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ON THE ROAD 2022 仙台2日目レポート


【注意】

  • このレポートは筆者の記憶が全てです。あくまでこんな感じだった程度に捉えていただければと思います。実際とは違うところが多いと思います。

  • このレポートを書くにあたって、主催者・運営側から禁止されている通り、公演・会場内の撮影・録画・録音等は一切していないことを、ここに宣言します。

  • 曲名、演出等のネタバレがあります。

  • 参加されていない方で、何も知らずに楽しみたい方は、そっとお戻り下さい。

なおネタバレなしの感想も別記事で書きました。


SHOGO HAMADA ON THE ROAD 2022 Welcome back to The Rock Show “EVE”

2022年10月9日(日) 仙台サンプラザホール



ビィィィ――――

17時55分。
開演5分前、ブザーが鳴り響き、円形のサンプラザホールの中に大きな拍手が巻き起こる。
客入れBGMは「The Moonlight Cats Radio Show」の曲たちと、「ROAD OUT "TRACKS"」より「IN THE STILL OF THE NIGHT ~ MAYBE」「青空の扉」より「BE MY BABY」も流されている。
この時点でいったいどんなセットリストになるのだろうとワクワクしながら、体を揺らして待つ。
まだ5分もあるというのに、BGMをかき消すように会場中が手拍子に包まれる。
みな、待ちきれない。

1982年、年明けの武道館公演を経て春から始まった全国ツアーの副題は、「ON THE ROAD」であった。それは武道館公演(とそれに近しい公演)の模様を収録した初のライブアルバムのタイトルにして、そのアルバムの中に唯一はめ込まれた新録のタイトルソング名であった。

「言葉の響きが良く、制作中にツアータイトルにしようと決めた。その後ずっと同じタイトルにしようとは考えていなかった」と浜田本人は語っている。しかしその旅路はいつしか浜田省吾を象徴するキーワードとなった。

今年、2022年は「ON THE ROAD」というツアーが始まって40周年。
加えて例のアレの流行による自粛期間を経て、初めての全国ツアーである。

2022年年明けには武道館40周年を記念したライブが開催されたが、武道館2日間のみの開催であり、加えて平日だったりという地方民○しのライブだったので、彼と直接ライブ会場で再会できるのを待ち望んでいた観客ばかり。
手拍子から伝わってくるのは、そんな熱意、興奮、緊張だった。


この2枚の写真は、ツアー公式サイトにて配布されているオフィシャルフォトです。
個人のサイト等でも掲載可能ということなので、貼り付けておきます。ありがてえ!!

ちなみに本日の私の席は…

3階右側…
わお
2枚目の写真をもっとステージ右側へ寄せた感じでした。

仙台サンプラザホール公式サイトより。ほぼこんな感じで見ていました。

始まってみるとステージのスクリーンが一部見えないこと以外は気になりませんでした。最前列ではあったので、遮るものなく逆に良い席だったかもしれません。ステージ上のメンバーの動きとかがよく見えましたし。

時計の針が、開演時刻の18時を指す。
客入れBGMが消え、客席を照らしていた照明が暗くなってゆく。

興奮の拍手が会場を満たす…!!

わずかに照らされた客席に、優しいアコースティックギターの音色が降ってくる…

00:In My Life ~ In The Mood

2022年1月に開催された武道館公演にて、オープニングとして流れた省吾カバーバージョンのThe Beatles 「In My Life」。映像化して何度も聞いているので安心しながら手拍子をする。
このギターは長田さんが弾いていたんでしたよね

ポロロン~と余韻を残した終わり方の後に、会場の照明が完全に落とされる。どっとした拍手、歓声に近い拍手。

するとどこか馴染みのあるホーンのフレーズが聞こえてくる。
なんかテレビとかCMでよく聞くやつだ…と思っていると、ステージの上がレインボーに染まってゆく。

ジャズの名曲、「In The Mood」

余談ですが、家に帰ってから「あの曲なんだっけ」と思い、最初のホーンのフレーズを「ぱららぱっぱぱららららぱらっぱ~」と入力してみたら…
ヤフー知恵袋にて同じような質問されている方がいて、そこから曲名判明しました(笑)便利な時代。

色とりどりのムービングライトが動く中、バンドメンバー達が自分の定位置につく。そしてそれに続き、ステージ下手から浜田省吾が登場する!!
場内、大きな拍手…!

