見出し画像

【ベトナム】レッドオーシャンな進出コンサル市場について考えてみる②

ただあくまで進出コンサルはスタートラインを用意するだけであることは忘れていけないです。
その後の事業が成功するか否かは進出コンサルの範疇外であり、その是非は担当者及び事業責任者の赴任者と本社側の決断に委ねられてしまうのです。(前回

+++++

日系進出コンサルの提供するサービス概要とそれを依頼する日系進出希望企業の背景、そして金額とサービス内容、法人設立後の自動販売機システムについて書きました。

②では、進出コンサルが進出コンサルで終わり、事業戦略や事業創造、市場調査分析という領域に積極的に行かないのかを考察したいと思います。

進出コンサルは・・・
◆ ハードルが低い情弱ビジネス
◆ 特殊なスキルや知識が必要ない
◆ 一度プロセスが分かると誰でも資格なく可能
です。

少し詳しく説明すると・・・
《情弱ビジネス》
情報が価値を持つのは今までは通じたベトナムでも、昨今では無料で情報を提供するJETROや進出支援企業も多い。それでも調べない・調べようとしない・調べても理解できない人(企業)向けにビジネスが展開されやすい。

《無資格開業》
弁護士や税理士と言った士業とは異なり、進出コンサルは対日本人(日本企業)なので一般人でもベトナムで誰でもサービスを提供できる。税金やライセンスを無視すれば観光VISAを持つVISAランナーでも顧客がいれば成り立ってしまう。(本来は良くないが可能)

《ルーティーンな作業業務》
生産的なビジネスと言うよりは決められたプロセスに従い、書類を揃えて提出していくだけの仕事であるため、知っている人にとっては労力なく仕事を遂行できるものである。

画像2

僕は進出コンサルについて否定しないけど、創造的でない仕事でありながらもローカル価格と比較して不当に価値を付けたサービス料金に疑問を持っています。ローカル価格と言うのは、同等のサービスをベトナム人経営のローカルサービサーに依頼した時の金額になります。前項で外資法人設立支援費用の市場価格は100万円前後と言いましたが、英語対応可能な弁護士事務所あるいは会計事務所に依頼したら30〜50万円で可能です。完全ベトナム語のみというのもありますが、一般的な日本人(日本企業)にとっては選択肢から外れるので省略します。

価値あるものを受けて、その対価を払うのがビジネスの基礎だと思います。が、実際はそこまで価値ないものを価値あるように見せて、必要以上の対価を受け続けているのが進出コンサルだと思ってます。

※ 日本人が日本語対応してるので、価値ある!という企業や、日本人の弁護士や会計士が対応します!という企業がありますが、ベトナムで本当に必要なのは日本人よりもベトナム人の士業の人たちです。
※ 日本人であるが故に、ベトナム人の士業の人たちを酷使して、彼ら彼女ら以上の給与を当たり前にもらっているのは意味わかりません。日本人はスタッフからの報告書を日本語に訳して、お客さんに伝えるメッセンジャーなのに。

画像1


これも批判や反対意見出そうだけど、事実として書いています。それでも深く考えずに進出コンサルを依頼する人(企業)はお互いに思考停止で握手し合ってるので良いのですが、情弱な人(企業)体質で法人設立を進出コンサルの支援のもとできたとしても、それからベトナムで対ベトナム企業orベトナム人or日本人or日本企業と戦って勝ち続けていかないといけません。日本で勝ち進んで来た人(企業)であれば、スタート地点に立つことが法人設立及び事業開始であり、真の戦いはそこから始まることを容易に理解できると思います。

ですが、真の戦いが始まる時に進出コンサルは何の提案も解決策も指針も出してくれません。出してくれないのではなく、出すことができないのです。

そして僕としては、この事業開始という真の戦いこそ進出して来る人(企業)にコンサルが必要だと感じています。それは情弱相手の進出コンサルとは違い事業コンサルになります。何故なら日本のような法治国家でない人治国家のベトナムでは経験に基づく経営判断や対策が非常に有効であり、付加価値を生み出すと思っています。

しかしながら事業開始についてのコンサルを提供する日系企業が非常に少ない(あるいはほぼない)のが現実です。これはそのサービスを提供できるだけの企業が進出してないことにあるかと思いますが、マッキンゼーやボストンコンサルティング、PwCという世界コンサル企業は進出しています。それでも多くの日系企業は日本で利用したことがない、あるいは費用が非常に高額なため予算が付かないという背景もあると思います。
ベトナム内資のビングループは開発戦略コンサルティング契約を締結し、利用する資本力と事業開拓力のある企業は利用しています。

もう1つは市場の需要と供給の乖離があると思いますが、それは次に書き進めたいと思います。

次回






この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?