酔ってセンチメンタル
少し酔っているので、どこにも吐き出せないこのおセンチな感情をここへ置いておこうと思う。
決して実ることの無い、想い人がいた。
母親が息子のように可愛がっていたから、その繋がりで、わたしのことも妹のように可愛がってくれた。
わたしは恋愛感情で好きだったけれど、その人は、わたしのことを“妹のように思ってる”と笑った。わたしは、元から異性との繋がりが薄いせいか、異性の友達を兄妹のようにおもったことはないし、その気持ちは全くわからない。
男女問わず、異性の知り合いを恋愛感情抜きに実の兄妹のように想える人は少ないことは、なんとなく分かる。
世間一般からしたら、よく思われないことも。
わたしだって自分の恋人が、恋愛感情はないからとは言っても、実の兄弟でいるような感情を持つ友達と頻繁に連絡を交わしたりと、親密な関係でいたら、かなり嫉妬する。それどころか、別れるかもしれない。
妹のように思ってるって、つまり恋愛感情ではないってことで。
でも、思わせぶりな態度ばかりして、最低だと分かっていた。彼は、すこし嘘つきで、すこし胡散臭くて、すこしずるいひとだった。
それをわかっていても、わたしは、冗談を言って、わたしらしくないすこし汚い言葉を使っても、すこし仄暗いわたしの過去を明かしても受け止めてくれる、彼のことが好きだった。
今でも、こんなふうにすこし酔ってしまったら、勢いで連絡してしまいたくなる。
でも、ほんの数ヶ月前に、彼のLINEのホーム画面がペアリングの画像へと変わっていた。
だからわたしは、自分からは決して彼に連絡をしないと決めている。
けれど、もう好きではないと思ってはいても、人はそう簡単に忘れられないものだ。
LINEのやりとり、助手席に乗せてもらって走った道、交わした会話、未だにふと思い出す。きっと、一生忘れられないのだと思う。
彼は、わたしの気持ちに気付いていたのだろうか。なんとなく気付かれていたのかもしれないという予感はする。
でも、わたしが自ら死んだら怒ると言ってくれたこと、嘘でも嬉しかった。今でも、わたしがもし今死んだら葬式に来てくれるかな、とか考える。もし、綺麗な姿で死ねたとしたら、最期の顔くらい見て欲しい。欲を言えば、怒りながらでもいいから少し泣いて欲しい。
これから先わたしは、彼以上にすべてを捧げてもいいと思えるほどのひとと出会えるのだろうか。
不安ばかりが募る。
今は連絡をとっていないから、彼の近況はわからないけれど、彼は人生をかけて大切にしたい愛する人と出会えたなら、わたしは心から祝福したいと思う。
好きなひとには、離れていても、どうか、どうか幸せに過ごていて欲しい。
彼は、子どもが好きだった。だから、その願いが叶って、幸せな家庭を築けていればいいと思う。
彼の存在を、記憶から消せたなら、どんなにいいことか。
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