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【読書感想】イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」

難しかった!私の職場でこれまでの経験したなかでは当てはまる事例がなく、具体的な像を思い描くことができなかったのが一因だと思う。
そのため、これを読んで、これからの仕事にこう活かせそう!というアイデアは思い浮かばなかった。

解釈が合っているは分からないけど、自分の頭の中を整理するためにアウトプット。

まず、本書のテーマは「問題解決の思考法・テクニック」だと思う。
流れとしては、①問題を見極める、②見極めた問題を分析する その1、③見極めた問題を分析する その2、④分析を進める、⑤結果を伝える

① 問題を見極める


そもそも、イシューから始めよの「イシュー」が理解できない。
本書によれば、「イシュー」とは

2つ以上の集団の間で決着のついていない問題
根本にかかわる、もしくは白黒がはっきりしていない問題

上記2つを満たす
別の言い方で表現すると「今本当に答えを出すべき問題」とのこと

ここで筆者の言葉を引用する

「世の中にある「 問題かもしれない」と言われていることのほとんどは、 実はビジネス・研究上で本当に取り組む必要のある問題ではない。世の中で「 問題かもしれない」と言われていることの総数を100とすれば、今、この局面で本当に白黒をはっきりさせるべき問題はせいぜい2つか3つくらいだ。 」

安宅和人. イシューからはじめよ――知的生産の「シンプルな本質」 (p.31)

つまり、自分が「これは問題かな?」と思っていても、仕事上、労力を割いて解決しなくてはいけないものはほんの一握りで、まずはその一握りを把握する必要があるということ。
その一握りを見つけるための方法を①で解説している。

② 見極めた問題を分析する(ストーリーラインの作成)


ここでは、見極めた問題がどのような構造になっているかを分析し、さらに細かな単位(サブイシュー)を見つける。サブイシューを見つけたら、問題解決までのストーリーラインを考えていく。

③ 見極めた問題を分析する(絵コンテの作成)


問題解決までの説明の道筋(ストーリーライン)ができたら、次に問題の分析イメージ(個々のグラフや図表)のデザインをしていく(絵コンテの作成)。

どのような図表で何を軸にするのがポイントかなど解説されている。
②と③からは、ゴールやパーツを考えないでいきなり問題を解決しようとしないで、道筋をイメージして、どのようなパーツでゴールまで進んでいくのか、回答の下書きを書く作業と感じた。

④ 実際に分析する


下書きができたら、清書を始める。ここでは、清書の段階で起こりうるトラブルとその対処法の紹介がされいる。

⑤ 結果を伝える


ビジネスにおける問題解決なので、自分だけが解を見つけて満足するのではなく、それを他の人にも説明し、理解してもらう必要がある。
ここで紹介されているデルブリュックの教えは興味深かった。
それは、知的に意味のあることを伝えようとしている人にとって、等しく価値のある教えで、

ひとつ、聞き手は完全に無知だと思え
ひとつ、聞き手は高度の知性をもつと想定せよ

→つまり、聞き手は賢いが無知であることを意識して説明することが重要ということ。

まとめ


書籍のざっくりとした内容をここまで自分なりにまとめたが、やっぱり難しい。せめて各項目で練習問題が欲しかった。
また、大学だと売り上げを気にするのは一部の部署なので、この本の知識を活かせるとしたら業務改善に限られそうな印象を得た。
そして、それぞれの章で具体的に説明されている方法は、問題を解決するときに実践してみないと、読むだけでは自分のモノにするのは難しいと感じた。何度か読んで終わりではなく、いつでも参照できる教科書的な存在としてデスクに置いておくといいのかもしれない。

(余談:著者はブログで日本の大学の財政問題を取り上げたようなので、これは今度読んでみたい。あと、脳科学分野に関するコラムは本文と比べると優しめで読んでいてためになった。)

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