ギターを抱え、マイクスタンドに近づく。
「OK! Let's go!!」

その合図を待っていたかのように、町支さんのギターがかき鳴らされる。
それはおなじみのあのフレーズ!!

01:光と影の季節

省吾は武道館のときとほぼ同じ格好。ツアーTシャツも今回のものではなく、武道館公演のときのままでした。唯一の違いは、おそらく下に着てる長袖が白かったことくらいかな?

ステージ上がオレンジ色とピンクに照らされ、客席は総立ち。
ステージ上のスクリーンには、2005年のシングルのジャケット(砂漠で船こいでるやつ)が映し出される。
「君に会いたくて~ 戻ってきたよ~」
歌詞に合わせて、観客に向けて指を指す省吾。
一緒に叫べないのが心苦しいが、代わりに手拍子で思いを伝える観客。

この曲凄く懐かしいなと思いました。定番なんだけど何気に2016年以来だし、音源としては2011年のものが最新なので…。
なんか雰囲気は2005年の音源に近しいなと思いながら聞いてました。
曲の終わり、天井を貫くようなサックスとギターに、「ああ…ツアーが戻ってきたんだな」と感動。

私は1月の武道館に運良く潜り込めたんですが、当日券なので3階の一番端っこ。音も悪く、ステージ上よりも隣のモニター見ている時間のほうが長く、正直「ライブに参加した」感が薄かったんです。遠くでやっている公演を眺めている感じがして、ちょっと寂しかったんですよ。もちろん貴重な公演なので参加できただけでもよかったのですが、やはりこのホールの近さになると…こう胸に来るものがあります。

ちなみにこのときトロンボーンの清岡さんとトランペットの佐々木さんだけいなかったです。曲終わりに袖から登場していました。

曲が終わり暗転、大きな拍手がステージ上のメンバーに送られる。
そして小田原さんがビートを刻み、ホーン隊が出動!

02:HELLO ROCK & ROLL CITY

「Hello!仙台City!!」
マイク片手にステージを見渡し叫ぶ省吾。
「東北6県ロール」では無かったですが、あれは利府町のセキスイハイムスーパーアリーナのときのみなのかな?
ステージ上の照明がリズミカルに点滅を繰り返す。
すごく久しぶりに聞いた気がして、本当に懐かしかったです。
ちなみにオリジナルのフルバージョンではなく、近年おなじみの短めバージョンでした。
ステージの上手から下手と移動しながら歌ってくれて、めちゃくちゃ近い距離で省吾を見られました。

暗転した後、すぐに小田原さんがビートを刻む。
「カモン、ギター!!」
省吾のかけ声に合わせて、長田さんがギターをかき鳴らす。

03:この夜に乾杯!

おお、この曲もやるんだ!!とびっくり。
正直前の「HELLO ROCK & ROLL CITY」と日替わり曲になるのかなと思っていたので、2曲続けての演奏は嬉しい。
この曲の最新音源は2013年FFFの映像で、ライブでの披露自体は2016年以来。2013年の時はえらくBPMが速いなと思っていましたが、今回は2011年くらいのわりとゆったり目のテンポだった気がします。

「この夜に乾杯~!」

省吾はギターを背負った状態で、マイクスタンドを持ってかがんで歌ってました。この曲をそんな風に歌うイメージがなかったので、驚きました。

なんか「投げ捨て大声で 叫ぶんだ (フォー!!)」のところ、「フゥーーーー!!」って歌っていたような……?

楽しいダンスパーティーのまま曲が終わり、暗転。
この曲って2~3曲目にきて、そのまま「独立記念日」だったり「恋は魔法さ」「モダンガール」など別の曲に繋がるイメージがあったのですが、そうはならずここでいったんMCへ。

省吾にスポットライトが当たる。
「やあ!今夜は来てくれてどうもありがとう!」
「・・・やっと、会えたね(笑)」

この言葉に会場内大きな拍手。やっと、の言い方が結構溜める感じの言い方で、ちょっと泣きそうになりました。
「この2022年秋になってもマスクを外せない状況の中ですが、こんなにたくさんの方に集まって頂けて嬉しいです」
「今日はウォーもイェーとも叫ぶ曲もありますが、みなさんは声をだして叫べません(笑)・・・武道館のライブ映像見てくれた方いるかな?」
会場内ほとんどが拍手
「あの映像でも言っている通り、ずっと手拍子してたら終わりの頃には手が壊れます! なので俺達が演奏しているときはエア手拍子でいいです。でも演奏が終わり、演奏があなたの心に届いたら拍手のほう頂ければ幸いです。それと大声では叫べないんですが、マスクの中で呟く程度なら大丈夫と運営のほうから聞いています」
ここで場内大きな拍手。
「見て下さい。この客席の年齢層の幅(笑)今日は色々な年齢の方がいらっしゃいます。どうか自分と周りを気遣いながら、せっかくチケット買ったんですし、この時間をゆったりと、慈しむように楽しんでいただけたらなと思います。最後までどうかよろしく!」

