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ジェーンのラジオ備忘録① "最初にして最強のラジオ番組" 「会員制ラジオ番組 うまいっしょクラブ」(STVラジオ)

中学生だったワタシは、カセットテープが2本入れられて、
ダビングできるダブルカセット付きのラジオを買ってもらい、
勉強と称して自分の部屋に閉じ籠もり、
平日の夜10時頃からラジオのスイッチをオンしていた。

なぜ10時からかというと、当時はまったく興味のなかったナイター中継をしていたからである。
しかし今では、ラジオでも、テレビでもプロ野球中継をすっかり楽しんでいる。
なんだったら率先して聞いている。

そんなナイター中継も終わり、野球延長のために繰り下げられた番組を聞くとは無しに聞きながら
時計の針が11時を指すのを待っていた。
♪〜「黒水伸一のイレブンジャングル!!」

この番組は、私が聞きたい番組ではない。
ワタシにとってはあくまでも前座。
後に控える真打ち(番組)へ続く、ワクワクをさらに盛り上げるための助走でしかない。
(黒水伸一さん、すみません。当時中学生だった子供の生意気な発言です。)

時刻は11:10になった。
「きた、きた、きたきたきたきたきた、、、きたーーー!!」
ドカーン!!という爆発音とともに番組タイトル叫び。
「会員制ラジオ番組! うまいっしょクラブ!!」
行進曲が流れ、そこに、待ってました!真打ち登場!!
「こんばんわ!明石英一郎です!!」

この一言でラジオの前のワタシ、こちらのボルテージはMAX!!

しかし、テンションが上がって踊りだすとか、そういうのではない。
ラジオは、そういうものではない。
ラジオの前のワタシだけに、ラジオの向こうのパーソナリティが
話しかけてくれているような、
ちょっと秘密めいた時間を、自分ひとりで楽しむものなのだ。

1987年頃〜1995年頃まで、
北海道のSTVラジオで放送されていた
「会員制ラジオ番組 うまいっしょクラブ」。
中高生向けのバラエティ番組で、
身の回りで見かけた、常識外れの行動をする人を紹介するコーナーや、
学校の先生の面白いエピソード、
自分もしくは周囲の人間の哀しい言動を紹介する、
ある地方(大抵は自分の地元)のネガティブな特徴を紹介するんなど
月曜〜金曜まで日によって違うネタテーマを募集し、コーナー化していた。

当時の中高生の間では、
毎日聞いていないと学校での話題についていけない、
番組から出されるZ作戦なるものを給食の時間に実行するなど
ムーブメントが起きるほどだった。

会員制ラジオ番組というのは、
ネタを送って採用されれば、シールが送られてきて
それを4枚集めて1つの絵柄を完成させると会員証になるという、
コレクター心をくすぐる仕組みや、
毎月?発行される会報誌「よめコラ」(無料)を
STV本社に貰いに行く中高生が列をなしたとか。
番組本も出版され、番組に応募するともらえたものも。
ラジオ番組で本が作られるのは今では当たり前になりつつあるが、
当時は珍しかったのではないだろうか。

かくいうワタシもネタを送ったりしたが、採用されたことはなかった。


これがワタシのラジオとの最初の出会いである。
そして、今なお最強の座に燦然と輝くラジオ番組なのである。


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