ノラ子猫あずかり日記 16      (2ヶ月過ぎた猫小屋)

ノラ子猫をあずかって、はや2ヶ月が過ぎた。

2匹の子猫達は、家の周りを走りまわって毎日元気に遊び、身体もずいぶん大きくなった。

茶トラは少し太り気味で、門のすき間を抜ける時に身体をよじりながら抜け出している姿をよく見かけるようになった。

そろそろ猫小屋の入り口も広げてやらないと、寝床に帰れなくなりそうだ。

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さて今日は猫小屋に使ったビニル温室の話題である。

この辺りは標高が 500mを越えているので気温は街よりも 5℃低く夏は涼しく過ごしやすい。

冬は氷点下になって底冷えする日が続くこともあり、野良猫達にとって冬越しするためのエサと寝場所の確保が必要不可欠になる。

今回迷い混んできたノラ子猫達は、親猫がいない状態で生き延びるための本能が働いた行動だったのかも知れない。

我が家には病気の老猫がいるためノラ猫を近づけたくなかった。 

そこで近くの動物保護団体に相談してみたが、結果は子猫達を預かる流れになった。

ここでも、この子猫達には強運があったのだろう。

結局「室内で飼わない」「冬越しの期間だけ」の条件で保護猫として預かることになった。

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冬越しのキーワードは「エサ」と「寒さ」だった。

「エサ」の問題は、ノラ子猫達の預かり始めにキャットフードと水を与えることで難なく解決することができた。

ただし「寒さ」は、寝床を発泡スチロールで作っただけではエサ場が寒いままなので、子猫達は厳寒に耐えられないと考えた。


そこで寝床の設置場所は屋外ではなく物置きの中にする事にした。

物置きの中に、発泡スチロールで作った寝床の傍にエサ器と水のみ器を並べ、猫2匹が入れる大きさの観葉植物用のビニル温室をすっぽり被せれば、温室の中に寝床がある形になる。

また、ビニル温室の周りに木枠を組んでベニア板を貼り付けると、壁で囲まれた形になってすき間風が入らなくなる。

屋外と物置きの中にある猫小屋をつなぐために、物置きの壁に外から出入りできる穴を空け、ビニル温室にも出入りできる穴を2か所空けた。
また物置き壁の入り口とビニル温室入り口の間を、渡り廊下と考え猫専用の通路にする事にした。

アーケードのように囲って壁を作った。これで外からビニル温室だけに入れる空間ができて物置きの中にあるけど外飼いの「猫小屋」が出来た。

さらに猫小屋は改良を重ね「ビニル温室」の周囲を箱で囲い内側に断熱材を貼り付けて防寒対策を強化した。

子猫達は、寒さが厳しい日には発泡スチロールの寝床の中に入ってくつろいでいる。ビニル温室の猫小屋のおかげで、厳寒で震える心配がなくなった。 

子猫達をあずかり2ヶ月過ぎて「エサ」と「寒さ」の心配は解決できたようだ。

「一冬乗り越えれそうだねー」

「ビニル温室が役立っているね。」


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ところが、このビニル温室にも弱点があった。

朝が冷え込みそうな時は、ホッカイロを猫小屋の中に入れてある。

ビニル温室の中が温かくなって、猫小屋の寒さ防止に役立っているが、冷え込んだ日には外気との温度差で内側に結露が発生してしまう。

猫小屋の温度管理が出来るように温湿度計を取り付けたが、結露ができている時には湿度100%になっている。

人間でも湿度が高いままだと体調が悪くなるので、ビニル温室のジッパーを持ち上げて2か所の扉を開け換気することにした。

ビニル温室の扉を開けて、2時間程してから、湿度計を見ると湿度96%だった。

「物置きの中は風がないため空気の入替えができないみたいだね。」

「強制換気をしたいねー」

ミニ扇風機が物置きにあったので、これを使ってさらに30分換気を続けると、湿度72%迄下げる事ができた。

「ビニル温室は湿度が高くなりやすく、換気も難しいねー」

「換気には扇風機が役に立つね。」

猫小屋の湿度までは考えてなかった。湿度が高いと空気が冷たくなって冷え込んでしまう。

猫小屋の湿度計を見ながら、昼間はビニル温室の換気をして、天気が良い日は寝床の日向干しをすることでしばらく様子を見る事にした。

___ つづく ___









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