最後の「慈しむ」という言い方が凄く響きました。
こんな言葉をライブ中に使えるアーティストは、彼以外にいるのだろうか。

04:今夜こそ

弾けるリズムで再び盛り上がる客席。
2016年の映像に入っているので、安心して聞くことができました。

確かこの曲あたりで、ステージ上の照明に変化がありました。

公式に配布されているステージ写真のおかげで、今回は覚えることなく、結構鮮明に描けました。

今回のセットは、2022年1月の武道館公演のセットを小さくしたイメージです。スクリーンが少々変な形で、スマホの画面みたいに縦長の映像もあれば、従来のサイズの映像も流せる感じになってました。
そしてステージ上部の鉄骨が割と自由に動くようになっていて、色々変形しながらムービングライトが色とりどりに光っていました。(ちなみに私の席からは全て見えなかったので、下の方に描いてる鉄鋼はあくまで想像です。)

05:君がいるところがMy sweet home

続いて「青空の扉」からこの曲。この曲もなんとなくやりそうだなと思っていました。自粛期間に公式YouTubeで公開されていましたし。
途中、メンバーによるセッション的な部分がありました。オルガンの福田さんと、トロンボーン、トランペット、それにサックスだったと思います。省吾はハーモニカ吹いてなかったような?
もう本当に楽しく腕振ったりしてたら終わっちゃった曲でした。

「ありがとう!」
「・・・みんなは声を出せないけど、聞こえてくるよ。そろそろ座らせてくれと(笑) どうぞ腰をかけて下さい」

省吾に促され、みんなよっこいしょという感じで腰をかける。
最近はこの空気感が好きだなと思います。年齢層高いライブじゃないとこの空気感は出ませんよね。
「仙台、東北に帰ってくるのが本当に久しぶりです。この仙台サンプラザホールで演奏するツアーは2015年以来です。あと2016年のセキスイハイムスーパーアリーナ、旧宮城グランディでしたけど。あの時に来てくれた方いらっしゃいますか?」
会場内ほぼ全員が拍手する。
「ありがとう。なので約6年ぶりに仙台に帰ってこれて嬉しいです。初めて仙台でライブをしたのは197○年で(詳細は忘れました)……町支覚えてる?」
と、いきなり話を振る省吾。町支さんは驚きながらしばし空中を見つめる…
「……」
しばらく時が止まる。町支さん、「あ、あ~あれね」の顔でぎこちなく頷く…(笑)
「……俺たち最近こういうのよくあるよね(笑)まあたくさん仙台でツアーしたんですが、そのハイライトは忘れもしない1979年の宮城学院女子大学の学園祭。今の学園祭は全部イベンターが仕切ってたりするけど、当時の学園祭は学生達が0から100まで準備してたんだよね。それでまあ女子大学ですから、周りみんな女子学生。そんな中に放り込まれた俺ら二人(笑)」
「だから羊の皮被った狼状態、ね! 町支?」

また突然話を振るも、今度は素早く顔を横に振る町支さん(笑)
「……え、俺だけ?(笑)まあとにかくあれが仙台でのハイライトでした。とにかく東北には色々な思い出があります」
宮城学院女子大学の学園祭の話は、2018FFFでもされていました。
「……あっ! あと1991年みちのく杜の湖畔公園。あれに来てくれた人いるかな? すごく霧が出てたのを覚えています」

客席、大きな拍手。手をたたけないのが寂しい
「なんか2006年~2007年のホールツアー以来、仙台以外の東北にあまり行けていないんですよね。なのでまた訪れてみたいです。」
「今日、地元宮城から来た人は~?」

そんな感じで東北6県を順番に尋ねてゆく。宮城と福島が一番多く、秋田青森が少なめに感じました。岩手、我が地元山形もそこそこいました。

「さてここからはバラードを数曲やりたいと思います。2001年に発売したこの曲です」

06:君の名を呼ぶ

水面を彷彿とさせる水色の照明が会場を包む。
2015年以来、久しぶりに聞けて嬉しかった曲。
アレンジは「初秋」バージョン(ベスト盤のアレンジ)に、ギターのアルペジオを足した感じに聞こえました。

