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冬の苺匙に圧(お)しをり別離よりつづきて永きわが独りの喪(も) 〈尾崎左永子〉ヴィンセント・ミネリ監督のハリウッドの内幕物。 ウィキペディアによると「ビリー・ワイルダー監督の『サンセット大通り』、ジョーゼフ・L・マンキーウィッツ監督の『イヴの総て』(いずれも1950年製作)と並ぶ著名な傑作」とのことですが、それほどでも・・・というのが個人的な感想です。 ジョージア・ロリソン(ラナ・ターナー)の亡父は名優として知られたハリウッドのスターでしたが、彼女自身は端役ばかりの売れ
『母さん、どうか生きかえって、もう一度あたしを妊娠してください。』寺山修司監督・脚本。 寺山修司自身の歌集『田園に死す』と寺山脚本で1962年に同じ八千草薫主演で制作されたテレビドラマが元となっています。 「母さん、どうか生きかえって、もう一度あたしを妊娠してください」と言う八千草薫と父無し子を生んだ村の女による間引きのシーン。 自分自身を妊んで、自分自身を流産する、 と読み取って考えてみました。 映画全体がそのようなイメージの交錯のように思えます。 「わたしという人
田中絹代といえば誰もが認める大女優ですが、日本映画界において二人目の女性映画監督でもあり、近年ではその監督作品が再評価され、注目を集めています。 とりわけ夭折の歌人中城ふみ子を描いた『乳房よ永遠なれ』は評価高まるばかりですが、他の作品にも長い女優としての経験が生かされたであろう人間描写に光るものを感じます。 監督処女作は『恋文』(1953)。 出演は森雅之、久我美子、香川京子、道三重三。 田中絹代主演映画を多く手掛けた木下恵介監督が脚本を提供しています。 彼女の監督デビュー