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No.22 2002年6月 聖心女子学院初等科著『聖心の教育』出版

 2002年6月に聖心女子学院初等科著『聖心の教育』(東洋館出版)が出版されました。50年史、70年史、85年史のように学院の記念誌としての出版はありましたが、一般の出版社から教育実践を世間に紹介する本を刊行するのは学院として初めてのことでした。確かにこの頃「お受験」の広がりが見られ、初等科の受験者もかなり増加した状況でした。そのような中で私立小学校ではどのような教育実践が行われているのか示すことは私立小学校の受験を考えていただく視点から大切な事でした。およそ20年前ですので、現在のようなネット社会ではなく受験者に私立小学校の実状を理解していただくには、やはり文献を通してという考えのもとに出版を計画しました。この時私は10年間近く研究委員長として初等科の授業を中心とした研究を推進する役割を担当していました。当時の教頭兒玉潔氏が強く進めて下さり、私は編集委員長として出版のお手伝いをさせていただきました。

 どのような内容の出版だったのか、目次をご紹介します。初等科の多くの教師の方に執筆していただきました。

はじめに 聖心女子学院初等科校長 シスター奥井博子
第1章 聖心の教育理念-人を愛し、人に仕える-
1. キリスト教の教育
2. 創立者のビジョン
3. 聖心女子学院の教育の方向性
4. 聖心女子学院教育の3本柱
第2章 聖心の教育課程-心の力、知の力、行う力
1. 聖心女子学院の建学の精神
2. 聖心女子学院の教育理念
3. 聖心女子学院の教育の特色
4. 初等科の教育課程
 新教育課程と聖心の教育  上智大学教授 加藤幸次
 新しい時代と情報教育-情報教育のねらいと期待される学習活動-
             聖心女子大学教授 永野和男
第3章 聖心の教育研究-よりよい授業を創る-
1. 授業を大切にした校内研究
2. 姉妹校との合同研究
3. 一貫性を大切にする初・中・高合同研究
4. 学習意識調査
第4章 聖心の教育実践-かけがえのない子どもとして育む-
 1.宗教の学習-あらゆる教育活動の基調-
 2.初等科の宗教教育
 3.教科の学習-真剣な学習は学校生活の主体-
  国語科-書くことは考えること-
  社会科-新聞で社会に関心をもつ-
  算数科-複数教師による指導-
  理 科-体験してこそ知る科学の力-
  生活科-自然環境、社会環境の活用-
  音楽科-協力して音を創り出す喜び-
  図画工作科-身近な素材を使って-
  家庭科-食の自立に向けて-
  体育科-かけがえのない自分を見つめて-
 4.英語の学習-コミュニケーション能力の育成
5.総合的学習-人・自然・世界とかかわる-
6.特別活動-自主的で、責任ある行動力-
7.施設を生かす-学びを支える-
第5章 聖心案内-歴史、伝統、広がり-
 1.聖心会とは
 2.学校法人「聖心女子学院」の全体図
 3.聖心女子学院の歩み
 4.世界の姉妹校
おわりに 聖心女子学院初等科主事〈副校長〉シスター井出美奈子

 最後のページに初等科関係の教員の「聖心STAFF」が載っています。この時には、シスターが6人STAFFとしていらっしゃり、子どもたちや教員に大きな影響を与えて下さりました。身近なシスターの存在が聖心の教育を推し進めて下さっていたのです。
 2006年の6月には、改訂版として中等科・高等科の実践「英語の学習」「カンボジア体験学習」を追加して出版をしました。4-4-4制の構想を具体的に進めている時期でもありました。
 改訂版を含めて聖心女子学院初等科著『聖心の教育』は絶版です。2022年5月25日にアマゾンで探したら、2002年発行の原版は1点だけありましたが、中古で5000円+配送料257円でした。


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