化、社会内で底が見えなくなるほど湧き上がってくる問題。個々の意見、耳・目・鼻・口
そんなカオス的な存在の中にある地球、曲の中身はサラリーマンの衝動のようなものだけど、それをもっともっと俯瞰して見てみると、今の地球上でおきていることがどれだけ小さなものなのかということに気がつきます。
これだけ広い宇宙の中にある小さな星に住んでいる、ちっぽけな人間のなかに、戦争や人種問題、格差や捻れた思い、日常に潜む虚無感がある。
そんな現状に対する嘆きを込めた、問いかけをしているのではないでしょうか。

「Show Me Your Way J.BOY」

これまで歌詞も変わらず、長年J.BOYは歌い続けています。浜田省吾ツアーでは必ず歌う曲として、しっかりと「歌わなければならない」ものになっていると思います。そんなJ.BOYだからこそ、そんな問いかけを演出としてのせることができたのではないでしょうか?

まあ全然違う気もしますが・・・


大きな盛り上がりの中、これで本編終わりかなと思っていたら、再びまぶしいフラッシュとドラムが・・・!

え!?まだロックショー続くの!?

19:明日なき世代

そうして始まった明日なき世代・・・!
とにかく曲の内容とは裏腹に開放的なロックナンバー。
あんなJ.BOYの大曲の後にこれを持ってくるとは・・・完全に予想外。

長らくステージでは歌われていませんでしたが、2019年に復活して以来、2022年武道館でも演奏されています。ひょっとしたらこれからは定番に戻ってくる曲かもしれませんね

こちらも武道館レポのを再利用。このときはまだみんな声出し禁止でした

最後の「Wow wow~」の大合唱が、アリーナ全員の叫び声で凄かった・・・!
今思い出しても鳥肌が立つ。
武道館のテイクよりもかなり長く叫んでいたと思う。
何回も、もう喉が痛いよってくらいまで続けていて楽しかった。

怒濤のロックショー(この表現何回目だ)が終わり、
大歓声の中静かにピアノが鳴り響く。

「ありがとう」
「ここ数年、自分の中のテーマで『ソングライターの旅』というものがあります。その人生の旅の終わりがどこになるのか、そしてその旅路の終わりのときに、自分がどうなっているのかということについて考えるんですけれども」
「最近思うのは、『自分を0(ゼロ)にする』ってことなんじゃないかなと」
「全てにおいて、自分の中のあらゆるもののバランスをとって、ゼロにしてゆく・・・そんなところを目指した旅なのかなと思います」

「でも今はまだ全然、自分がゼロに達しているわけではないので、もう少し・・・この旅を続けようかなと、思っています」
ここで今日一番といってもいい大きな歓声と拍手。
嬉しいですね。本当に。
この言葉は色んな受け取りかたができますが、「まだ旅は終わらない」「音楽を続ける」と受け取りました。
「でもこの旅は1人じゃ寂しいしので、ここにいるバンドメンバーや今日集まってくれた皆さんと一緒に、旅を続けて行けたら、嬉しいです」
「今夜はどうもありがとう!」

20:家路

河内さんのピアノが、おなじみの名曲を奏でる。

巨大なスクリーンには、三日月から始まり、朝明けのビル街が映る。ステージ上にはメンバーのための最小限の明かりしか灯っていない。

ここの演出が一番お洒落で素敵でした。

最後には今回のメインビジュアルでもある、
フランスのノルマンディーで撮影された崖の様子が映る。
ドローンで撮影された大迫力の映像。

ここはもう曲の持つ荘厳さと演出がとてもよく合っていたシーンだと思います。

演奏が終わり、省吾とメンバーは手を振りながらステージを降りる。


場内はアンコールの手拍子を始める。
ずっと立ちっぱなしだったので、ほとんどみんな座りながらアンコールを求める。

ステージ上が再び照らされ、メンバーが再登場する。
それぞれ持ち場につき、福田さんが手拍子で客席を煽る。

帽子を被った省吾も再登場。

「アンコールどうもありがとう!」
「気がついた方もいらっしゃるかも知れませんが・・・今日のセットリストは、1976年『生まれたところを遠く離れて』から1986年『J.BOY』までの10年間に作った曲のみで、セットリストを組んでみました・・・!」

