院内見聞録 番外編:アロマテラピー
飛行機が近い。
駅を降りたとたん、轟音を響かせながら飛行機が頭上を飛んでいった。その後、何機も続けて飛んでいく。4月にも仕事で昭島に来たけど、こんなにしょっちゅう飛行機が飛んでたっけ? と思いながら、12分ほど歩いてたどり着いた先は米軍ハウス。迎えてくれたのは例のおっぱいブローチの作家さんである。こんなに飛行機がたくさん飛んでるなんて思わなかったというと、横田基地が近いので、何かあると米軍の飛行機が飛びまくるらしい。今日の何かはエリザベス女王が亡くなったことが理由のよう。
今日はアロマテラピーを受けに来た。彼女は焼き物の作家から鮮やかにジョブチェンジして、アロマ+ご飯+四柱推命(来年からは+テルミーも)を組み合わせて、心と体を健やかにすることを仕事に決めたと言う。もちろんこれまでどおり焼き物も続けるのだけど、生活を成り立たせるためではなく、あたかも趣味のように向き合うのだそう。その感覚はなんとなく分かる。わたしは自分の仕事が好きなほうだし、仕事においてもついお金よりもおもしろさを取りがちだけど、成果物と単価の関係について無関心なわけじゃない。作りたいものを作るのと売れるものを作るのバランスって、焼き物はアートでありながら実用的な面もあるから、よほど自覚的に本心を精査しないと揺らいでしまいそう。そういう意味で思い切った決断をしたm.yamさんはかっこいい。
さて、マッサージに使うオイルを自分で選ぶ。アーユルヴェーダの3つのドーシャ、ヴァータ(風)、ピッタ(火)、カパ(水)のオイルとネロンというブレンド。4本を順番に嗅いでいくと、他よりもグイグイ迫ってくる1本があったので、あ、この人だなと思う。ヴァータブレンドでした。ちなみにわたしはヴァータ・ピッタタイプ。たぶん。
そしてふしぎなことが起こったのは、仰向けになって左脚を終え、右脚をやってもらっていたときのこと。左側はほとんど押されなかったのに右ひざのお皿の下あたりをギューッと押され、ことのほか痛気持ちがよかったので、
「そこ、すごく痛気持ちがいいけど何のツボですか?」と聞くと「よく分からないけど、なんか押せって言われるから」と想定外の答え。そうか、そっちタイプの人なのか。「もちろん、習ったベースのマッサージはあるけど、毎回、導かれるようにそれぞれ違ったことをやってるの」という。さらに聞いていくうちに、施術を始めて間もないころに来た体の中身がずれて飛び出ていたお客さんの話などが出てきて、なるほど、彼女は直感的にエーテル体の調整ができる人なのだと思う。
なんで、こんなにわたしの理解が早いのかって? それはちょうど今「バイブレーショナル・メディスン」という本を読んでいるからだよ。エネルギー医療を量子力学で説明している本だから、理解が追いつかなくて全然読み進められない。2~3行読んでは天井をにらみ、考えてはまた本に目を落とす。そんな調子で現時点で理解した(つもりになった)ことはオルタナティブでホリスティックな医療は、物理的な肉体ではなく、微細エネルギーでできた体に作用しているということ。
理屈はわかったけど、何となく習ったからと言って全員ができるようになるわけじゃない気がするし、現時点ではそういうエネルギーを測定する機械が普及していないからいちいち証明しないということもあって、できないけどできるふりをしてる人もいそう。でも、現実問題として手から何か出てるという人はいるよね? その人が作る料理は何でもおいしかったり、体を施術で触れてもらうとすっきりしたり。そういうはあると思う
なんと施術だけではなく、その後にご馳走がやってくる。ご飯がついてくるのは知ってたけど、こんなたくさんのご馳走がくるとは思ってなかった。これはお母様のレシピを再現しているのだそう。
ちなみにメニューは左上から、①昆布締め(しかも純胡椒と!)②角煮と里芋の煮っ転がし ③栗ご飯 ④うざく ⑤アスパラガスのスープ(翌日まで残り香が…) ⑥レンコン餅 ⑦香の物 ⑧無花果
それぞれに合った器でって、こんなん家庭料理の域を越えてるーー!!!
おいしいご飯(やっぱり手から何かが出ている人は料理もうまい)をもぐもぐしながら、事前に知らせておいた生年月日と生まれた時間から算出した命式の鑑定を聞く。ひとつ、あーーーっと思ったのが、わたしは困ったことがあっても、どこからか救いの手が差し伸べられて何とかなる相が、はっきり出ているということ。
その自覚はあったけど、ずっとこれは気の持ちようというか、意志を持ってやっていればそうなるという誰にでも当てはまる普遍的な仕組みだと思っていた。だからチャレンジしない人に対して「もったいない。もっと自分を信じてチャレンジすればいいのに」と思ってた。これまで、わたしから無神経に「何とかなるから、どんどんやれ」とけしかけられた人、ごめんやで。その相がない人が真似してやって何の手助けも得られないことはざらにあるらしい。知らなかったとはいえ無責任だった。
でもそれを知ったうえで改めて思うけど、やっぱり若い人には死なない程度にはチャレンジしてほしいな。
と、そんなこんなの盛りだくさんメニューでお値段が、な、な、なんと8,800円(プレオープン価格)! ちょっと安すぎやしませんか? 来年の正式オープンからは10,000円になるようだけど、それでもまだ採算が取れないと思うので、ご飯の品数は減らしたほうがいいのでは? とモニターの正直な意見を言いました。なので、これを見て申し込んだのに品数が少なかったっていうクレームが来ないか心配。しかもわたしがお得自慢をしてるみたいだし。
そしてこれはまったくの余談ですが、施術者がアーティストなので家の中のいたるところに自作のアートがあって、それを見るのも楽しい。キッチンやトイレのタイル使いもよい。
というわけで、興味がある方はぜひm.yamさんにDMしてみてください。
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