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「Basta!」の正しい使い方!

最近ほんとに時間がなくて、イタリア語の勉強がぜんぜんできてない…ってこれ、ほとんど口癖みたいになってるね…💦

そんな私をみかねたのか、日常的なおしゃべりの中にこそっとイタリア語を混入してくるねこすけくんw

「はぁー、今日は疲れたよう…」
「いつもおつかれさま。今日、ネスプレッソ用のカプセル届いたんだけど、…ぶお…ぷれんxxxxxなんちゃらxxxx?けぐxxxぴあーちぇ?なーぽり、ばり?…オーxxxxxx」(※正しい文章は文末に…w)
「あっはい……(´・ω・`)ナンスカ?」

こんなふうに最初のうちは「ふえっ!」ってなってなってたけど、最近はずいぶん慣れて、少なくとも「あっ、イタリア語なんだな?イタリア語で話しかけられてるんだな?」ということはわかるようになった!!!!!w

それに、とっても素直になった。訊かれていることにきちんと答えたいから、すぐに日本語で「それはなんて意味ですか」「答えはどういうですか」「こういうときはどう表現したらいいですか」ときくようにしてる。つまり答えるより先に始まる質問攻め。

これって、私にとってはすっごい革命的なことだった。だって私はずっと、人に教わることがすごく苦手で、お料理やお裁縫みたいな趣味の分野でも、仕事で必要な資格取得に関しても、基本独学を通してきた。世にはレッスンブックや参考書がこれでもかとあふれてるわけだし、第一いまはネットがあるだもん、困ったらすぐ調べれば解決しちゃうでしょ、なんて言いながら。でもその奥にあったのは、

人から「それはちがう」と否定されることに対する底知れない恐怖

だったんだよね。「ちがう」って言われた瞬間、頭の中が真っ白になって、さっきまでここにしっかり立っていたはずの自分が、ぽろぽろ崩れていってしまうような感覚に襲われる。しかもそのうえ私は意地っ張りだから、「ちがわないもん!もういいもん!」とほとんど半泣きでそこから走って逃げ出したくなる。そして逃げ出した先にあったのが「自分で勉強するもん!」という選択肢だったわけ。…もうね、正直、このメカニズムを認めることだけでも一苦労だったw

そんな私を知ってか知らずか、ひとつできれば褒めておだててなでなでしてくれるねこすけくん、処理しきれずに死んだ目になったときもすぐに気付いて、別の話題にさらっと移ってくれるねこすけくんは、理想の先生。ずっと私だけの素敵な先生でいてね💖

*****

そんなわけで、低調かつ素朴な感じでじりじり勉強している感じです。最近覚えた表現のイチオシは、

Basta.(バスタ/十分、もういい)

わーい、かんたん!たとえば、

"Vuole un'altra tazza di caffe'?(コーヒーをもう一杯いかがですか?)"
"No, basta grazie.(いいえ、十分です、ありがとう)"

こんなふうに使えます。

ねこすけくん曰く、留学して初めて覚えたカジュアル表現がこれだったとか。実は偏食小食で好きなものだけずーっともぐもぐしていたいという若干めんどくさ…いえ、とても正直な胃をもっている彼。その彼が長らくお世話になったホームステイ先のマンマは料理上手で、特にプリモ・ピアットのパスタとセコンド・ピアットの肉料理は

「しにそうなくらいうまかったけどしにそうなくらい多かった」

という規格外の味とボリュームだったんだってw そのうえ、「ワインのおかわりもいるでしょう?」とか「ドルチェもまだたくさんあるわよ」とか、毎食毎食きりがない。それで必死になって覚えたのが、

「らみあぱんちゃえぴえーな、ばすたぐらっつぃえ!」
"La mia pancia e' piena, basta, grazie!(私のおなかはいっぱいです、十分です、ありがとう!)"

だったという、おいしそうだけどたいへんそうな思い出話をきかせてくれた。でも確かに、イタリアごはんのボリュームといったら半端ない。私もそんなにたくさん食べる方じゃないから、気合入れて覚えておかなきゃね、この表現…w

ただ、この表現については注意が必要。

"Basta!"

とか強めに言ってしまうと、

「もういい!」
「やめて!」
「もうたくさんだ!」

みたいなニュアンスになってしまう。たとえばおしゃべり大好きなイタリア人が他愛無い会話で盛り上がってるそのとき、相手を押しのけ、話題を遮るようにこの表現を使ってしまうと、とっても雰囲気が悪くなるから気をつけなきゃです。最悪、その人との人間関係そのものが終わってしまうかも…怖い…!

じゃあ代わりの表現は、何かないの?ねこすけくん……?

「うん、そうだね、ん-と、補助動詞を接続法にして…」

補 助 動 詞 ?
接 続 法 ?

「…えーと、またそれは、今度ね!w」

というわけでいまのところ、私たちの間で使うときは、

「ねえ、今日、ごはんこのくらいでいい?もう少し盛ろうか?」
「えっと…うん、いい、Basta, grazie.

という感じ。だからもちろん、ケンカで使うことはないよ!…うーん、でもそっか、2年前くらいなら、使ってたかもねw だって、あの頃はお互い、なんで相手が不機嫌になってるのかわからなかったし、第一、自分がなんでこんなにキレてるのかも、よくわからなかったもんね。それで最終的には、「もういい」「もうたくさん」「もうカンベンして」って、それこそ悪い意味でのbastaの応酬みたいになっていた。懐かし…くない!w 私はいまを大事にしたいの。

「もういい! / Basta!」

じゃなくて、

「どうしてそう思うの? / Perche' pensi cosi'?
「どうしてそう考えたの? / Perche' hai pensato cosi'?

って、これまでいっぱい傷付いてきたお互いの心をなでなでするみたいに、理解しようって努力してるいまが、ほんとに、大事だから。

*****

※ちなみにこたえ。

"Vuoi prendere un caffe' adesso? Che gusto ti piace?  Napoli,  Barista o Intenso?"
「いまコーヒーいる?君は何の味がいい?ナポリ、バリスタ、インテンソのどれ?」

といっているらしいですw


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