バラードコーナーの最初の曲にしては、かなり重めですね。なんとなく今までのツアーの傾向的に、前半のバラードコーナーでは「恋に落ちたら」「悲しみの岸辺」のようなエイトビート調のライトなバラードが来ていたイメージでした。個人的に聞きたかった「彼女はブルー」がこの枠で演奏されなければ、もう今回は聞けなさそうだなと思いました。

間奏でギターと共にトランペットのソロがあって、そこがとても良かったです。
大サビの部分ではマイクスタンドを持って前傾姿勢になりながら歌っている姿が印象的でした。

07:あれから二人

続いて「青空の扉」から。
この曲はツアー開始の少し前に公式YouTubeに投稿されていたので、なんとなくやるだろうなと。あと2017年FFFの後半に演奏した曲は、今回もやる確率が高そうだなと思っていました。

高い部分の声もしっかり出ていて、喉の調子も良さそうでした。

しっとりと情熱的な演奏が終わり、スクリーンにはウクライナの町並みが映し出される。

08:我が心のマリア(Instrumental)

公式YouTubeに投稿されている2022年ニューアレンジ。

この曲を生演奏として聴けるとは思わなかった……!!
主旋律はピアノ、ORIGAさんが歌唱しているところは福田さんのオルガンで奏でられていました。確かホーン隊も演奏していたかな?
省吾はステージ中央から少し外れた、後ろ側の椅子に腰をかけている。

スクリーンの映像はYouTubeに投稿されているものを再編集した感じで、戦争が始まる前の美しい日常の風景。
言葉はないのに、メッセージを感じる、というか伝わる。

美しいメロディが終わると、打ち込みのドラム音が会場内に響く。

ギターを手にしマイクスタンドに近づく省吾。

「2022年は色々なことがありました。ヨーロッパでは戦争が起こり、東アジアの緊張もますます高まっている。今見ていただいた映像は、戦争が起きる前のウクライナです。次の曲は東日本大震災で、震災前の被災地の風景と共に歌います」
そんなMCのあと、小田原さんのドラムが独特のリズムを刻み、場内は再び興奮の渦へ……!

09:光の糸

この曲のつながりは完全に予想外でした。
そしてこの曲を再び東北で聴けるのがたまらなく嬉しい。

スクリーンには仙台や東北だと思われる何気ない漁港だったり海、子どもたちとか普段の生活の写真が映し出される。
よく右下を見てみると、「Photography by ○○」みたいな感じでクレジットが出ている写真もありました。気づいたのが最後のほうだったんですが、どこかから提供して貰ったのかな?

あと大サビ前、「新しい歌 懐かしい歌 歌って」のあと、ドラムだけがリズムを刻む部分があります。
あそこが一定の「タン タン タン タン……」ってリズムじゃなくて、冒頭の独特のリズムの演奏に変わっていました。

10:旅するソングライター

「光の糸」と続いてこの流れ。正直この流れは何度もやっている流れなので、今回のツアーでは切り分けて演奏してみるのも面白かったんじゃないかなと思いました(2017年のときのように)
スクリーンの背景は2015-2016のDVDに合成されている映像がほとんどでした。

演奏が終わり、再び打ち込みのリズムがステージ上に響く。
会場が手拍子をする中、ハーモニカホルダーをさげた省吾がマイクに近づく。

「今回のツアーのセットリストは、自分が歌いたい曲、みんなに聞いてほしい曲を選びました。次の曲は2001年に発売した「SAVE OUR SHIP」からです」

そうしてギターをかき鳴らし、止め、またかき鳴らす、を繰り返す。
かき鳴らされるのはあのフレーズ……!

