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『ミステリと言う勿れ』から学ぶ考え方 Episode1④

現在、日本は金メダルを8個取っています。凄いですね!

ただ、今日取り上げる主人公は熱気や熱狂などの言葉からほど遠く、浮世離れ・変わっているなどの言葉が似あいます。
そんな主人公 久能 整が活躍する『ミステリと言う勿れ』が大好きな
ネコカウンセラーです。

これだけ人の心を癒せるのに、友達との描写が少ないのは、
どうしてなんだろうと思います。

かくいう私もカウンセラーとして多くの方とお会いしますが、「親友は?」と聞かれると、回れ右をしそうになります。

人の心を癒せる人と、人と仲良くなり笑い合える人は別なんですね。
人って見かけによらないですよね。

今日は3回続いた家族との関係から一歩離れた
「見ただけでは分からない」というお話になります。

※ここでは少しでもネタバレ防止のために、登場人物をA・Bなどのアルファベットにしています。

久能整・・・主人公
A刑事・・・子煩悩。
B刑事・・・切れ者刑事。以前に冤罪事件で問題に。
C刑事・・・若手の男性刑事。奥さんが妊娠中
D刑事・・・唯一の女性刑事。最近、ペットが亡くなった。
E刑事・・・ベテラン刑事。ご家族を亡くしている

1、Epsodo1④ 真実と事実

メガネをかけたクールで賢そうなB刑事。
そんなB刑事に向けて主人公はこんな発言をします。

主人公「あなたの顔を見たことがあったんです
    僕が中2の時 美容院の週刊誌で
    冤罪事件で やり玉にあがって叩かれましたよね」

このB刑事は過去に冤罪事件を起こしたことで取り上げられました。

主人公「その頃はもっと大きい所にいましたよね
    連続幼女誘拐殺人事件でしたっけ 無実の人を逮捕した」

刑事B「本当に記憶力がいいんだな」

主人公「また冤罪事件を起こすんですか
    ”冤罪刑事”とか呼ばれて ドラマにされますよ」

刑事B「冤罪じゃない久能くん
   オレは今でも あいつが犯人だと思ってる
       ~(中略)~
   いつか必ずあいつを挙げてやる
   君が殺しをやってるなら君もだ
   どれだけ虚言を尽くしても 真実は一つなんだからな」

このB刑事は裁判で冤罪と言う結果が出ても、
冤罪ではなく真実が隠されていると考えています。

真実を諦めずに追い続ける刑事魂という感じでしょうか。

それに対して、主人公はこんなことを言います。

「真実は一つなんて
 そんなドラマみたいなセリフを ほんとに言う人がいるなんて」

2ー1、主人公の語り④

主人公は語ります。

主人公「真実は一つなんかじゃないですよ」

B刑事「何を言っている 
   真実が2つも3つもあったら おかしいだろうが」

主人公「たとえばAとBがいたとしましょう
    ある時 会談でぶつかってBが落ちてケガをした
    Bは日頃からAをいじめを受けていて
    今回もわざと落とされたと主張する

    ところがAはいじめても認識など全くなく
    遊んでるつもりでいる
    今回もただぶつかったと言っている

    どっちもウソはついてません この場合 真実って何ですか」

B刑事「Aはいじめてないんだから Bの思い込みだけで 
    ただぶつかって落ちた事故だろう」

主人公「そうですか? 本当に?
    いじめてないというのは Aが思ってるだけです
    その点 Bの思い込みと同じです
    人は主観でしかものを見られない
    それが正しいとしか言えない

    ここに一部始終を目撃した人がいたとして
    さらに違う印象を持つかもしれない
       ~(中略)~
    AにはAの真実がすべて BにはBの真実がすべてだ
    真実は 人の数だけあるんですよ

