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ドイツ 市民化テスト、合格しました🌸

2020年2月22日12時という、やたらと「2」が並ぶ、まだコロナの影響が薄かった先々月の土曜日にStuttgartの市民大学(VHS)で受けていたドイツ市民化テスト(Einbürgerungstest)の結果がドイツ連邦移民省より届きました。簡単な試験とはいえ、満点合格だったのは嬉しい!

市民化テストは、ドイツ国籍取得や定住許可取得(場合による)の条件の一つである、ドイツ社会(法規範含む)の常識を知っていることの証明になるもの。わたしの場合(EU Blue Card→定住許可)には特段要求されず、受けたことがなかったが、長期的視点でドイツ国籍取得を目指すという万一のシナリオに備えて受験した次第。

受験の動機・・・

日本国籍のわたしは、ドイツ国籍を取得できる場合、EU/EEA圏での転職・転勤が容易になるのは大きなメリットだ(ただ日本・ドイツは二重国籍を認めていないのがネックであるが)。というのも、我々Non EU/EEA人は、欧州での転職時に、会社が欧州人の中でそのポジションの人材を見つけられなかった場合に初めて非欧州人を雇い入れができるという欧州人優先の考え方が取られる欧州圏内では、スタート地点がそもそも不利で、会社にとっても面倒な手続きなどがある。フランス大学時代の友達などが欧州内で自由に転職しているのを見聞きして、いつも羨ましいと思っていた。国籍次第で労働市場の広がりに差が生じることをそれこそ約20年前から感じていた。(日本も二重国籍を認めると競争力が増すとも思うが、単一民族で国家を形成してきた歴史からは日本で二重国籍を認めることは難しいのかなとも思う)

EUの定住許可取得というオプションもあるが、現在のドイツ定住許可と大きく変わる点はEU定住許可を持っていたら、万一ドイツを一旦離れる自体になった時、6ヶ月で滞在許可が失効するところがEU定住許可だと12ヶ月になる、という点くらいか。実際、例えばドイツを離れてフランスで転職したい!といっても結局またフランスで滞在許可を一から取りなおす必要があるようだ。そうすると、滞在許可の更新のたびに会社に書類を依頼したり、更新できるのかと気を揉んだり・・・こういうのは自分でコントロールしにくいこともあり、結構ストレスに感じるし、またあのステップを一からするのは辛い。そもそも、知る限り、ドイツ、オランダなど限られた国では無期限定住許可は一定期間納税等すれば取得しやすいが、他の欧州の国はなかなかそうもいかないようだ。個人的経験からも、ドイツは欧州の中でも滞在許可・定住許可は圧倒的に取得しやすい国だと思う。

市民化テストの合格基準と受験準備

このテストの合格基準は33問中、17問正解すると合格するという緩いもの。笑

試験問題はドイツの歴史(ほぼナチス時代の話!で近代・現代史中心)、ドイツの法令基本知識、政治・選挙・学校制度などの常識、自分が居住する州の政治・選挙等の知識が選択方式で聞かれる。試験慣れしている日本人にとっては簡単に感じるだろう。また、この市民化テストは、"Leben in Deutschland"というドイツ・インテグレーションコースの終わりに受ける試験と同内容だそうだ。

対策としては連邦移民省がホームページで公表している過去問をひたすら繰り返すこと。州ごとに対応できる上、わたしが受けた試験ではこの過去問からしか出題されなかった。ドイツ語が苦手な人でもB1レベルであれば解ける。まずは解いてみてわからない単語を調べたり、間違った問題は印刷して見直し。試験の日まで1ヶ月くらいはドリル・脳トレ感覚で毎週過去問カタログ全問(330問)解いた。そうすると自然にパブロフの犬のようになります。

http://oet.bamf.de/pls/oetut/f?p=514:1:11578294202409:::::

ドイツの常識問題も試験問題にあるのだが、「静かにするべき時間は何時から?」(正解:22時)、「21歳の娘が彼氏ができて同棲したいと言っているが、親としてはどのアクションが適切か?」(正解:娘の意思を尊重する)などと結構面白くて、ドイツ社会が垣間見れる気がした。

試験当日の様子

では、今から当日のゆるーい試験の様子をお楽しみください。

持ち物はパスポートとボールペン、受験申込書のみ。荷物検査など特になし。携帯電話を指定の場所に置く、などということもなく、自由に着席。

受験者層は、アジア人の受験者はわたしともう一人くらいでほぼ欧州人(東欧の感じ?)やトルコ人(受験前に話した)。Brexitの関係かイギリス人も多かった。

12時に開始する試験で、30分前に行ったが試験会場の教室は閉まっており早く到着しすぎて、同じ試験を受けるトルコ人とおしゃべり。トルコも二重国籍は認められていないのが悲しい、と言っていた。

試験開始15分前にようやく試験監登場。12時過ぎて教室に入ってくる受験者もいたが、慌てるわけでもなく普通に受験できていた。笑

ボールペンで回答するのだが、訂正したい場合のルールがかなり独特。試験問題の最初のページあたりに訂正の仕方が載っているので、よく読む必要がある!

試験自体は選択式なので開始後15分くらいで早い人は教室を出て行く。わたしも3度ほど見直しても20分くらいしかかからなかった。出て行く時に、ひとりひとりに「良い週末をね!」と試験監のおばさまが仰っておられて、終始和やかムード。

試験結果は2−4週間?くらいで来るとのことだったが、コロナの影響か、試験から6週間後に到着。割と時間がかかった。

試験を終えて・・・

試験費用は25ユーロで申込みは市民大学で簡単にできるし、ドイツ国籍申請を視野に入れずとも、市民化テストを受験するのは興味深い知識を得る体験になると思う(ただしかなり早めに申し込まないとすぐにいっぱいになる模様。もっとも今はコロナのために学校は閉鎖されているので試験も中断されている)。

ドイツの国旗の色を正確に知ることができたのも良かった!(正解:黒・赤・金←黄色にしか見えないが黄色ではない!笑)

今日はニッチな話題に触れてみました。


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