11:モノクロームの虹

この曲もやってくれるとは思いませんでした!!
音源としては2013年のものが最新で、アレンジとかも変わらずそれに近いイメージだったけど、実は2015年にも1回だけ演奏されてるんですね~

古村さんがアコギをかき鳴らしていて、途中の間奏部分でサックスに持ち替えて吹いていました。
「こんな夜には~!!」の部分、省吾は最後の大サビのみ歌っていて、あと他は全部コーラス隊に任せていました。

楽しく人差し指立てたりしてたら、あっという間に終わっちゃいました…

「ここで少し休憩を取ります。すぐに戻ってきます!」

そう言ってステージ袖に捌ける省吾とメンバーたち。
時計を見ると、ここまでで大体1時間。
場内が明るくなり、スクリーンには歴代ON THE ROADツアーのスライドショーと共に、その時代を象徴する曲たちのオフボーカルバージョンが流れる(Money、ラストショー、紫陽花の歌、Thank Youなど)。

スライドショーの写真は、ツアーパンフレットのものがほとんどだと思います。

だいたい15分くらいだったでしょうか。
トイレ行ったり、ここまでの内容をメモしたり、スライドショー見てたりしたら、あっという間に時間になり場内が再び暗くなる。

スピーカーからは波の音。

会場内が拍手に包まれる中、省吾とメンバー達が再び自分の持ち場に着く。
省吾はギターを手にして椅子に座り、呟くように合図を出す。

「OK、 Let's go ……」

12:夏の終り

スクリーンには海岸の夕焼けの映像。ドローンで撮影したようなものもあっって、凄く美しい。ステージ上の照明も夕焼けのようなオレンジ色に染まる。

私は初めて聞く曲で、本当に嬉しかった。というかステージでの演奏自体もかなり久々なのでは?
オリジナルと、「ROAD OUT “TRACKS”」アレンジよりも、かなり優しい肌触りの曲調に感じました。

省吾はチェック柄のシャツを上から着ていました。
なんか凄く父親の私服そっくりで笑ってしまった

「ありがとう」
「1990年代あたりに、ツアーとかを休んでメキシコに行ったりしてた。んで何をしてたかというと、釣りしてたんだよね。それで地元のキャプテンの漁船に乗って海に出たりしてた。何を狙ってたかというと…カジキマグロ。向こうではブルーマリーンとも呼ばれてるんだけど。」
「ちなみに俺は小さい頃父と釣りに行ったけど、釣りの仕掛けやらルアーの準備やら、何から何までやって貰ってたんだよね。……大名釣りみたいに(笑)」

するとここで町支さんの方を向く省吾。
「そういえば町支くんはよく釣りに行くみたいだけど、今までで一番の大きい獲物って何だったの?」
町支さん、しばし空を見上げ「90センチの○○(忘れました)かな」
「おお~すごいね」
「……でなんだっけ、そうそうカジキマグロ。その時も餌から準備まで全部やって貰って、海に投げて10分くらいで、なんと100センチくらいの大きな大きなカジキマグロ! すごくない10分だよ!? 俺は「うお~すげ~!」ってテンションあがったんだけど、キャプテンは「あ、釣れたのね」みたいな感じで……(笑)」
「それでまあブルーマリーン、カジキマグロって鼻の部分がすごく長い大きな魚なんだよね。それで探すときには海面から出た尖った部分を探したりするんだけど、それを探しているキャプテンが「おい、見ろよ!」って声を掛けてきた。指さした方向を見ると、何千って単位のイルカの群れ……。日に照らされて反射した景色が凄く綺麗だった。それで漁船でその群れの中を横切ってみようぜ、って突っ切ってみたりした。そんな光景、その道何十年のキャプテンでさえも、見るのは2回目だというんだ。そんなキャプテンでさえ2回目だというのだから、俺なんかもう見ることのできない光景なんだろうなと思ったんだ」
「だから「またいつか」と思っていても、二度と巡り会えないことがあるなと思うわけです。……演奏に戻ります」

13:星の指輪

そんなMCと共に始まりました。なんかすごく悲しい気持ちになっちゃいましたね。毎回のコンサートで「また今度会える」というのが、だんだん確実じゃなくなっている気がして…
私は2001年生まれで、それこそ胎教レベルの頃から浜田省吾というアーティストの曲に触れていて、それらは自分の血肉となっている。初めて参加したのは2011年のアリーナ、記憶がほとんど無い小学5年生のときだった。はっきりとライブの内容を覚えているのは2015のホールツアーから。
そしてどんなに頑張っても、70年代の町支くんと居酒屋で二人きりで演奏していたライブには、80年代のようやく満席になった全国のホールや渚園でのライブには、90年代の長髪で「境界線上のアリア」を歌っているライブには、2000年代の4年間にわたるあのツアーには、参加できない。
時々私よりも年配のファンの方の思い出話とか見ると、うらやましいなと思うときがあります。もっともっとあの曲もこの曲も聞きたいのに、その時は確実に存在する。ずっと長く、その旅路を追っていきたいです。