このMCに大きな拍手が湧く
「今日の会場の多くを占める50代くらいが、40年前・・・、10代20代の青春時代に聞いていた曲だと思います。今日演奏した曲があなたの青春のJUKEBOXの中に入っていたら嬉しいです」
「そして今日ここにいる若い世代、・・・俺にとっては40歳以下は若い世代なんだけど(笑)、若い皆さんは今日演奏した曲が、これからのあなたの青春プレイリストに入ってくれたら嬉しいです」

「次の曲は1986年『J.BOY』の中からです・・・」

21:SWEET LITTLE DARLIN`

静かに始まったバラード曲。個人的に聴きたい曲の一つで嬉しい・・・!

スクリーンのアニメーションでは
チョークで書いたような花びらが、風に乗って飛んでゆく・・・
そしてロケット(ペンダント)のなかに大切にしまわれる・・・

このときのアニメーションが、ずっと映っているのではなく、
省吾が歌っている間は消えていて、間奏やアウトロになるとまた映りはじめるという形で、歌を邪魔しないような演出になってました。

静かな演奏が終わった後、いきなり大音量でカラフルな演奏が始まる。

誰だ!?
JUKEBOXが奏でるバラードの直後に、コインを入れてロックンロールのボタンを押したのは!?

「Are You Ready!?」
「ROCK & ROLL !!!!!!」

ノースリーブのシャツを着た省吾が叫ぶ・・・
リズミカルにドラムが鳴り、ホーンがうなってゆく・・・!!!!
「Wow wow ~ 今夜は ごきげん~~」

22:THE LITTLE ROCKER`S MEDLEY
(今夜はごきげん~HIGH SCOOL ROCK’N’ROLL~あばずれセブンティーン)

「今夜はごきげん」か!!いいね!!大好き!!と思っていたら、
1番から2番へ行かず、「750CC 高速とばして~」という繋がりで、あ!!!!!!!「THE LITTLE ROCKER`S MEDLEY」って跳びはねてしまった。

このメドレーを2023年にやってくれる衝撃、ロックショーとはいえアンコールにこれを持ってくる驚きに揺れながら、圧巻のステージに心を奪われる。

「HIGH SCOOL ROCK’N’ROLL」中、町支さんがリズムに合わせて(チャ~ララッ のとこ)、ジャンプして省吾や美久月さんのほうに近づく姿が印象的だった。

それと歌詞のなかで「毎日ディスコか女か くだらねえ喧嘩」という一説があります。
この曲は2022年武道館でリアレンジされましたが、そこでは
「ディスコ」「クラブ」に言い換えてました。
ところが2023年では、再び「ディスコ」に戻してました。
それ自体は別にいいのですが、

先程の「東京」もオリジナルでは「ディスコ」で、今回は「クラブ」・・・
ここではオリジナル「ディスコ」で、今回も「ディスコ」・・・

なぜ使い分けてるんでしょうか?謎です

「あばずれセブンティーン」の直前、MCが入る

「このロックメドレーをやっていたのは1980年頃。当時よくこんなことをMCで言っていた・・・」
「『今日ティーンエイジャーはいるかい?俺が10代の頃こんな言葉が流行っていた・・・。Don't trust over 30! 30歳以上のやつらを信用するな、ってことなんだけど。ところが俺もとうとう30になってしまった・・・でもステージの上でロックンロールやってるときは今も変わらずティーンエイジャーだっ! オーイエ~~~!!』」
「・・・なんて言ってたのがもう40年前(笑)」

場内爆笑

「それで俺は今夜自分に問いかけたいわけ・・・」
「70歳になった今でも、ロックンロールやってるときは、変わらずティーンエイジャーなのかって・・・どうなんだ~?」

そう言い町支さんのほうを見る
「どう思う町支・・・?」
町支さん、腕を組み顔をしかめる「どうなんだ~~」

「・・・答えは――OHHHH YEAH!!!!!!!!!!!!」
「♪ ラジオで聴くのはRock'n'roll ~!!」・・・


そうして「あばずれセブンティーン」も走り出す。
もうこのメドレーが最高・・・!

最後には「OH YEAH!」のコールアンドレスポンス。
途中でメンバーそれぞれのソロだったりがてんこ盛り。

コーラス隊は、それまでのリズムを取るような動きではなく、もう完全に踊っている・・・!!

