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酵素 サムライ?

日本では、有名ではないですが、世界的に有名で偉大な方を知りました。

高峰譲吉という方です。
タカヂアスターゼとアドレナリンという薬を発明した化学者です。

タカヂアスターゼはコウジに含まれる酵素の分解作用を利用した消化薬で、酵素を使った世界で最初の薬です。

それも100年以上も前にです。また、アドレナリンはホルモンの一種で、純粋な結晶を世界で初めて抽出。止血作用があるため、現在でも外科手術の時などに使用されています。

現在、世界中で100年以上使用されている薬は3つしかありません。タカヂアスターゼ、アドレナリン、アスピリン。そのうち2つが高峰譲吉博士の功績なのです。
バイオテクノロジーの基本となる酵素とホルモンの分野で2つの世界初を成し遂げていることから、「近代バイオテクノロジーの父」と呼ばれています。
ニューヨークにある墓碑には、「1896年にデンプン分解酵素を開発し“近代バイオテクノロジーの父”として認めらる。1900年には世界初の科学者としてアドレナリンを分離し、1912年にはワシントンD.C.の河畔を美化している有名な桜の木を寄贈した」と刻んであります。

高峰譲吉博士は、1854年、富山県高岡市に医師の息子として生まれました。母親の実家が日本酒醸造元で、幼い頃から醸造技術に関心を持っていたことが偉業へとつながったのです。
博士の偉業は発見だけではなく、それらを事業に結びつけた、というところに偉大さがあります。
製薬会社の三共株式会社の初代社長であり、東京人造肥料(現・日産化学工業株式会社)の設立、ベークライト工業の導入(現・住友ベークライト株式会社)、黒部川の電力開発および周辺のアルミニウム工業の推進、理化学研究所(現・独立行政法人理化学研究所)の創設を提唱し実現させた、など。

研究を産業と結びつけて富を生む事を実証して見せるなど、20世紀初頭の世界をリードした偉人なのです。
そのほか、日米親善にも心血を注いだ方で、成功で得た富を、日米親善、民間外交のためにも、惜しみなく投じました。

日露戦争時には米国の世論を日本の味方につけるために、日本政府の依頼を受けて、私費を投じ米国各地での講演会、現地の新聞を使った日本のPR投稿などに奔走。また、ワシントンD.C. のポトマック河畔にある桜並木の植樹を企画し資金を提供したのも高峰博士であり、さらにニューヨーク市へも桜を寄贈しています。

酵素については、いまだに全容は解明されていませんが、その走りとなる事業に日本人の科学者による、日本の醸造技術が用いられたとは驚きです。

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