演奏はオリジナル盤みたいな感じで始まりましたが、全体的には2005年の音源とテイストが似てるなと思いながら聞いてました。

「ありがとう」
「10月。いつの間にかエアコンの設定が冷房から暖房に切り替わっていて、早いよね。今年もあと3ヶ月……あ、この話はやめよう(笑) 12月になると大台に乗っちゃうから……(笑)」

そう、忘れかけてたけど、浜田さん今69歳なんですよね。
「1年の初め、正月にカレンダーに印を付けていきます。1月は姉さんの誕生日、ここは誰々の誕生日で……みたいに。10月は清岡くんの誕生日で、それから母の誕生日が10月の10日でした。そういえば石田ゆり子さんもこないだ誕生日でした。MVに出演して貰ったりもしたんだけど…日付間違えて前日にお祝いのメール送っちゃった(笑)」
「……でも最近は、誕生日と同じくらい命日のほうも増えてきました。友人や仕事仲間だったり…「また今度食事にでも行こう」と約束して、それっきりになってしまったり」
「……だから大切な人に会えるうちに、会いたい人に会っておく、感謝を伝えておくというのは、とても大切なことなんだなと最近は思います……」

14:君に捧げる love song

ファンクラブ会報ではこの曲をやるという匂わせがありましたが、MCを含んで聞くと本当に心にくるものがあります。
スクリーンには花瓶に入れられた花だったり、石田ゆりこさん主演のMVの一部分が、絵画のようなフィルターをかけて映し出されてました。

この曲もオリジナルより優しい演奏に感じました。
最後の大サビ前、「ここで 強く生きてく」と「目を閉じれば君がいる」の重なるところがあって、演奏すると知ったときにどうするのかなと思っていました。すると「こ~こで~……」で止めて、そのまま「目を閉じれば~」と繋がっていました。こういうところばっかり気になっちゃう。
あとここでも古村さんはギター弾いていたような。

演奏が終わると、福田さんのオルガンが会場に響く。
おや、「日はまた昇る」をここでやるのか!?と思っていると…

「俺たちは限られた時間の中で旅をしている訳だけど、最近はどこへたどり着くかではなく、どうやってたどり着いたのかの過程が重要なんだなと思うようになってきました。そしてたどり着いた場所が、目指していた場所だと言えるようでありたいなと最近は思っています……」

そしてピアノが響き渡る……

15:ON THE ROAD

客席、そのメロディを聴いて再び立ち上がる…
再び始まったロックンロールコーナー。

始まって思ったのは…
ものすごく照明がレインボー(笑)

なんか2019年FFFのときに書いていたライブメモにも、照明がすごくレインボーだったと書いてました。
それぞれの人生、それぞれの道がある…だから何色もの色のライトがある…と解釈できますが、割とシックな照明が多いイメージなので笑ってしまいました。

「もう一度 孤独に火をつけて」
と人差し指を掲げる仕草も、懐かしい…

16:I am a Father

熱を冷ますことなく、さらに盛り上がる曲へ!!
スクリーンには短編映画「キャッチボール」の場面と共に、色々な仕事場の風景っぽいのが映っていました。あの映画の男の子2人久しぶりに見ました。映画のDVDは実家にあるので、久しぶりに見てみたいな~
町支さんがコーラス隊のところまで行って歌っていたのが印象的でした。

続いて打ち込みのドラム音。
それだけであの曲だと分かります。

17:J.BOY

ほぼ2016年と変わっていないアレンジでした。
なんかJ.BOYって数年ごとにアレンジをマイナーチェンジしてる気がするので、今年あたりどうなるのかなと思っていましたが、変わらず。ちょっと残念。

この辺の曲はただただ昔のように楽しんでいたら終わってしまいました~
町支さんと古村さんがやってる、最後のイナバウワーは健在……!!すごいなぁ

演奏が終わり、優しいピアノの演奏が入る。

「ありがとう」
「今日のコンサートは実はON THE ROAD40周年という隠れたテーマがあります。皆さんのおかげでここまでやってこれました。どうもありがとう!
今回のタイトルは“EVE”なのでね、またこれからも音楽を楽しんでいきたいと思います。今夜はどうもありがとう」

18:家路

そして流れるメロディ。
個人的予想では今回はセトリから外れるかもと思っていたけど、しっかりと歌ってくれて嬉しい。
モノクロの道、どこまでも続く道の映像が、大サビで一気に青空を含んだカラーになってました。