    でも事実は一つです 起こったことは
    この場合は AとBがぶつかって Bがケガしたということです」

2-2、多数の真実

私は、人の話を聴く仕事をしているため、
多くの真実を聴くことがあり、
さらに、その真実が時を経るごとに変化していくことを感じます。

「私は職場の人たちからパワハラをされた」とおっしゃる方がいます。
 その方は、確かに上司から厳しく叱りつけられ、
 同僚がかばってくれることもなく、むしろ上司と一緒になり
 白い目で見てきます!!
 泣いてしまうほどに、叱られてしまったので、
 パワハラを職場全体から受けている!」
と言います。

一方、上司の側から見ると、この方は度重なる遅刻が酷く、
数分ではなく酷い時は1時間の遅刻をしてしまうこともあります。

さらに、事前に連絡を入れることは無く、出勤後に色々な理由を悪びれずに話します。

1時間の遅刻の間は、この人の仕事を他の同僚が肩代わりするので、
職場全体が迷惑をしている。
それでやむを得ず厳しく叱ったところ、
急に泣き出し、パワハラと訴えてきたのです。

この時の真実は何でしょうか。
お互いはお互いに真実と思うものがあり、
お互いに主張し合うと平行線になります。

ただ、事実は一つだけです。
・過去6カ月の間に6度の遅刻があり、うち2回は1時間を超えていた。
・遅刻の事前連絡を行わず、理由も会社として許容できる内容ではない。
・遅刻が問題であり、事前連絡の必要性や遅刻理由の説明を
 過去5度にわたり行っていた。
・6度目に、上司から20分に渡り叱責があった。
・その間に、他のメンバーからの制止は無かった。
・𠮟責後、この方は泣き出し、パワハラを受けたと訴えだした。

このような事実を基に、今後の対応を考えるようにお伝えしています。

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2-3、人は真実を作り出す

時に人は何もない所に、全く新しい真実を作り出すことがあります。

ユリ・ゲラーと勝負し、超能力研究所の研究を潰したことで有名な
ジェームズ・ランディという方が起こした「カルロス事件」があります。

これは全くのイカサマで超能力者を作り出し、
オーストラリアで放映し続けました。

多くの国民を信じさせた後に、ジェームズはカルロスが全くの偽物であると伝え、全てのネタ晴らしをしました。
それにも関わらず、一定の信じ続けた人がいて、
ネタ晴らし後もカルロスは超能力者であると信じ続けたのです。

人は自分が信じたものを真実として見続けます。

ビタミン剤を風邪薬と言って渡して飲ませると、
信じている人は効果を発揮させます。(プラシーボ効果)

では、対人関係や事件で見るべきは真実でしょうか。
それとも、客観的に確認が可能な事実でしょうか。

2-4、主人公の語り続き

翌日に刑事が言います。

刑事B「お前に言われて 昔の冤罪事件を見直してる
   全員がウソをいってなくても 食い違うことがある
   なるほど あの事件の矛盾点が見えてきた」

主人公「僕には関係ないです 頑張ってください」

今まで自分が真実と思い込んでいると、
真実と矛盾する事実はなかったことになっていました。

しかし、真実はいったん脇に置き、事実だけを見つめると、
新たな側面が見えてきたのだと思います。

3、感想

私たちは多くの真実を見ています。
ただ、必ずしも、それが正しいとは限らないと教えてくれた気がします。

親から愛情を貰えなかったと嘆く方がいます。
しかし、親から暴力を振るわれたことはなく、
毎食きちんとバランスの良い食事を用意してくれていた。

反抗的な態度をした時に止めてくれなかったけど、
でも、色々な人に頭を下げて回っていた。

真実として思い込むと、親は自分に無関心だと思うかもしれません。
でも、毎食、ご飯を作ることは簡単なことではありません。

反抗的な態度を取り続けると、カッとなり手が出そうになりますが、
それをぐっと抑え続けていたのかもしれません。

そして、色々な人に頭を下げて回るということも、
とても気力と体力がいることです。

自分が親になったら、簡単にできることでしょうか。

真実という思い込みが取り除かれると、
多くの事実が見えてくるかもしれませんね。

ただ、主人公はきっと、そこまで深く考えずに
ポロっと話してくれたのだと思います。

そんな良いことを言おうとしていない主人公だからこそ
心を整えられていく気がします。


それでは、また!

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