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ペットの迷子について

ペットが逃げ出したらどうすればいいか?
 

実際に近所を探し回って見つからなければ保護されている可能性にかけて警察の落とし物係や市町村役場または動物保護管理センターに連絡してみましょう。負傷していれば近所の動物病院で治療を受けているかもしれません。

写真付きの広告やビラを掲示することも効果的ですが、承諾なく他人の家の壁や電信柱に貼ると条例違反になることがあるので注意しましょう。

地域情報誌に出稿できると地域を絞りつつ広範囲に広告できるのですが、新聞のように毎日発行されるものではなく月に1回程度のことが多いのでタイミングが合えば利用を検討してもいいかもしれません。

近年はペット探偵という探偵業務もありこちらも要検討です。

愛するペットが迷子になったら、ありとあらゆる方法を試し、できるだけ早く見つけ出しましょう。

迷子の間に交通事故になったり衰弱死してしまうかもしれません。運よく保護されたとしても早く飼い主として名乗り出ないと正式に新しい飼い主になった方に譲渡されてしまい取り戻すことができなくなったり、殺処分されてしまうかもしれません。

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迷子のペットを見つけたらどうすればよいのか?

リードのついていない犬やケガをして動けなくなっている猫を見つけた際は近づく前に様子をよく見ましょう。

迷子になってパニックになっているかもしれません。本来はおとなしい子かもしれないのに見知らぬ人が近づいてきて動揺して攻撃してしまうかもしれません。

まずは関係機関に連絡をして、もしも安全に保護できるようであれば、保護しましょう!

関係機関

犬または猫→警察の落とし物係または市町村役場または動物保護管理センター

それ以外の動物→警察の落とし物係または市町村役場

犬や猫であれば警察や役所以外にも動物保護管理センターに連絡するという方法が取れるのでおススメです。

動物保護管理センターではホームページを利用して写真、見つけた日付と場所を公表して飼い主様を探す活動をしています。

 『飼い主様を探す活動』であって『新しい飼い主様を探す活動』ではないというところは強くお伝えしておきたいです。

現状、一定期間飼い主様が見つからなかった場合はほとんど殺処分となってしまいます。

ペットは民法上ではもの=動産という扱い
 

現段階ではペットに限らず民法上どうぶつはものという扱いなんですね。

動物愛護管理法の理念とは反するのですが、人間の権利義務関係を規定する民法の方が優先となってしまいます。その民法がどうやって迷子のペットに関連してくるか説明しますね。

まず迷子のペットを保護して関係機関に届出をせずにそのまま飼い始めてしまうということは絶対にやめましょう。

飼い主様は心から戻ってきて欲しいと探し、朗報を待ち望んでいます。自分が新しい飼い主だと主張してもその子の飼い主様が現れたら民法193条によって返還を請求されます。

民法193条 前条の場合において、占有物が盗品又は遺失物であるときは、被害者又は遺失者は、盗難又は遺失の時から2年間、占有者に対してその物の回復を請求することができる。

もし迷子のペットを保護しているうちに情が湧き、飼いたいと強く思ったのであれば動物保護管理センターに届出て、飼い主が見つからなければ新しい飼い主になりたいと申し出ましょう。

一定期間飼い主が見つからなければ迷子ではなく飼育放棄による捨て子だとみなされ所有権を放棄したとして殺処分の対象となります。

そうなった際に新しい飼い主になりたいと申し出ており年齢や飼育環境等の条件をクリアしていれば民法239条1項に基づいて正式に新たな飼い主になれるのです。

正式に新たな飼い主になれば、元飼い主はもう返還請求できなくなります。

民法293条1項 所有者のいない動産は、所有の意思をもって占有することによって、その所有権を取得する。

本来はこれで新しい飼い主さんに迎えられてハッピーエンドとなるのですが、上記のようなケースで裁判になった事例がありますので紹介します。

みなさんは『置き去り犬のめぐちゃん』についてご存知でしょうか?


置き去り犬のめぐちゃん事件

置き去り犬のめぐちゃん


どのような事件か説明します。

時期は2013年6月下旬、公園に一頭のゴールデンレトリバーが柵につながれていました。

この犬を保護したAさんという方がいます。

このAさんは警察、保健所、公園事務所に連絡して自宅でこの犬を保護することにします。

飼い主を探す過程で少し前にも別の場所に置き去りにされていてその時は、飼い主のBさんが現れて引き取られたが、再度の置き去りであることが分かりました。

AさんはSNSに飼い主を探す記事を投稿したが、Bさんは現れませんでした。

Aさんは「めぐ」ちゃんと名付けたその子を家族に迎える決心をし、大型犬を飼える住居に引っ越して新たな飼い主になる準備をすすめました。

しかし、置き去りから3ヵ月後の9月中旬、めぐちゃんの遺失物としての3か月の期限が切れてAさんが新たな飼い主になれる日の10日前、Bさんが現れてめぐちゃんを「返還してほしい」と申し出ました。

Bさんは「犬を捨てたのは、会社の上司でもある交際相手の男性。彼を怒らせると、結婚が破談になり、職も失うと思い、今まで名乗り出ることができなかった」と説明したそうです。

「その男性と別れて、犬を飼えるようになったので返してほしい」というBさんの説明に、Aさんは納得することができなかったんですね。

どんな理由であれ、めぐちゃんの遺棄を容認し、3ヵ月も放置していたBさんを信頼することができず、Aさんはめぐちゃんの返還を拒否します。

それでも返還を望むBさんの訴えにより、めぐちゃんの所有権をめぐる裁判に発展してしまったのです。

判決は、めぐちゃんを保護したAさんの敗訴


 犬を置き去りにしたのはBさんではなく交際相手の男性だったことや遺失物法が定める期限内(今回は期限が切れる10日前ですね)にBさんが遺失物届を出していたことなどから、東京地裁は「Bさんが犬の所有権を確定的に放棄したとまでは認められない」と判断しました。

Aさんは控訴したものの、東京高裁も一審判決を支持したため2018年4月に敗訴しました。

2018年4月の下旬に、Aさんの元へは、Bさんからめぐちゃんの返還を求める内容証明が届きました。

Aさんは返還を拒否し続けましたがその約1年後の2019年5月に「強制執行」によりめぐちゃんは強制的に連れていかれてしまったそうです。

今回の一件に関しては、Aさんしか情報を世間に発信していないのでBさんが悪いような印象がどうしてもついてしまいます。

しかし、Bさんも10年近くめぐちゃんと共に生きてきて、2013年から裁判を経て5年間も諦めずに返還を望んだのは、めぐちゃんに対する愛情があればこそなのだと思います。

保護したAさんにも、Bさんにも、それぞれの想いがあるんですね。

詳しい事情を知らない我々第三者が、関係者を責めたり、誹謗中傷するようなことはあってはならないと思います。

感情的になるのではなく、動物を飼う責任について改めて考えるきっかけになれば幸いです。

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