どんなに遠くても たどり着いてみせる
石のような孤独を道連れに 空とこの道出会う場所へ

なんかもうなにも書く必要がありません。
個人的に今色々と悩むことが多いのですが、この曲さえあれば絶対にたどり着ける気がします。

アンコールを求める手拍子が続く。
確か5分もしなうちに、再びステージが明るくなりメンバーが登場する。
そしてギターを抱えた省吾がマイクスタンドのもとへ……

「アンコールどうもありがとう!」

そしてSEが流れ、アンコールが始まる。

19:みちくさ

アンコール1曲目は、Fairlifeプロジェクトからうまれたこの曲。
この曲が2020年にミニアルバムとして発売された頃のファンクラブ会報で、「浜田省吾名義で発売したのでライブでも披露できる」という発言があり、もし演奏するんだったら今回のライブで、唯一リアレンジされた「みちくさ」だろうなと思っていました。オープニングとアンコールにぴったりの曲調だなと思っていたので、ここで聴けて嬉しかったです。
スクリーンにはアニメ調のMVが映っていました。YouTubeにあがっているやつと同じですね。

途中でメンバー紹介がありました。
「ドラム 小田原豊!
ベース美久月千晴!
オルガン&シンセサイザー福田裕彦!
ピアノ河内肇!
ギター長田進!
トランペット佐々木史郎!
トロンボーン清岡太郎!
サクスフォン古村敏比古!!
ボーカル竹内宏美!
ボーカル中嶋ユキノ!
ギター&ボーカル 町支寛二!」

メンバー紹介のときに古村さんは変顔、佐々木さんはトランペットを野球バッドみたいに掲げたり、清岡さんは力士の土俵入りみたいな動きしたりと、ホーン隊の挙動が面白いので毎回楽しみです。

ちなみにツアーのアンコールでは、毎回ツアーTシャツを省吾が着るのがお決まりですが、今回は最初から最後まで同じTシャツ(武道館のものと同じでした)。その代わり、コーラス隊の竹内さん、中嶋さんがツアーTシャツの白色を着ていました。竹内さんはズボンにイン、中嶋さんは外に出してましたね。

ここら辺で気がつきましたが、省吾と町支さんの左手首に、赤いリストバンド的な物つけてました。

あと省吾、一瞬コーラス隊の紹介忘れかけてた?

20:この新しい朝に

おお、続いてここにこの曲きたのか~!!
個人的予想では本編最後にくると思っていたので、この位置は結構予想外。
スクリーンにはMVの映像が映っていました。

初めてライブで演奏される曲なので、結構集中して聴きました。
Aメロはコーラス隊が結構目立っていて、「目深にフードをかぶって走ってる~」から合唱、Bメロは省吾の独唱。
そして「空は高く 青く深く 強く凜と輝いてる」の部分、「青く深く」の部分は省吾は歌わずコーラス隊に任せていました。

もしみんなで歌えるライブが戻ってきたのなら、この「青く深く」はみんなで合唱する感じになるのかな~? と思いました。

そして「大丈夫って 大丈夫って 大丈夫だからって……」の部分。
ここが本当に強く、力強く「大丈夫」と歌って、というか言葉を発していました。そして客席の色んな方向に向かって、グッドサインを送る。

ここでもう自分は涙ぐんでしまいました。

これ書いてる今でも、あの「大丈夫」とグッドサインが響いてます。

大丈夫、大丈夫、また、会える。


てっきりこの曲で1回目のアンコール終わったかと思ったら、ギターを持ちかえる町支さん。
え、まだ続くの!?

「Are you ready for Rock'n'roll !?」

21:終わりなき疾走

おお、この曲もやるのか~!!
個人的に一番驚いた流れでした。
武道館でやったので今回はお預けかなと思ってましたが…

町支さんと古村さんの掛け合いがある間奏の部分、省吾は長田さんのところに行って、ギターバトル的なのをやっていたのが印象に残っています。
ステージ全体を俯瞰できる席で良かったなぁと思いましたね。

2回目のアンコール。
割とすぐに出てきてくれたと思います。

一番最初に省吾がステージを走りながら登壇する。
その走り方と身のこなしが69歳とは思えないんですが……(笑)
客席もちょっと驚いた感じしてましたし

メンバー全員が横一列にならんでお辞儀、客席は賛辞の拍手を彼らに送る。
そしてそれぞれの持ち場に着く。

このとき面白かったのが、お辞儀し終わった後に町支くんが中嶋さんとハイタッチをしようと手を挙げ、中嶋さんも手を挙げようとして、すぐ引っ込めて町支さんがガクッとうなだれる仕草をしていたところでした(笑)

