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たそがれ

夢のなかで
影踏みをしていたら
踏まれたわたしの影が
スッとあしもとから離れた
夕暮れのながながとした影たちのなかに
わたしは自分の影を見失った
目が覚めて
燦々とふりそそぐ陽の下で
朝食のテーブルについた
わたしたち家族は
みんな影を失っていた
平面の世界で
押しつけられた指紋のように
採取されるのを待っている
わたしたちは
いったい誰の存在証明なのか

黄昏の国に
影たちの家がある
テーブルの上の燭台の灯に
影たちがゆらゆらゆれている
吹き消すと
世界が誰かの影になる

その闇のなか
しだいに薄れていく意識のなかで
わたしたちはしっかりと
抱きしめあっていた

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