シングル盤と同じように、終わると見せかけて何度もしつこいくらいリフレインを繰りかえすところまで再現!

「Welcome back to the Rock Show!!」
「Thank You !!!!」


長いステージでくたくたの状態でしたが、ここでとどめを刺された感じです。疲れたあ・・・


2度目のアンコールに応えてステージの戻る省吾とメンバー。

一列に並びお辞儀する。
観客は最上級のロックショーに、最上の敬意を込めて拍手と歓声を送る。

「今夜はどうもありがとう・・・!」

23:君が人生の時・・・

そうして始まったのがこの曲。
多分今回の締めはこの曲だろうなと思っていましたが、青春のJUKEBOXのプレイリストを飾る、いい存在の曲だと再発見。

スクリーンには1988年の渚園の様子が映る。
今年春公開されたライブムービー「A PLACE IN THE SUN at 渚園 Summer of 1988」のエンドロールだったこの曲が最後にあることで、これまでの2023年までの流れに一区切りついた感じがしました
(ちなみにこの映画なんですが、私は凄く忙しい時期に上映期間が重なっていて、結局見に行けなかったんですよね・・・はやくDVDを・・・!!)

途中には現在の省吾の歌う姿が、セピア調のフィルタを通した映像で映し出される。過去と現在、その中でその時々の『人生の時』を重ねながら、再び未来に向かってゆく・・・

そんな想いをはせながら、静かに壮大に、演奏が終わる。
大きな拍手と歓声に包まれた会場を満足そうに見渡し、省吾は手を振りながらステージを降りる。
そしてバンドメンバーもそれに続く・・・

楽しいJUKEBOXの電源が落ちていく。

写真:内藤順司
出典:タワーレコードオンライン「浜田省吾、7年ぶりのアリーナ・ツアー『ON THE ROAD 2023』スタート。オフィシャル・ライヴ・レポート公開」2023年11月21日閲覧
(https://tower.jp/article/news/2023/09/22/tg018)

ツアーのメインビジュアルがスクリーンに映し出され、
グレン・ミラーの「ムーンライト・セレナーデ」が場内に流れる。

「以上をもちまして、本日の公演は全て終了いたしました――」

会場のアナウンスを聞くまでもなく、入り口に向かってダッシュする人が多数。このセキスイハイムスーパーアリーナは帰り道の駐車場がとんでもなく混むことでも有名なので、仕方ない光景ではあるのだが。

席に腰を下ろし、一息つく。
もうコインを入れてもJUKEBOXはしばらく鳴らなそうで、
大きな祭りが終わってしまった寂しさを感じる。

でも私は幸運なことに、明日2日目のチケットも手にしている。
明日のJUKEBOXはどんな音楽を聴かせてくれるのだろうかと、
楽しみを残して席を立った。



SHOGO HAMADA ON THE ROAD 2023
Welcome back to The Rock Show 
youth in the ”JUKEBOX”

2023年11月18日(土) 宮城セキスイハイムスーパーアリーナ
16時開場 17時開演

01:愛の世代の前に
02:壁に向かって
03:HELLO ROCK & ROLL CITY
04:BIG BOY BLUES
05:いつかもうすぐ
06:もうひとつの土曜日
07:愛しい人へ
08:DANCE
09:東京
10:MONEY

10.5:【The Moonlight Cats Radio Show Special】

11:MAIN STREET
12:さよならスウィート・ホーム
13:終りなき疾走
14:青春の絆
15:悲しみは雪のように
16:ラストショー

17:ON THE ROAD
18:J.BOY
19:明日なき世代
20:家路
Encore 01
21:SWEET LITTLE DARLIN`
22:THE LITTLE ROCKER`S MEDLEY
(今夜はごきげん~HIGH SCOOL ROCK’N’ROLL~あばずれセブンティーン)
Encore 02
23:君が人生の時・・・


最後まで読んでいただきありがとうございました。

休憩中や終演後に書いたメモです。

また今回は宮城公演に2日間参加しましたが、
MCだったりの内容が共通なところも多いので、2日目はかなりラフに書いたものです。興味のある方は是非覗きに来てやってください 

2日目の記事(ミニライブレポ)はこちら


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