福田さんのオルガンが優しいメロディを奏でる。

22:日はまた昇る

最後はやっぱりこれだと思っていました。
ツアータイトルの「EVE」に込められたメッセージとともに、この曲しかないかなと。
タイトルの英訳「The Sun Also Rises」の一言は、2020年春以降公式HPのトップ画面にずっと残っています。コロナ渦における浜田さんのメッセージはこれに尽きるでしょう。

映像は結構シンプルで、どこかの海辺にあるちょっと小高い山のような絵が、時間と共に移り変わってゆく感じでした。
演奏はYouTubeに投稿された2017FFFと似てたかな?
2017年は全体的に抑えめというか、ドラムのスネアとかの音がすごく響いているイメージだったけど、今回は特にそんなイメージは持ちませんでした。

最後の「Yeahー!!」の部分、今年は高めに叫んでいました。

なんかすごく穏やかに晴れ晴れとした感じでした。

でも心の中では「また会える」という感情を捨てて、今のこの日を慈しんで楽しんでました。今回のツアーでライブを見る見方が変わったと思います。

演奏を終え、省吾は晴れやかな笑顔で客席に手を振って、ステージ袖に捌けてゆく……

館内には規制退場の案内がかかる。
そしてその後に「我が心のマリア」2010年ベスト盤のInstrumentalが流れだす。
時計を見ると20時50分。
2時間半の公演とアナウンスされていたが、思いのほか長かった。
でもやっぱり短く感じてしまう。

終わってしまった~……

次に会えるのか、いや会えるだろう。
そう信じてます。




SHOGO HAMADA ON THE ROAD 2022
Welcome back to The Rock Show “EVE”

2022年10月9日 日曜日 宮城県仙台サンプラザホール
17時15分開場
18時開演

00:In My Life ~ In The Mood
01:光と影の季節
02:HELLO ROCK & ROLL CITY
03:この夜に乾杯!
04:今夜こそ
05:君がいるところがMy sweet home
06:君の名を呼ぶ
07:あれから二人
08:我が心のマリア(Instrumental)
09:光の糸
10:旅するソングライター
11:モノクロームの虹

12:夏の終り
13:星の指輪
14:君に捧げる love song
15:ON THE ROAD
16:I am a Father
17:J.BOY
18:家路
Encore 01
19:みちくさ
20:この新しい朝に
21:終りなき疾走
Encore 02
22:日はまた昇る



最後まで読んでいただき、ありがとうございました。

2022年10月11日

休憩中などにしていたメモです

おまけ(以下駄文)


ツアー開始前にセットリスト予想妄想記事を書いていましたが、最後にどれだけ当たっていたかでも見てみましょうか…(笑)

私の妄想セトリ↓

【第1部】
00:我が心のマリア 2022(Instrumental)
01:愛の世代の前に
02:HELLO ROCK & ROLL CITY or この夜に乾杯!
03:さよならゲーム or 土曜の夜と日曜の朝
(MC)
04:光と影の季節 or 初恋
05:旅するソングライター
(MC)
06:彼女はブルー or 君に捧げる love song
07:君に会うまでは or ロマンスブルー
08:MIRROR ~ A THOUSAND NIGHT
09:DANCE
(MC)
10:青春の絆

【第2部】
11:少年の心 or サイシードの影
(MC)
12:汐風の日々(弾き語り)
(MC)
13:花火 or あれから二人
14:太陽の下へ
15:光の糸
16:… to be “ Kissin' you ” or 真夏の路上
17:I am a Father
18:J.BOY
(MC)
19:この新しい朝に

【Encore 01】
20:みちくさ( or MIDNIGHT FLIGHT-ひとりぼっちのクリスマスイブ-)
21:ラストショー or 君がいるところがMy sweet home
22:ON THE ROAD
【Encore 02】
23:日はまた昇る

いやあたらんわ!!(笑)
まあ当たると思って書いてはいないのでいいんですが…

「青春の絆」、「土曜の夜と日曜の朝」をやっていないのが予想外でした。

後半の会場では曲目に変化あるんでしょうか?
楽しみです。

……「彼女はブルー」「Because I Love You」をやってくれたなら、何が何でもチケット獲っていきますよ。



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