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官庁就活体験日記〜情報収集編〜

本記事では理系修士学生が官庁を志望業界に入れてから、どのように情報収集を行ったか、どのように志望を絞って行ったかを書きます。官庁が気になったきっかけは前の記事をご覧ください。

私が官庁を視野に入れたのは修士1年の9月中旬で、そこから以下の3つについて調べていきました。それぞれの調べ方についてまとめます。
1. 各省庁の違い
2. 国家公務員総合職試験
3. 省庁ごとの面接(官庁訪問)

1. 各省庁の違い

気になる省庁を比較したりどのようなカテゴリの業務をしているか調べたりするには、各省庁のサイトに行って、採用パンフレットQ&Aセクションを読んでみましょう。その上で民間企業と同様にインターン説明会に行ってみることをお勧めします。COVID-19の影響もあり、オンラインでも開催していると思いますので気軽に参加できると思います。説明会に参加する一番大きなメリットはどのような業務をどのような基準や価値観に基づいて行っているのか具体的に聞けることです。加えて、登壇者が就活する際に悩んだ他の省庁や企業の話も聞けますし、省庁ごとの職員の人柄も分かります。近い分野に携わっていても省庁によって関わり方や考え方が違ったり、職員の雰囲気も特徴があったりするので、自分の価値観や考え方に合っているか確認しましょう。
ちなみに説明会やインターンを通して採用担当に名前を覚えてもらうことは大きなアドバンテージになります。向こうはやる気のある学生を一人でも多く引っ張りたいのでインターンに参加すれば覚えてくれるでしょう。説明会に参加した場合は終わった後に対面でもメールでも質問を1回しておくと良いかもしれません。採用担当に認識されることのメリットは採用に有利になることではなく、自分と話が合いそうな職員を紹介してもらえることです。私の場合は公務員留学やとある政策分野に興味があったので、それらを経験した若めの職員との面談を希望しました。働き方などの懸念点がある場合はそれについて詳しそうな若手の職員を紹介してもらうこともできると思います。数名の職員に話を聞くと自分の疑問点について全体像が見えたように思えました。ここで聞いた話は官庁訪問という面接でも活かせたように思います。

余談ですが、社会経済や時事をニュースからしか仕入れていない私には、政策ごとの説明会は勉強になることだらけでした。何回か参加すると「この分野にもこういう問題があるんだ」「この省庁では課題を解決するには〇〇、△△、□□などの方法がよく使われているんだ」と少しずつわかるようになり、自分がいかに社会全体を見ていなかったことを痛感しました。最終的に省庁に就職しなかったとしても、この説明会で学べたことはこれから社会をどう見るかにつながったと思います。参加して損なし。

2. 国家公務員総合職試験

国家公務員総合職試験は秋と春にあります。国家公務員総合職試験は無料で受けられますが、秋の教養区分と春の院卒者試験(大卒程度試験)では内容がずいぶん異なります。秋は申し込みは8月までで、「教養」とついているように専門性よりも幅広い教養が問われる試験だそうなので、申し込みが間に合うならとりあえず受けてみるのがいいかもしれません。私は間に合わず、春の院卒者試験の工学区分を受けたので、そちらについて説明します。ざっくり説明するとこのような形式です。

<1次試験> 基礎能力と専門の選択肢問題
    ↓
-------基礎・専門それぞれ基準点による足切り-------
    ↓
<2次試験> 専門記述試験+人物試験(面接)+政策課題討議試験
    ↓
-------記述の基準点による足切り-------
    ↓
1次+2次+外部の英語能力試験のスコアへの加点
=>最終合否+席次が決定
=>官庁訪問

私が苦しんだのはこの試験についての情報収集です。
まず人事院の公式ページで点数配分や具体的な申し込み方法を確認しました。点数配分は割とややこしいので、本格的に過去問を解き始めるまではなんとなく理解しておけばいいと思います。ちなみに私の申し込み時にはブラウザの制限がありました。Google chromeではなく普段使わないSafariから行った覚えがあります。
次に過去問を探しました。研究室やサークルで過去問を持っていたり試験について質問できたりしそうな人(できるだけ若めで、試験形式が近い人)がいるか聞くことをおすすめしますが、私は人事院の公式ページで過去問を取り寄せました。費用は高額ではないですが、手続きが面倒で取り寄せに時間がかかる(1ヶ月以上)ので過去問は試験の時期が近くなる前に悩んでいる段階で気軽な気持ちで入手しておくことをおすすめします。(手順をまとめているサイト
加えて私が知っておきたかった情報は
・近年の傾向や点数の目安(どの選択科目が解きやすいかも含めて)
・何をどのくらい勉強すれば良いか
・人物試験や討議試験とはどんなものか
・希望省庁にはどのくらいの点数が必要なのか
といったことで、私はネットで調べたり就活支援のエンカレッジで質問しました。ただ理系院生ではない人のお話が多く、参考になることもあればならないこともありました。説明会やインターン等でそのような情報を持っている人と知り合えればありがたいですね。
私の個人的な勉強方法については次の記事で書こうと思います。

3. 省庁ごとの面接(官庁訪問)

官庁訪問は、志望する最大3省庁を順番に訪問して面接をしていくプロセスで文系(事務系)理系(技術系)で分かれています。その日のうちに電話で合否が分かり、次のステップ(次クール)に進めるか決まるという流れです。詳しくはこちらを見てください。2クール目までは職員との1対1面談を数回+人事との面接、2クール目で合格だった省庁のうち最も行きたいと思ったところに3クール目以降進む、といった感じです。ちなみに2021年に私が受けた省庁の技術系は朝9-10時に始まり17-20時に終わりました。面談の時には1. で挙げた説明会でさまざまな政策に触れていたおかげで質問を考えることに慣れていたように感じました。
官庁訪問については2. の試験について相談した人がいればどのような様子だったか聞いてみましょう。COVID-19の影響でこの先数年は毎年形式が変わりそうですが、基本は参考になると思います。私は友人の話を聞きつつ、ネットで「官庁訪問 体験記」で個人ブログを調べまくっていました。どうしても文系(法・政治・経済)の情報のほうが多いのと、省庁によって内容が異なるもののブログでは省庁名を伏せているので参考になるのかわからない、という点で効率はよくありませんでした。

この記事では情報収集の話をしました。正直私は「何がわからないかわからない」状態からスタートしたので、同じような思いをしている人に届くと嬉しいです。私の個人的な話もちょこちょこ混じってしまいましたが、次の記事は体験談をメインに書いていきたいと思います。

今回載せたリンクには2021年度用の情報もありますのでリンク切れしていたらすみません。

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