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No.135 2008年3月 共著『メディアリテラシーは子どもを伸ばす』の出版

 文化放送プロジューサーの清水克彦氏と共著で『メディアリテラシーは子どもを伸ばす』(東洋館出版、2008年3月)を出版しました。20年以上NIEに関わっていましたが、「家庭と学校でメディアリテラシーを実践し子どもたちを伸ばす」ことを特徴とする本書を一緒に執筆できる人はいませんでした。清水氏を共著者として選んだのは、以前に清水氏の次の出版に注目していたのです。清水克彦著『わが子を名門小学校に入れる法』(PHP新書、2004年11月)

 当時、担任から教務主任になり入学試験により関心を持っていた時期でした。この書名を見て、著者がジャーナリストということもあり早速読み進めました。今までにない小学校受験に関する内容でした。個人的に連絡しその後日本私立小学校連合会の全国教員夏季研修会で聖心女子学院初等科6年生に私が授業をした際講師として依頼しました。その過程で「家庭と学校でメディアリテラシーを実践し子どもたちを伸ばす」著書を一緒に執筆することになりました。

 本書の「はじめに」で清水氏は以下の5点、メディアリテラシーの重要なことを指摘しています。
①情報を読み解くことで思考力や判断力を伸ばすことができる。
②情報を活用することで創造力や表現力を伸ばすことができる。
③メディアのなかでも新聞を読むことで読解力や国語力、集中力を養うことができる。
④世の中の動きを理解することで、子どもたちの目を社会に開かせ、郷土愛や職業観を芽生えさせることができる。
⑤その結果、子どもの考え方がしっかりし、学力が伸びてくる。時事問題の出題が多い中学受験などにも役立つ。
 
 私は「おわりに」で以下の指摘をしています。
 「教育現場でメディアリテラシーが難しいのは、自戒を込めて言えば教師自身がメディアに関して十分理解できていないという現状があります。以前メディアリテラシーに関する記事の中で、坂本章・お茶の水女子大学教授が『そもそも教諭の側がメディアリテラシー教育を受けておらず、学校週五日制カリキュラムはぎちぎちだ。浸透するまでにまだ時間がかかるだろう』(「朝日新聞」2005年4月9日朝刊)という指摘をされていました。今回の清水さんの執筆箇所から教師自身がメディアについて多くのことが学べたのではないでしょうか。私も多くのことを学べました。これがメディアリテラシーの第一歩になります。」
 
 メディアリテラシーとはメディアが発信する情報を評価し批判的に理解する能力と共にメディアを使いこなす技能を身につけることと捉えていましたが、この視点の育成はまだ難しいようです。
 
本書の構成をご紹介致します。
第1章 メディアリテラシーで子どもが伸びる
第2章 テレビで学べば視野が広くなる
第3章 新聞は思考力を伸ばす最高の教材
第4章 ラジオで創造力と集中力を磨く
第5章 デジタルメディアとマンガの有効活用
 いずれも「学校でできること」と「家庭でできること」の視点から述べています。マンガの有効活用はあまり取り上げることがなかったのではないかと思っています。
 
 現代社会でのメディアの在り方が問われています。「2020年東京オリンピック(2021年実施)問題」「ジャニーズ問題」「自民党裏金問題」などメディアはどのように報道すべきか大いに議論して欲しいと思います。
 
参考
学びの未来研究所 小学生からの主権者教育
https://www.manabinomirailab.com/%E4%B8%BB%E6%A8%A9%E8%80%85%E6%95%99%E8%82%B2
 

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